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正月は忙しすぎた(負け犬の言い訳)

 泉に戻る。

 そこにはレイを背に隠して杖を構えるハルと、大振りのナイフを構えたラニーがいた。

 あいつらが対峙しているのは人間ではない。獣でもない。人のような四肢を持ち、けれど人と同じ肉を持ちえない、草木で繕った人擬き。

 肢体は樹木のように節くれて、指先は草を細長く伸ばしてよりを掛けたよう。胴は樹皮に覆われて、頭部はそれがそのまま実になりかけた醜怪さ。気色悪い。どこかで見かけたような花が咲いていた。

 目に当たる部分には深くて暗いぽっかりとした洞が開いていた。

 見えてそうにないくせに、どうしても見られていると感じる。肌に視線を這わされている。そんな不快感に鳥肌が立つ。

 丹田に威を宿す。

 持ってきていた手甲を嵌めて躍りかかる。

 不気味さに反比例する柔らかさでその化け物の腹をぶちぬくことが出来た。

 だけどこいつは姿に違わず植物だったのか堪えた様子がまるでなく、俺を絡めとるようにして両腕を広げて覆いかぶさってきた。

「その馬鹿放せ!」

 ラニーが今まで見せたことのない速さと気合一閃で腕のような部分を切り飛ばしてくれたのでなんとか蹴り飛ばせたがその先でなんの痛みも感じていないように立ち上がる。

 そこで炸裂したのがハルの煌力魔法。

 いつかも披露した樹木を思わせる槍が射出されて頭の部分を吹っ飛ばす。

「かかか、かぁっこいい! 巫女さまかぁっこいい! いま杖の先からバーンって出てドーンって吹っ飛ばしてかぁっこいい!」

「ラニーさんもすごかったですよ。あんなに速く動けるなんてびっくりしました」

「あたしもびっくりした!」

 ラニーがうひょうとはしゃいでハルにべたべたと纏わりついているのを他所に、相対的にかぁっこ悪かった俺は生物だか分からん『何か』の検分だ。

 やっぱり植物……だな。胴体部分は樹皮だし。四肢にも芯の固さはあるけど。

「生き物なんですか?」

 ハルが聞いてきた。お前が度胸のある奴で助かるぜハルよ。

 だけどその質問には答えられそうにない。

 確かに食虫植物というか食肉植物って遭いたくない生物もいるんだが少なくとも俺の知ってる知識の中にはこんな奴は出てこない。

「ラニー、ナイフ」

 俺が何をするのか察したのかうへぇと渋面晒すラニーはナイフを投げてよこす。鞘から引き抜いてドンと突き立てそのまま開く。

「あー、女子供は刺激が強いかもだからもうちょい離れてろ。なんか分かったら教えてやる」

 ハルに目配せすると心得たようにラニーとレイを引き連れて少し離れた場所まで行ってくれた。こっちがなにをやってるか微妙に分からず、そして声を潜めれば届かず、なおかつこちらの目の届く場所にだ。

 この化け物を構成する大部分は植物的な物だ。それは間違いないだろう。断面には木の年輪のような模様があって、末端には葉脈がある。だけど胸部。そこに収められていた物を見て顔色を変えなかったは自信がない。

 それは俺の拳並みの大きさをした種だ。種を中心としてそこら中に芽を伸ばしており、それが胴体や四肢、頭を形成させていたんだろう。

 それからこれが一番肝心なんだが。その種は人間の心臓に極めて酷似していた。いや、隠さずにはっきり言ってしまうと、心臓が植物の種に変わったかのようだった。

 刃先で触れてみる。少しの抵抗がなくなるとぷつりと沈む。赤い滴が一筋、重さに耐えきれずに流れた。人のソレと変わらない在り方がなおさら悍ましかった。

「冒険家で博識であるところのザシャさんなら当然これが何か知ってるよな。知ってると言ってくれお願いだから。何なのか教えて安心させてくれ」

「すまないが、いつかは三千世界の不思議を知り尽くすだろう僕も今はこれが何なのかはちょっと教えることが出来ないかな。ああでも、一つ確実な事が言えるよ」

「それは一体なんですか」

「これが化け物だってことさ」

 違いない。

「これは流石の僕でもラニーくんには言えないね」

 ザシャの視線は心臓……種に向けられていた。その視線の先に写っていたのは見覚えのある記号だった。

 ラニーの首の裏に浮かび上がっていた聖樹の模様。それと瓜二つ。これが意味するもの。その答えとは。軽々しく断定は出来ないけれど、そういうことだったのならば。

「これが呪いなのかな。何度目かの冒険団の生き残りが戻ってきた時に呪いだ呪いだと触れ回っていたそうだけれど」

 そういやラティエラの街に着いた時にそんな話を聞いたな。

 確かに気分は良くならないが騒ぎ立てるほどのものかと言えばそれほどの物ではないと、頭の中で所詮は他人事だろうと冷徹に囁く俺がいた。

 仮に『コレ』が聖樹の民。その末路なのだとしても。俺たちが受ける結果はそこらの魔獣と襲われるのと変わらないからだ。目の前で化け物に変わる様を見せつけられるのであればトラウマになるかもしれないけれども。

