第89話 あれから5ヶ月後の世界はどうなったでしょうか。覗いてみましょう。
5ヶ月後。
2300年9月、アウトサイド某所。
厳しい暑さがまだ残る中、ルアルは全速力で走りながらアウトサイドの民家の屋根の上を飛び回っていた。
背後には2人の警備員が追いかけて来ており、彼らはルアルに向かって時折銃を撃ってくる。
「大丈夫? ルアル」
無線からはそんなアルルの声が聞こえてくる。
「大丈夫じゃないよ!! 殺される〜!!」
ルアルはそんなことを叫びながら飛び上がり次の屋根へと移った。
「頑張って振り切って。倉庫の近くで合流だからね」
アルルはそう言って通信を切った。
ルアルは後ろを一瞬振り向くと警備員達は再び銃を撃って来てルアルは飛び上がって避けた。
「ど、どうしよ〜!!」
そう叫んだルアルだが、あることを思い出した。
「そうだ……! クリスに作ってもらった爆弾があったはず」
そう言って彼は小型爆弾を取り出した。
「よし! これを喰らえ!!」
彼は爆弾のロックを解除すると追って来る警備員達に向かって投げた。
だがその爆弾は彼らの上を通り過ぎ、遥か後ろで爆発してしまった。
「ばっかー! こんなに至近距離で爆弾なんか使えるわけないじゃん!」
ルアルは叫んだ。
「なにかいい方法はないの!? おねーちゃん!」
ルアルは無線機に向かって呼びかけた。
「一ついい方法を教えてあげようか?」
アルルの声が無線から聞こえて来た。
「教えて! お姉ちゃん!」
「4番のポケットに入ってるもの。それを使って」
アルルは言った。
ルアルは言われた通りに4番のポケットを確認すると、そこにはルアルの見慣れない装置が入っていた。
「これって……なに!?」
ルアルは聞いた。
「それはシールド装置だよ。それがあれば爆発に巻き込まれても平気」
「まさか!! む、むりむりむり!! そんなの絶対無理!!」
ルアルは叫んだ。
「でもやらないと捕まっちゃうよ」
アルルは少し楽しそうに言った.
ルアルは後ろを振り向くともうすぐそこまで警備員達が迫って来ていた。
彼の体力ももうかなり限界に来ている。
「わ、わかったよ!! やればいいんでしょ! やれば!!」
そう言って彼はシールド装置を起動して自らの周りにシールドを貼ると、その場に立ち止まった。
迫ってくる警備員達を見ながら彼は爆弾のロックを解除した。
「どうなっても知らないから!!」
彼は叫んだ。
警備員達はルアルに追いつくと、彼の腕を掴んだ。
「ハッハッハ〜!! やっと捕まえたぞ小僧が! 半年近くも逃げやがって!」
ルアルの腕を掴んだ男は笑いながら言った。
「残念だけど、僕はまだ捕まる気ないから。はい、これ」
ルアルはそう言って爆弾を男に手渡すと、両耳を塞ぎ目を瞑った。
そして次の瞬間その場で大きな爆発が起き、彼らの立っていた民家ごと吹き飛んだ。
「うああああ〜!!!!」
そしてルアルも同時に吹き飛ばされ、数十メートル先にあった木の枝に引っかかった。
「バトル漫画あるある。やっぱり飛ばされた後は木の枝にひっかかりがち」
木の下で見ていたアルルが呟いた。
「ん〜あるある………」
ルアルは泣きながら言ったが、すぐに飛び上がって地面に降り立った。




