催眠アプリを友人が作ったら斜め上になった。
スランプに悩んでて「とりあえず、短めなのでいいから書こう」と思って書いたら悪魔合体したような作品ができました。
とりあえず、笑え!
「催眠アプリを手に入れたぞ‼ これで、クラスのアイドルも俺のものだ‼」
スマートフォンに入った変なアプリを見せつけてきたと思ったら、実に気持ちの悪いことを言い出した友人。
どうせパチモンだろう。
そう思っていたら、先生に向かって「あなたは今からチョーク投げがめっちゃうまくなる!」とかふざけた催眠をかけた。
授業中、寝てた不良生徒はチョーク塗れになり、チョークで教室の後ろに張り付けられている。
やべぇ。本物だった。
「じゃあ、俺、今から彼女に催眠掛けてくる‼ エロいことしてもらってくる‼」
「死んでしまえ」
俺はそんな彼に汚物を見るような視線を向けて見送った。
友達やめよう。
そう思いながらも、なんやかんやで、彼がこのまま人の道を外れるのを防ぐため、俺はクラスのアイドルの下に向かう。
「おい、お前、なにやってんだ……⁉」
そこにはスマホを砕かれ、えげつないほどたんこぶを作った友人が血の海に沈んでいた。
「な、なにが起きたんだ……?」
こっちの台詞である。
倒れ伏した友人の前に仁王立ちする彼女は、こちらを睨みながら拳法のような動きで挑発する。
「ふふ、どう? 私の妖魔幻影拳の味は? 催眠アプリを使おうとした瞬間、発動しあなたを幻影の中に誘ったのよ」
「なん……だと……⁉」
「なんかバトル漫画みたいなの始まっとる」
そういえば、彼女の実家は道場だったけ。
そんな漫画みたいな拳法教えてたんだ。今度、行ってみよう。
「なかなか、ふざけた真似してくれるじゃない。私はそんな卑劣な道具でいかがわしい真似をする人間が大っ嫌いなのよ!」
「いや、まったく」
「今この場で葬ってあげるわ‼」
「いや、やりすぎ」
「キエェェェェェ‼」と美少女にあるまじき奇声を上げ、手刀で友人を貫こうとする彼女。
友人はドスッと身体を貫かれた。
そう思ったら……
「甘いな。それは幻覚だ」
「なにぃ!?」
いつの間にか、彼女の背後には血まみれだったはずの友人が無傷で立っていた。
「忍法・妖幻回廊。今までのやり取りはすべて幻覚だったのさ」
「その身のこなし、貴様、忍びの者か‼」
「マジで?」
長年、友人やってたけど全然知らんかった。
たしかに、プールの上走ったり、巨大な凧で登校したり、たまに分身したりしてたけどマジで?
「現代忍術用に作り上げた催眠アプリをこうも凌ぐとは。しかし、わが忍術に単なる武術が通用するかな?」
「おのれ‼」
分身を生み出し、彼女を翻弄する友人。
すると彼女は、懐から一本の杖を取り出し――
「ネーム・レーヨ‼」
「ぬあぁぁぁぁぁ……ZZZ……」
放たれた金色の光に触れた瞬間、友人はその場に倒れ伏した。
「私の幻惑魔法の味はどう? こう見えて、魔法学校では優秀な催眠魔法の使い手だったのよ」
「俺はなにを見せられてるんだ?」
どんだけ設定盛り込まれてるんだ?
最早、ツッコミが追い付かない。
そうしてる間にも、今度は友人の身体がパカッと割れて中から宇宙人が現れ……
「むにゃむにゃ……今度は宇宙人かよ……」
「さすが、俺の作った催眠アプリ。効果はばつぐんだ」
「っ!? いや、今までのやりとり催眠だったのかよ⁉
幻の世界から帰還した俺を見て、自分の発明に満足する友人。
どうやら、俺はこいつに催眠をかけられていたようだ。
「いや、本当にすごいな⁉ このアプリ。今まで全然気づかなかったぞ!?」
「だろぉ? 苦労したんだぜ?」
得意げにいう友人。
彼はそう言うと催眠アプリの入ったスマホを手に取り、戦場へと旅立った。
「じゃあ、行ってくる」
「気をつけろよ……」
硝煙が昇り、戦闘機が飛び交う空を見て、友人は決意に満ちた表情を見せる。
世界は変わった。
各国の関係は悪化し、世界中の政府はやりたい放題。
戦争漬けの毎日だ。
日本もまた、政府は崩壊。今では無法国家になってしまった。
友人の家族も俺の家族もみな、戦火に焼かれこの世を去った。
そんな中、限られた資源を使い、友人は催眠アプリを作り出した。
「戦争の元凶である独裁者たちに催眠をかけて、戦争を終わらせる」
そんな決意を胸に、彼は今日、旅立つ。
「今度は催眠じゃなくて本当の平和を見せてやるよ」
その背中を見送り、俺もまた別な道を行く。
|催眠〈理想〉と|武力〈現実〉この二つを駆使し、世界を元に戻すために。
俺は道場で習った武術・忍術・魔術を用い、現政府に戦いを挑むのだった。
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