「お前はなんともないか?」

「ふむ。気を遣ってくれてとても嬉しいよ。愛されてるという実感が、この僕をより美しき生命体へと昇華させそして」

「もういい」

 動かないただの躯になったそれを片付ける。

「あれ、どんな風に出てきた」

「ええまあ、地面からこう、ラニーさんの背後にもぞもぞっと出てきて襲い掛かってきたような」

 こっちに近寄ってきたくないのか気持ち悪げなラニーが気持ち悪く指を動かしながら気持ち悪く腕を上下運動させていた。言葉も出ないというのは伝わった。

 そんなラニーを見ていると、アレになると結び付けられない。仮定の話だから当たり前っちゃ当たり前か。想像を飛躍させ過ぎだと我ながら思う。思うけどもあの聖樹の印がどうしても気にかかった。あれさえなければただの化け物で済んだのに。

 地面を見る。

 なんの変哲もなさげな土と草と葉に覆われた地面だ。

 しかしこの下にアレが埋まっているとこを想像するとここでのんびり休んであまつ寝てしまおうなんて考えは吹き飛んでしまった。

「すごい涼しかったけど。出来ればもっと陽が沈んでから離れたかったけど。むしろここで一泊しても良かったけど。なるべく早めにここを離れた方がいいんじゃない」

 そう提案してくるラニー。

 まったくもって同感なのだが、俺たちの視線はラニーに集中していた。より正確に言うのならラニーの背後に。

「あ、すっごい嫌な予感……」

 おめでとうラニー。その予感は当たっている。

 ナイフを投げる。ラニーの後ろでその首に手を掛けようとしていた化け物に当たってもんどり打って倒れた。

 ゆっくりとラニーが振り返る。

 その視界に写っているのは無数の地面から生えてくる植物人間だ。大きい奴、小さい奴、基本的にはさっき倒したやつと同じ形をしているが中には別の個体と癒着していたり、顔を伏せるようにして座り込んでいたりと様々だった。

 そいつらには共通している部分がある。花だ。同じ花が体のどこかに咲いている。

「あ、はは、ど、したらいいかな」

 怯えたラニーが一歩下がる。カサリと葉を踏む音がする。

 すると。

 ぐるりと無数の眼球なき視線がラニーに突き刺さる。そしてそれらは立ち上がったり四つん這いになったりと姿勢を変える。

 両手を伸ばし、ラニーへと群がるように、徐々に徐々に距離を詰めていく。そこに敵対の意志は見られない。意志のない機械人形めいた動きで何がやりたいのかも分からない。

 だけどまあ、友好の握手を求めてくると思えるほど頭に花は咲いてない。あいつらとは違うのだ。

「ぼさっとすんなボケが!」

 ラニーを引き倒すようにして後ろに放り投げる。

 群がってくる植物人間ども。幸いにして動きは遅い。遅いがしかし数が多い。多すぎる。いったい何時の間にこんなに生えた。

「ナイフ!」

 そんなもん気にしてる場合かと怒鳴り返したいがほどよい切れ味に何より頑丈そうな道具は惜しい。

 倒れた植物人間の頭からナイフを抜き取って振るう。幸いにしてこいつら胴体はともかく末端はめちゃめちゃ柔らかい。ばっさばっさと切れる。

 俺の頭のすぐそばを光の線が走って行った。

 ザシャだった。

 大きな拳銃で花を打ち抜いたが連射はなかった。見れば弾丸を込め直している。古めかしい浪漫溢れる仕様だった。

「逃げろ逃げろ!」

「どこに行くべきかな?」

「あっちあっち! あっち安全!」

 率先して駆け出すラニー。

 根拠も確信もないがそれは誰もが同じこと。あいつの勘というか鼻というか。それに従った方がまだマシだ。

 ザシャを担いでラニーを追いかけ始める。

 最後にハルが振り返って例の槍衾で掃射した。くっそ、こいつめっちゃ頼れるなぁもう!

「やっぱり図々しいお願いをしたのが良くなかったのかな!」

「めちゃめちゃ後悔してるわ! 罰当たりでごめんなさい! だからこれもうやめてお願い!」

 なんて言ってみたところで終わる筈もなく、それどころかぼこぼこぽこぽこと駆け抜けて行く道の後から後から生えてくる。

 怖がればいいのか笑えばいいのかもう分っかんねぇなこれ!

