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【完結】異世界誘拐物語 〜女神のギフトは甘い罠〜  作者: くれは
第三章

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第二十八話 バグってる?

お試し期間となりますが、来週から休日(土日祝)のみ8時台投稿にさせて頂きます。宜しくお願いします。

 頭を掻きながら軽く謝罪する多月に深いため息を吐く。

 まだ100mも歩いていないが、魔物がいないことを確認して、休憩がてら再鑑定することになった。



 神崎ナイト

 年齢:25

 性別:男

 レベル:10

 力:195

 命中力:109

 持久力:109

 敏捷力(びんしょうりょく):195

 知力:109

 精神力:109

 魅力:290


 スキル

 剣術スキルLv5

 飛躍スキルLv3

 テイムマスター

 光の魔法Lv1



 ――バグってるだろ、これ……。


 初期値150だったステータスは5ずつ上がって、100だったのは1ずつ。200だった魅力なんて、10も増えてるぞ!?


「オイ……アタシより、上がり方エグいってどういうことだよ!」

「ナイトくん、すごいよ! あれなのかな……大人だから?」


 女神サマでも把握しているか、不明すぎる……。

 でも、確かレベル99が最大値なら、ステータスもカンストしたら、みんな同じになるんじゃ?


 いや、待てよ……ダンジョンに入る前にレベルを確認して多月のステータスも見たぞ。


「そういえば、多月のステータスって……999じゃなかったような」

「あァん? もう1回アタシのステータス見たいってェ? 特別サービスだぜェ」


 五十嵐多月(いがらしたつき)

 年齢:35

 性別:女

 レベル:99

 力:999

 命中力:900

 持久力:999

 敏捷力(びんしょうりょく):850

 知力:999

 精神力:800

 魅力:777


 スキル

 不明



 得意、不得意とか反映されているのか?


 しかも、魅力が思ったより高くてゾロ目。それもスリーセブン。

 さすが多月と言うべきか……勝負師っぽいぞ。

 スキルは隠しているのか?


 先ほどは、レベル99にだけ目がいって良く見ていなかったらしい。


「魅力値の数値、気に入ってたり?」

「もちろん! スリーセブンとか、縁起がいいだろォ。崇めてもいいんだぜ?」

「そうだね! ナイトくんがレベル99とかなったらプラス補正がつきそうな伸びだよね〜」


 自分のレベル99は、目的が別なため帰るまでに達成することは難しいだろうけど、そんな機会があったら楽しみの1つになるな。



 5分ほど休憩をした俺たちは、再び点灯(ライト)を前に照らして多月を先頭に暗闇を進み始めた。

 本当に洞窟のような内部に、元の世界ですら洞窟探検をしたのは高等部で行った沖縄旅行の鍾乳洞くらいである。


 しかも、鍾乳洞とは違って此処は奥に進みにつれて更に暑苦しくなる。

 上半身裸になりたいくらいだ。女性が二人もいるし、紙防御の俺にそんなこと出来ないけど……。



 進む中で何匹かの沼ガエルと遭遇しては難なく倒していく。

 体感だけだが、地味に俺のレベルも上がっている気がした。


 急に開けた場所にでると、少し先に二つの暗闇(みち)が口を開けたように(たたず)んでいる。


「ありきたりだと、進める道は一本って展開が王道だが……異世界はゲームとは違うからなぁ」

「よしッ。アタシが、調べてやるよ。後ろに下がってなァ! あと、耳を押さえるようになッ!」


 多月がいうと嫌な予感しかないが、俺たちは後ろの壁側まで下がった。

 すると、先ず右側の道に仁王立ちした多月は肺活量を使って思い切り空気を吸い込んでいる。

 嫌な予感が的中しそうで俺たちは、急いで両手で耳を塞いだ。


「スゥゥゥ……ワァア!!」


 耳を押さえていても反響する多月の咆哮(ほうこう)に、耳鳴りがするような感覚が襲う。

 まさか、コウモリと同じことをしているのか……。あれで空間認識出来るかは不明だけど。


 続けざまに左側でも同じことを繰り返した多月は耳を澄ませてから振り返った。

 俺たち2人は、頭がクラクラしていて落ち着くのを待つ。


「二人とも、大丈夫かァ? 意外と響くもんだなァ」

「うっ……まだ、頭がキーンってする。それで、分かったのか?」

「鼓膜は危ないから、一応回復しておくね!」


 攻撃ではないからヒメの防御魔法は、効果がなかった。

 回復をしてもらうと、不快感は消えて息を吐く。


「おうっ! 右側は、壁だな。横にも道はないと思う。左側は、また分かれ道を感じたぜ」

「思った以上に便利だな……耳は、大変だったが。それと、なんかレベルが上がった気がするんだけど……」

「えっ? もしかしたら、内部に魔物とかいたのかな〜? あっ! あと、ダンジョンには付き物のアレ(・・)。結構、行き止まりにいるらしいよ〜」


 ダンジョンに付き物のアレ(・・)で、行き止まりといったら……思い浮かぶのは1つしかない。


 俺たちは顔を見合わせると、行き止まりの方から向かうことにした。異世界とはいえダンジョンには夢が詰まっている。

 それを邪魔する存在でもあるが、その生体には興味もあった。


 一本道を進んでいくと、行き止まりにたどり着く。点灯(ライト)で良く照らしてみると、地面にドロップアイテムが落ちていた。


「――何かの、コインか? 10円玉くらいの小ささだけど、絵が描いてある」

「あっ! それ、よく分からないけど、特定の魔物がドロップするんだよね〜」


 色は銀よりキレイで白っぽくみえる。10円玉くらいのサイズに宝箱の絵が描かれていた。これは、つまりミミックだ。

 宝箱に化けて冒険者を襲う嫌われモノ。

 俺も、RPGとかでは世話になったが、意外と嫌いじゃない。

 さすがに、襲われたい願望はないけどな……。


「んァ……それなら、アタシも持ってるぞォ。ほらよ」


 多月も1枚持っているらしく見せてくれると、ユニコーンらしい絵が描かれている。

 ユニコーンは魔物だったり、神聖な生き物だったり、その世界によってさまざまな描かれ方をしていて、可哀相に思ってしまった。


「うわっ……ユニコーンは、この世界だと、どんな位置づけなんだろうな」

「うーん……私も見たことないからなぁ。多月さんは、どんな感じだったの?」

「んー……森をドラゴンブレスで焼き払ってたから、知らねェな! 散歩がてらに歩いてたら落ちてた」


 思った以上に哀れな死に方をしている。

 ミミックのコインを回収すると、他にドロップアイテムがないことを確認して、俺たちは先ほどの分かれ道に戻ることにした。

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