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バニラパンチ  作者: うみこん(宇宙みかんコンピューター)
最終章 世界
90/124

第90話 食料を狙え!うまうまうまうまうまうま

「なかなか強くなったねルアル」


 アルルは言った。


「吹っ飛ばされただけだけど……」


 ルアルは答えた。


 そんなことを言いながらも彼は目の前に聳える大きな建物を見上げた。


 2人がやって来ていたのはアウトサイドの外れにある巨大な倉庫。


 ここはサイファー王国の食糧庫となっており、アルル達はここから食料を盗む為に来ていた。


 アルルは倉庫の周りに貼られた金網をクナイで切り裂くと躊躇なく中に入っていった。


 ルアルもその後を追いかける。


 中にはかなりの数の警備員が警備に当たっており、簡単には突破できそうにない。


「私たちの噂を聞いて増員したのかな」


 アルルは言った。


「じゃあ次はもっと増やさなきゃね」


 ルアルはそう言うと手に持っていた煙玉を思い切り投げた。


 それは倉庫の壁にぶつかると煙を吹き出し始め、辺りが真っ白でなにも見えなくなった。


 警備員達は急いでアラームを鳴らして戦闘態勢に入った。


 だが辺りは真っ白で何も見えない。


「おい聞こえるか! こちら何も見えず敵の正体がわからない!」


 警備員は無線に向かって叫んだ。


 すると突然煙の中から現れた少女に殴られ倒れてしまう。


「うあっ!!」


 警備員の男はすぐに立ち上がって構えるがまた殴られる。


「女の姿を確認した! い、一体どこにいるんだ!」


 彼は銃を構えながらそんなことを呟いた。


 他の警備員達も殴られているような声が聞こえる。


「こっちにもいる!」


「こっちもだ!」


 無線からはそんな声が幾度となく繰り返されて聞こえて来た。


「な、なんだ!? 一体何人いるっていうんだ」


 彼は動揺しながらも必死に辺りを見回した。


 だが少女の姿をはっきり捉えることはできず、突然現れては殴られるのを繰り返していた。


 煙玉の効果は次第に薄れていき、煙はだんだんと消えていった。


 そして倉庫を襲った人物の正体が見えて来た。


 だがその間に彼は少女に銃を奪われ、両手を掴まれて身動きが取れない状態になった。


 煙が消えて分かったことは、それは彼だけでなく他の警備員も同じだということだった。


 辺りを見回すとどの警備員達も同じ顔をした少女に腕を掴まれて拘束されていた。


 それはみなアルルの顔だった。


 そして彼らの前方には倉庫にあった食料が山のように積まれ、その横にアルルとルアルが立っていた。


「ど、どうなってるんだ!? 幻覚か!?」


「忍者あるある! 分身しがち!」


 アルルは言った。


「う〜ん。あるある」


 ルアルがそう言うとアルルの分身は一斉に消えた。


「ってことで分身してみたの。じゃあこの食料は私たちがもらっていくから。次はもっと骨のある警備員を用意しといてね。じゃあね〜」


 そういってアルルとルアルは空に向かって手を振った。


 すると彼女達は空から放たれた青い光に包まれそのまま消えていった。


「な……なんだったんだ」


 次の瞬間、アルルとルアルは大量の食料と共に上空に浮かんでいる海賊船の中に移動していた。


「ふ〜。ただいま〜」


 海賊船の船内では海賊達だけでなく、ニーナやミル、そしてニーナ達と共に戦う為に集まった人々が大勢働いていた。


「おかえり。ありがとう」


 ニーナがそう言いながら出迎えてくれた。


「こ〜れだけ食料があればしばらくはもつでしょ?」


 ルアルは自慢げに言った。


「うん。助かる」


 ニーナは答えた。


 一方船内に居たミルはいまだに昏睡状態から戻らないリンカに向かって話しかけていた。


「リンカちゃん。今日は食料がいっぱい届いたから、お腹いっぱい食べれるよ。うれしいな〜」


 だがもちろんリンカからの返事はない。


「リンカちゃんとまたオムライスとか食べに行けたらいいね〜」


 こうやってミルはいつもリンカに向かって話しかけていた。


「ミル、あんまり話しかけすぎてもリンカちゃんの負担でしょ?」


 ミルに近寄って来た母親がそう言った。


「でも……」


 ミルは名残惜しそうにしたが母親に連れられてリンカのそばを離れた。


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