 救いなのは足が遅いことか。

 普通の人間でも全力ダッシュすればなんとか撒けるだろう程度の速さしかないことか。

 ついには前からも出るようになった奴らを蹴っ飛ばして道を作らなくてはならなくなった。

 ラニーにナイフを返す。

 さっきからはハルは定期的に槍衾を投射して後ろを足止めしてくれている。ザシャもザシャなりに銃で応戦してくれている。その中で最も意外だったのはラニーだ。

 俺が思っている以上に、想像以上に機敏な動きで奴らを払いのけている。引き攣って青ざめた笑顔で。だけどそれはどこか変だ。

「一人で前に出るすぎるな!」

「平気平気! 今なら全然動ける感じがするから!」

 そうは言ってもお前だけ離れてんだよ。離れすぎると対処がしにくくなるだろうが。

 そうして案の定、ラニーが孤立した。

 そう思った。だけど実際には違う。ラニーが孤立したんじゃなくてあいつらが俺らなんて目もくれずにラニーに殺到しているのだ。

「カナタさん!」

 ハルが掃射をする。ラニーまでの道が開ける。ザシャを空中に放り投げる。踏み込んでラニーの背中に回る。

 一体目。ラニーの首へ手を伸ばす個体の頭を潰す。二体目三体目。挟み込むようにしてラニーに迫る奴らを両の掌底で弾き飛ばす。それでもまったく止まらないし減った気なんてまるでしない。

 くっそ、こういう対処しきれん大勢に囲まれた時、俺の取るべき選択は逃げの一択なんだが今はそれが出来ない。銃は嫌いだけどこういう時は欲しくなる。

「ただいまー!」

 ほんの数瞬だけ作られた間でザシャをキャッチする。同時に放たれる銃弾で何体かがなぎ倒された。散弾だったのかどうも使い分けの出来る銃身らしい。浪漫溢れる仕様だが代償に一発撃つ度に玉込めが発生するようだった。

 そんなザシャの奮闘も空しくラニーの猪突は止まらない。引き攣った笑顔のまま想像もしてなかった速さで切り倒して駆け抜けていく。ナイフは相変わらず大振りで扱いなんて全くなっていない。それを補って余りある速さだった。

 落とし子としての才能には乏しいと自分自身で言っていた。俺もあいつの骨格や筋量からそうだと判断した。だってのにそんな動きをしたらどうなるか自分で分からないのかあのアホは。

 放り出す。見捨てる。そんな選択肢を取れるはずもない。だからと言って俺がどんなに言葉で止めようとしても止まる気配はない。

「このままついてって平気なのか⁉」

「流石に僕にも分からないね!」

 頼りになんねぇ!

「大丈夫じゃないかと思います」

 自信なさげにハルが呟く。

「なんで⁉」

「な、なんとなくです。すみません」

 ラニーの危険感知めいた嗅覚と、そのラニーが巫女様と信じるハルの勘。対して俺はなんの良い代案もない。だったらどっちを選ぶかは明白だった。

 そのままラニーが向かう先に俺たちは駆けて行く。

 薄ぼんやりと発光しているあいつの首筋の模様が吉と出るか凶と出るか。

 しばらくはずっと緑色の変わり映えのない景色が続いていた。だけど途中から明らかに人の手で作られたような建造物が見えてくるようになった。

 さっきの村とは趣が違う。あそこは曲がりなりにも人が暮らすための痕跡があった。けれどここは違う。あの祭壇と似たような雰囲気。つまりは何かを祭っていた神殿。その跡地なんじゃないかと。

 転がり込むようにその内部へと駆け込むラニー。だが眼前には無数の草人擬きが待ち構えていた。突っ込むラニーの目には何も映っていないのかもしれない。

「止まって! 止まってくださいラニーさん!」

 ハルが声を上げる。それでもあいつは止まらなかった。

「……止まりなさいラニー!」

 ハルが怒鳴った。それは物理的な圧を持っていたように思える。

 ここにきてようやくラニーが俺たちを振り向いた。

 初めて会った時のような霞がかった目の色がやがて輪郭を帯びていつもの勝気なそれに戻ってよろけて転ぶ。

 それは多大なる隙に他ならず。

 再びザシャを放り出し、そこらに落ちていた石の柱を抱える。

 脳筋系の俺でも何やってんだこの馬鹿野郎と思わざるを得ない。

「ふんごーっ!」

 気合一発。いきなりの肉の酷使に体が文句を呟いた。血管が浮かび上がって破裂しそうになる。

 持ち上げ、振り回し、薙ぎ倒してぶん投げる。ぶん投げた先で壁に盛大に突き刺さっては崩れる建物。埋まる草人擬き。それでもなお追いかけてくるし生えてくるあいつらにうんざりする。

