第86話 集結!! 決着!! 大爆発!!
アランが振り向くとすぐ目の前にサイファーが居た。
「調子に乗るなよ?」
サイファーはそう言ってアランを突き飛ばす。
だがアランはすぐに起き上がってもう一度攻撃を仕掛けた。
「おいアラン!! そんなに何度も使うな!! 命がいくらあっても足りない!!」
熊は叫んだ。
「なんだ? 僕も君も一度死んだ身だ。どうってことないさ!」
アランはそう言って攻撃を連発した。
「クソッ!! 何故俺がお前ごときに!!!!」
サイファーは怒って近づいてくるがアランの攻撃にはかなわなかった。
「アランのエネルギーがどんどん減ってる……」
ビビエルは減っていくアランのエネルギーを感じ取っていた。
「バカヤロッ! バカヤロッ! もう見てられない!! 俺に変われ!!」
熊はそう言ってアランの体を乗っ取ろうとするが、アランによって阻止された。
「なんで変わらないんだ!! 俺の体だぞ!?」
「残念だったな。そもそもこれは君の体じゃない。ただのエネルギーだ。僕の魂の方がこの体と相性が良かったみたいだな」
アランはそう言いながら近づいてくるサイファーを吹き飛ばした。
「サイファー!! 今の僕なら君を倒せる。君にも分かるだろう?」
アランは叫んだ。
「ふざけるな!! この姿になった俺に敵などいない!!」
サイファーは言った。
「だったら僕を殺してみたらどうだ? ほら、来いよ」
「貴様ァアアアア!!!!」
サイファーは叫びながらアランに向かって飛んできたが彼はそれを避けてサイファーに攻撃を浴びせた。
「どこ見てるんだ? こっちだぞ」
アランはそう言って倒れたサイファーを掴み上げるとそのまま彼を殴った。
「っ……!!」
「どうだ? 死を感じるか? それが君が人に味合わせてきた恐怖だ」
「だから何だ……。俺はお前のような雑魚には負けない」
サイファーは言った。
「まだそんなこと言ってるのか? じゃあこれでどうだ?」
アランはもう一度サイファーに攻撃を食らわせた。
彼の放った黒いエネルギーの塊がサイファーに直撃してダメージを与える。
サイファーの翼は崩れかけ、半分ほどは消えてなくなっていた。
「俺はこの世の頂点に立つためにこれまで生きてきたんだ。ここで終わるわけにはいかない……」
サイファーは呟いた。
「現実を見ろ。僕の攻撃で君は酷くダメージを受けている。これが頂点の男だと言えるのか?」
アランは言った。
「そうだ……。お前にできて俺にできないことなどない……。お前が自分の身を削って攻撃できるのなら俺にだってできるはずだ……」
彼はそう呟いて立ち上がった。
「なんだと?」
「ああ……出来ないはずがない。なんたって俺はこの世の頂点に立つ男、サイファーだ!!!!」
彼はそう言って手のひらをアランに向けた。
すると彼の手から眩い光が飛び出し、アランを包み込んだ。
そのエネルギーを至近距離で受けてしまったアランはかなり遠くまで飛ばされ、ビルの壁を何枚か突き破って倒れた。
「く……くそっ……」
倒れたアランはあまりのダメージにうまく体が動かなかった。
そんなアランの元にサイファーは近づいてくる。
「ああ、アラン。お前のお陰で俺は一層強くなれたようだ。だが勘違いするな? 感謝してるわけじゃない」
サイファーはそう言ってアランの右足に攻撃を浴びせる。
「うああああああっ!!!!」
「今、俺は相当イラついてる……。覚悟しろよ」
サイファーは次にアランの左足を攻撃した。
「うあああああああっ!!」
「どうだ? これでお前は歩いて逃げることもできまい。次はこっちだ!!」
そしてアランの両手も攻撃してしまった。
「うあああああああああああああっ!!」
「これでお前はもう寝てるだけの役立たずになったってわけだ」
サイファーはそう言いながらアランの傍にしゃがんだ。
「いいか? 俺はここに来るまでに大事な仲間を何人も失った。それが許せない」
「ふっ……。君にも仲間を思う気持ちがあるとはな……」
「何言ってんだ? そんなものは無い。俺はお前らに計画の邪魔をされたのがムカついてしょうがないだけだ!!!!」
彼はそう言って倒れているアランを思い切り蹴った。
