第96話 忍者対メカニック
だがその瞬間、近づいて来た無数のドローンがロンド達の居る屋上に向けて一斉に発砲してきた。
ビルの屋上は一瞬にして爆風に包まれ、その様子がニーナの居る地上からも見えた。
「ロンド!! みんな!! 無事!? 応答して」
ニーナはバイクを止めインカムに向かって叫んだ。
「ケホッケホッ……。私達はなんとか無事。フォックスとピッカーが怪我をしたみたい」
「お前ら、大丈夫か?」
トラップが聞いた。
「痛い~痛い~死ぬ~もうだめだ~!」
フォックスは大袈裟に叫んだ。
「俺は無事だ」
ピッカーが言った。
「俺達は俺達で何とかするから大丈夫だ。残念ながら装置は全滅だが、死人は居ない。だがそれよりもアルルとルアルを頼む」
ロンドはニーナに言った。
「分かった。それと、クリス。例のアレ、できるだけ早く調整して届けて」
「分かった! アレだね。了解!」
ニーナはそのまま無線を切ると、再びバイクを走らせてアルルとルアルの元へと急いだ。
ロンドたちは一旦船に戻り、怪我人の治療にあたった。
「ニ……ニーナ! 聞こえる!? ニーナ!」
ニーナがしばらくバイクで走っていると、無線から途切れ途切れでアルルの声が聞こえてきた。
「アルル! 聞こえた。今どういう状況?」
「やばい女に追われてるよ!! 早く助けて!! あいつ嫌い!!」
ルアルのその叫び声と共に大きな爆発音が聞こえてきた。
「あと1分で着く。それまで逃げて」
ニーナは言ってバイクのスピードをさらに上げた。
エンジンの唸る音と共に彼女は風を切りもうスピードで走った。
一方アルルとルアルはビビエルに追いかけられ必死に逃げていたが、次々と出てくるビビエルの武器に苦戦していた。
「ルアルあれ出して! まきびし!」
「りょ、了解!」
ルアルはそう言われてビビエルの足元目掛けてまきびしを撒いたが、一瞬で光線銃によって溶かされてしまう。
「何あれ!! ずるいよ!!」
すると今度は後ろから小さな何かがアルル達の元へと走ってきた。
よく見るとそれは小さなラジコンカーのようだった。
「な、なにこれ!!」
ラジコンカーはアルル達の走るスピードにピッタリ合わせてしばらくついてくる。
「ルアル、離れて!」
アルルがそう叫んだ瞬間、ラジコンカーは突然激しい音と共に爆発した。
2人は爆発に巻き込まれてしまい、大きく開いた床の穴に落ちた。
「いったたたたた……」
「覚悟して。アルル、ルアル」
ビビエルは穴の上から2人に銃を向けた。
「ふんっ。忍者を見くびらないでくれる」
そう言ってアルルは指を組んで術を唱えた。
「いくよ、ルアル! 忍法、煙玉!」
アルルのその叫び声と共にルアルはビビエルに向かって煙玉を投げた。
煙玉はビビエルに当たると同時に破裂して、辺りを一気に白い煙に包みこんだ。
そしてビビエルは2人を見失い、その隙にアルルとルアルは階段を使って下へと下りていった。
「はっはっは~。なんだかんだ言っても今回も僕たちの楽勝だったね!」
ルアルはごきげんな様子でそう言ったが、アルルはまだビビエルを警戒しているようだった。
「彼女の噂はよく聞いてる。とんでもないメカを使って、魔術師よりも魔術的だって。そんな彼女がここで終わるとは思えない……」
「でも階段に繋がる扉は全部ロックした。流石に入ってこれないよ」
ルアルは頭の後ろで手を組みながら言った。
だが次の瞬間、轟音と共に彼らの真横の壁が突然崩れ落ち、巨大な穴が開いた。
「ぎゃああああああああああ!!」
そしてその穴の向こうには高さ3メートルほどの巨大なロボが待ち構えていた。
「侵入者排除スルヨ」
その巨大ロボはアルルとルアルを見つけると2人に目掛けてロケットランチャーを打ち込んできた。
彼らは必死に逃げたが、すぐ後ろで巨大な爆発が起きた。
「あいつ、いかれてるよ!!」
ルアルは叫んだ。