「伏せてくださいカナタさん!」

 ハルの声に反射的にラニーを押し倒して伏せる。

 頭上をとんでもない勢いで直進する緑色の光波が見えた。

 それは奴らと木々を薙ぎ倒しても止まらなかった。

 おかしい。元より才能はあったんだろうが以前よりもずっと強力になっている。

 ハル自身も驚いているように見える。

 その代償に煌導器の杖は力を失い本当にただの杖になってしまったようではめ込まれた煌石は光を失ってただの石ころになっていた。

 急いでラニーを抱えて奥へと向かう。

「ごめん。あたし、なんか頭ぼんやりして。ここどこ」

 そう言うラニーの腕や足の皮膚の下は出血してんのか青黒くなっている。当たり前だ。自分の身体能力超えてる運動量をいきなり発揮したんだ。体がついていかなくて当然だ。

 そうして行き止まりに辿り着く。

 巨大な樹を模したレリーフが俺たちを待ち構えていた。レリーフの根元からは不思議な光を放つ泉があった。泉にはいつ枯れ落ちたのか分からない樹があった。

 肝心なのは、ここから先に道はないことだ。

「おいどうするよ冒険家。塞がれちまったぞ!」

「これは……実に興味深い内容だね……!」

 レリーフを興奮して眺めるザシャにこれは詰んだかと思う。喜んでんじゃねえよこんな場面で。

 振り返れば目に見える範囲はあいつらの姿で埋め尽くされている。俺の出来ることなんざたかが知れている。レイとハル、ついでにラニーぐらいは逃がしてやりたいが。

「おいハル。俺があいつら蹴散らすからレイを頼むぞ。……おいハル?」

 ハルの様子が可笑しい。

 ラニーを追いかけている最中に外れたのか左目が露になっていた。表情も目線も虚ろで定かじゃない。今度はこいつかよと。勘弁してくれよと。

 抱えられていたレイもなんとなく不思議そうにハルを見上げている。

 冷たい黄金に静かな威を乗せてハルが振り返る。

 途端に異変が起きた。

 あれだけ無機質に俺たちを追っていたはずのあいつらがまるで感情でもあったみたいに慄きだした。一斉に、首を垂れるように、従うように、恐れるように、あるいは助けを乞うようにして?

「心静かに、眠っていてください」

 その言葉は、いつかの本物の魔女を呼び出した時のようなハルであってハルでないような声音だった。

 あの時とは違って愛憎に狂っていそうでもいないし歓喜に泣いていそうでもないとても落ち着いた、少なくとも人間性を感じさせる言葉。

 ハルらしくもあり、ハルらしくない言葉を聞き入れたのかあいつらは恐れるようにして、つまりはハルを前にしていたくないかのように踵を返して背を向けて駆け去って行った。

「お前大丈夫か」

 ハルの肩に触れる。

 薄ぼんやりとした紅茶色の右目と黄金の左目が像を結んで俺を捉える。引き込まれるような冷たい深さにぞっとする。

「私、私は……大丈夫です。大丈夫です……?」

 呂律が回ってない。語尾も怪しい。挙動もゆらゆらしてて危ない。

 ラニーを追いかけてる時からちょっと変だったけど、今はその時にも増して変だ。

 レイが這い上がってハルを覗き見る。

 黄金の瞳が灰の瞳を収めると驚いたように見開かれ、熱が灯る。

「……ああ、レイちゃん?」

 ハルもレイを抱えたまま、空いた片方の掌でぺたぺたとレイの顔面を撫で回している。

「お怪我はありませんか?」

 頷くレイ。

「そう。良かった……」

 言い残して崩れ落ちるハル。

 慌てて受け止める。俺とハルに挟まれたレイはちょっと苦しそうだったが。

 ため息を吐きたい。

 一体何が起こったのやら。レリーフとハルを等間隔で観察するザシャ。突っ走って無理な運動で体を壊したラニー。なんか訳の分からない奇妙な状態になって倒れたハル。

 なんか見渡せばこの中で唯一まともなのは俺だけなんじゃなかろうか。ガキんちょは最初からまともにカウント出来ない。

 ともあれ、無事にこの場を切り抜けられたってことでいいんだろうか。運頼みな結果なわけでかなり釈然としないけども。

「すごい……。やっぱり巫女様は巫女様だったんだ……」

 ラニーが苦しそうに呟く。

 ハルがその巫女だなんて得体の知れない存在だとはついぞ信じてなかったが、俺らが今この時も無事なのはハルが原因だってのに違いはない。

 それがこの先に何をもたらすのか。出来れば、良いことの方が多めでありますようにと、聖樹ではなく女神さまの方に祈った。聖樹の民でもない俺にご利益があるとは思えないし、実際に痛い目にあったばかりだ。

 時女神さまよ。

 あんたと同じ目をしてるらしい女だぞ。そいつとそいつが大事に思ってるやつぐらいには加護を与えてもいいんじゃないですかって。

 それぐらいな懐深い女神さまなら許してくれるだろうよ。

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