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邪神ニャルラトホテプ

クトゥルフ神話と銘打ってますが、実際はオリジナル要素もりもりのファンタジー系だと思って下さい。

てか作者がクトゥルフにわかなので知ってる人から見ればツッコミどころ満載だと思います。

クトゥルフ神話を知らない人でも十分楽しめる作品になっていますので、是非お楽しみ下さい。

「いや〜ごめんね、どうやら手違いで君は死んじゃったみたいだ」


「へ、へ〜、そうなんすか」


 何もない真っ黒な空間にて、神を名乗る彼女に告げられた言葉。


 なんか空が変だなと思った次の瞬間、どうやら俺は死んでしまったらしい。


 そして目の前にはおよそ人間とは思えない程の美貌を持った黒髪美女がいる。


 死ぬ→謎の空間→謎の人物→手違い。


 この流れ、間違いない。


 (異世界転生だ!!)


 きっとそうだ、というかそうでないと困る。


 俺の人生まだまだ残ってたのに、このまま終わりなんて受け入れられない!!


 土下座してでも頼み込んでやる!!


「う〜ん、僕としても非常に忍びない。何か願いがあるな是非とも」


「異世界に行きたいです!!」


 先手必勝の構えである。


 斜め90度に下げた頭をゆっくりと上げると


「……ほう」


 世界がブレ、目の前の存在が何か認識出来なくなった。


 ただわらった、それだけは理解できた。


「いいね!!面白い!!異世界の冒険か〜。分かる、凄く楽しそうだよね」


 だが次の瞬間特に何事もなく楽しそうに話し続ける神様。


 今のはただの気のせいだろう。


「なんか思ったより俗物的ですね」


「まぁ神を名乗っちゃいるが、僕も中間管理職みたいなものさ。時には自由に世界を見て回りたいものだよ」


「大変そうですね〜」


 さっきは何だか変な気がしたが、思ったよりも話しやすい神だな。


 美人で融通が効いて意外と真面目……か。


 神じゃなきゃ告ってたかもしれんな。


 まぁ変な考えはさて置き


「何やら不手際で俺って死んだんですよね?」


「あーうん、僕としたことがうっかりだよ」


「一体何をしたんです?」


 何か作業をしている神はあっけらかんと


「間違えてお父様を起こしちゃって、宇宙を破壊しちゃったんだ」


 ……?


 ちょっと言ってる意味が分からなかった。


 お父様?


 宇宙?


 ……よし!!


「それは残念でしたね!!」


「さすが人類!!その考えることを放棄した姿に僕はいつも癒されるよ」


「アッハッハ、お安い御用ですよ」


 ここはスルーだ。


 多分……というか絶対、触れたらダメなパターンだと本能で察した。


「いやいや、久しぶりにここまで話が合う人類に会ったよ。君、名前は?」


「俺の名前ですか?名前はですね」


 ……あれ?


 俺の名前、何だっけ?


「おっと、さすがお父様。存在諸共消し飛ばしちゃったか」


「英治?いやエイダン……えっと……」


 喉元まで出掛かってるのに、絶妙に思い出せない。


 エイ……エイバ……エイブ……あ!!


 確か


「エイボン?」


「ぷはっ!!」


 何故か神様が噴き出した。


「あはははは、君最っ高」


「人の名前でそんな笑います普通……」


「いやーこれは笑わずにはいられないよ。アッハッハ」


 と言った次の瞬間、直ぐに彼女の笑顔が消える。


 その姿に何故だが俺の背筋は急激に凍った。


「理由は僕も分からないが、うん、いい名前だエイボン。これからよろしく」


「あ、はい、ありがとうございます。ところで神様の名前って何ですか?このままだと呼びづらいので」


「確かにその通りだね」


 そう言って彼女はコホンと咳払いをし


「改めて名乗ろう。僕の名前は■■■■■■だ」


 突然、ノイズが走ったかのように何も聞き取れなくなる。


 それどころか妙に具合が悪くなるというか


「おっと、これはすまない。人類に僕の名前は早すぎたね。身近に言うのであれば、ニャルラトホテプ。これが一番だろうね」


「ニャルラトホテプ、なんか聞いたことあります」


 せいぜい知ってるのはあの有名なSAN値がピンチになる曲くらいだが。


 確か……邪神じゃなかったか?


「よろしくエイボン。僕のことは気軽にニャルと呼んでくれたまえ」


「……はい、ニャルさん」


 彼女の手を掴むと、まるで深淵にでも触れているような感覚に襲われた。


 俺ってもしかしてかなりまずい状況なのでは?


「さて、長々すまないね。異世界への切符が取れたよ」


「そんな、ニャルさんと話せるの楽しかったので問題なしです」


「嬉しいこと言ってくれるじゃないか。さて、ここまで付き合った仲だ。何か選別をくれてやろうと思う」


 きた!!


 間違いない、これはチート能力だ!!


 そう、例え相手が邪神だろう善神だろうと関係ない!!


 俺は異世界に行き、夢の生活を送るのだ!!


 ならば例え悪魔にだろうとなんだろうと魂を売ってやろうじゃないか!!


「というわけでほい、ネクロノミコン」


「……?」


 なんだこれ?


 本?


「えっと……これがチートアイテムですか?」


「チートかどうかは知らないが、人によっては喉から手が出る程欲しいものだよ」


「な、なるほど」


 パラパラとページを捲ると、何故かニャルさんが豪快に噴き出す。


 Why?


「ホント面白いね君!!知ってる人が君を見たら腹を抱えて笑ってるよ!!」


「今のニャルさんみたいに?」


「うん!!」


 凄くいい返事だった。


 小学生ならクラスの人気者だなありゃ。


 てか


「これ、読めないんですけど」


「そりゃそうだよ。ただの人類が読めるはずがないじゃないか」


「……え?」


 何これ?


 じゃあ何の為に存在するんだ?


「まぁ落ち着いてくれ。僕もそこまで非道じゃない」


「何か非道なことをしてたってことですか?」


「……よし!!それじゃあ早速異世界行こうか!!」


 分かりやすく話題変えやがった!!


「おい待てニャルさ……いやニャル!!本当にこのまま異世界行って大丈夫だろうな!!」


「え?君が頼んだのは異世界だろう?そこが危険かどうか僕には知る由もないし」


「やっぱお前邪神じゃねーか!!」


 クソ、可愛い見た目に騙された!!


 そもそもなんだよ、宇宙が破壊の不手際って。


 ナチュラルに世界ぶっ壊してる時点でまともじゃないだろコイツ。


 あーほら、凄い悪い顔してる。


 というかあれ、顔無くね?


 なんかデッカい門も現れるし……もう何でもいいや。


「ここ通ればいいのか?」


「そうだよ。急に大人しくなったね」


「なんかお前と関わってたら碌な目に合わない気がして」


「おお!!正解だよ」


 なんでお前は嬉しそうなんだ。


「さて、出発の前に一言だけ。実際、色々君で遊んでいたことは事実だ。ぶっちゃけお父様起こしたのも故意的だし」


「もうキレる方がおかしい気がしてきた」


「だが一つだけ、紛れもない真実を語らせてくれたまえ」


 そして最後に見た彼女の顔は


「君との時間、結構楽しかったよ」


 初めて何かがあったような気がしたのだった。

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