「アラン!!」
ビルの瓦礫をかき分けてやって来たニーナが叫んだ。
「ニーナ、なにやってるんだ……。危ないから来るな……逃げろ……」
「でも……」
「お前は仲間が殺されるのが嫌いだな? だったらお前を殺す前にお前の仲間を全員目の前で殺してやるよ」
サイファーはそう言って立ち上がった。
「やめろ……」
アランが言った。
「君の言った通り僕はもう寝てるだけの役立たずだ……。だがな、僕の中にはもう一人いることを忘れていないか?」
アランはそう言って一瞬だけ笑みを見せた。
「あ?」
するとアランの体の中から熊が飛び出してきた。
「ばばーん!! クマだ!!」
熊はそう言ってサイファーに向かって溜めていたエネルギーを一気に放った。
「うああああああっ!!!!」
サイファーは大きく吹き飛ばされ、ビルの壁を突き破って飛んでいった。
「サイファー!! 僕は君を倒す。そして仲間を守る」
アランが熊の口を使って言った。
「クソがァアアアアアアア!!!!」
サイファーはすぐに飛び上がって近づいてくる。
「あれ!? こっちは俺の体だよな? なんでお前がしゃべってるんだアラン!」
熊は言った。
「うるさい。繋がってるんだから僕の体でもあるんだよ」
アランはそう言って熊の手のひらを近づいてくるサイファーに向けた。
「これで終わりだ。僕もお前も……」
アランは呟いた。
熊の手のひらには今まで一番大きなエネルギーが集まってきていた。
そしてそれはさらに大きくなっていく。
「お……おいアラン……。ちょっとそれはやりすぎじゃないか?」
熊は言った。
だがアランは黙ったまま答えない。
その間にもエネルギーはどんどんと手の中に溜まっていき、かなりの大きさになった。
「おいアラン!! お願いだ……。本当に辞めてくれ……。俺達本当に死んでしまう!!」
熊は叫んだ。
だがアランは言った。
「すまない熊。僕と共に散ってくれ」
「消えろ!! アラン・ブラックウォール!!!!」
サイファーはそう叫んでアランに近づいてくる。
そんなサイファーに向かってアランは攻撃を放とうとした。
だがその時、1人の少女の叫び声が聞こえた。
「サイファー!!!!」
その声と共に緑色の光がサイファーに向かって飛んでいった。
そしてサイファーはそれを手で掴んだ。
「なんだァ?」
サイファーは自分の手の中に収まった何かを確かめた。
それは彼が追い求めていた最後のオーブ。為政者のオーブだった。
「ど、どいうことだ!?」
アランは動揺してしまい攻撃を中断する。
そのオーブを投げた主であるビビエルに質問を投げかけた。
ビビエルはアランではなくサイファーの方を見ながら言った。
「サイファー。あなたは私を仲間に誘ったでしょ? 私はあなたの側につく。それはその証し」
ビビエルはサイファーに向かって言った。
「ビビエル!! どういうことだ!!」
アランが叫んだ。
「アッハッハッハッハ!! お前の意図は分からないが、まあいいだろう。欲しいものは手に入った」
サイファーが言った。
「ビビエル!!」
ニーナも不安そうにビビエルを見ていた。
だがビビエルは黙って2人に背を向けた。
サイファーは容赦なくビビエルから受け取ったオーブを自分の杖にはめ込んだ。
そしてアランにその杖を向けた。
「俺の勝ちだ。アラン・ブラックウォール!!」
「!!」
サイファーはオーブの力でアランの体をエネルギーの粒子に変えると、そのまま彼を自分の体の中に吸収した。
「うああああああああああああああああ!!!!」
サイファーは叫びながら黒い暗黒エネルギーのオーラを放った。
彼の翼は黒く染まり、欠けていた部分が復活していった。
3つのオーブと暗黒エネルギーが一か所に集結し、途轍もないエネルギーが辺りに放たれた。
落ちていたビルの瓦礫は吹き飛び、ニーナやビビエルは飛ばされないように必死に掴まったがかなりの距離飛ばされてしまった。
サイファーは落ち着くとさらに進化した自分の姿を見て言った。
「俺は…………。俺はこの世の頂点に立った……。もうこの世に俺の敵は居ない!!!! アッハッハッハッハッハッハッハ!!!!」




