第54話 リンカのフラグメントオーブは通用するか? リリィ大ピンチ
「ね~、もうそろそろおしまいにしていいかな~?」
リリィはビビエルを踏みつけ、ステッキを向けて言った。
「うっ……」
ビビエルは苦しそうにして答える余裕もない。
「ま、答えは聞いてないけどね♡」
リリィはビビエルに向かってステッキから電撃を放った。
ビビエルはその衝撃で気を失ってしまう。
「あれ? 気絶しちゃった~? じゃあ次は死ぬのかな?」
リリィはそう言ってもう一度ビビエルにステッキを向ける。
「じゃあね♡ ビビエルちゃん、さようなら~」
そして彼女はビビエルに攻撃を仕掛けようとした。
だが突然リリィは謎の力に吹き飛ばされて倒れた。
「な、なに!?」
リリィはすぐに起き上がって辺りを見回した。
砦の入り口の大きな門の前に人影が見える。
その人影はゆっくりとリリィの元へと近づいて来てようやくその正体が分かった。
そこに居たのはフラグメントオーブを持ったリンカだった。
その遥か後ろには陰に隠れて様子を見ているミルが居た。
リンカのメリケンサックには赤いオーブが輝き、彼女の体を赤いオーラが包み込んでいる。
「あ、リンカちゃん~、とそのお友達かな」
「お久しぶりです、リリィさん」
リンカは拳を強く握りしめて言った。
氷漬けになったニーナや気絶したビビエルを見てリンカは怒っていた。
彼女は静かにリリィの元へと近づくと立ち止まった。
「今更何しに来たの~?」
リリィが立ち上がって砂埃を払いながら聞いた。
「私はあなたを倒して皆を助けるために戻ってきました」
リンカはリリィを睨みつけながら言った。
「私を倒す~? フフフ♡ そんなの無理だって~。ビビエルちゃんに聞いてみたら? あ、でももう返事もできないか~! あはは」
リリィは笑いながら言った。
「無理なんかじゃないです。だって私は誰にも負けませんから!」
「誰にも負けない~? よくそんなことが言えたね。いい? リンカちゃんは今から私に殺されるの♡ 今から負けるんだよ!」
リリィはステッキを振ってリンカに向かって電撃を飛ばしてきた。
リンカはオーブの力を起動させてリリィの攻撃を防ぐ。
そのままリンカはリリィに攻撃を仕掛けようとしたが、リリィの姿は既に消えていた。
リンカは気配を感じて後ろを振り向くとそこにはリリィが居た。
「やっほ~♡」
リリィは再びリンカに攻撃を仕掛けたが、リンカは寸前の所で飛び上がって避けた。
「なかなかやるね♡」
リリィはリンカの事を褒めながらも高速移動で次第にリンカを追い詰めていく。
リンカは修業で鍛えた動体視力で何とかリリィの動きに食らいついていった。
彼女はリリィの攻撃を避けながらも目を瞑ってリリィの気配を探った。
そして彼女は突然目を開けて叫んだ。
「そこだああああ!!」
リンカは叫びながら空中を殴った。
そこに丁度リリィが現れてリンカの攻撃は見事リリィに命中した。
リリィはそのまま吹き飛ばされて倒れた。
「ふ……ふふふ……。ここまで私の動きについてこられたのは初めてだよ……。すごいじゃん」
「ハァハァハァ……」
攻撃を当てたリンカだったが、あまりダメージを喰らっていないリリィに対してリンカはかなり体力を消耗していた。
さらにリリィは立ち上がって言った。
「でもね、リンカちゃんには見せてなかったけど私の力はこれだけじゃないんだよ? ごめんね」
そう言ってリリィは氷の魔法少女に変身した。
「そ、そんな……!」
「うっ……」
変身したリリィは突然横腹を痛そうに抑えた。
ニーナに撃たれた傷が氷の魔法少女に変身することで再び現れたのだ。
だが、リリィはベルトのギアを上げて傷を癒した。
「へへへ♡ 魔法少女、エレクトリック・リリィ・アイシーだよ~♡ かわいいでしょ?」
彼女は電撃と氷の冷気に包まれながら決めポーズを取った。
「確かに変身はしましたけど、でも私にはオーブの力がありますから!」
リンカはそう言ってリリィに向かって拳を突き出した。
リリィはそんなリンカに向かってステッキを一振りすると、リンカの拳はそのまま凍り付いて固まってしまった。
「な、なんで!?」
リンカは腕が動かせないままリリィのステッキで思い切り殴られる。
「うわっ!!」
「これが氷の魔法少女の力だよっ♡」
リリィはそう言いながらステッキでリンカを殴り続ける。
リンカは殴られた所がどんどん凍り付いていき、身動きが取れなくなっていった。
「さあさあ! はやく私に勝ってみてよ♡」
リリィはそう言いながらステッキを投げ捨てて凍り付いた拳でリンカを殴り始めた。
「なあに? 遅れてきた割りにはぜ~んぜん活躍しないじゃん。期待外れ~♡」
リンカは返事をすることもできずにリリィに殴られ続ける。
リリィは再びステッキを拾い上げるとリンカに向かって冷気を浴びせて吹き飛ばした。
「ま、まだまだ……負けません……。負けませんからっ!」
「へぇ、じゃあそう言うなら何かやってみてよ」
リリィはそう言いながらステッキをついてリンカを待った。
リンカはゆっくりと立ち上がると、凍った拳を強く握った。
「……やってみせます!! 私は木崎源十郎の娘ですから!!」
リンカがそう叫ぶと彼女の放つ赤いオーラがさらに激しくなった。
そして彼女の体を覆っていた氷が砕け散った。
「おお~」
リリィは拍手をしながらその様子を見ていた。
「あなたを倒します!!」
リンカは飛び上がってリリィに向かって殴りかかった。
だが、リリィは氷の盾を作ってリンカの攻撃を防ぐ。
「氷を砕いただけであんまり調子に乗らないでよね~」
リリィはそのままリンカを思い切り殴り、リンカは突き飛ばされてしまう。
「確かに私の氷が通用しないのは誤算だった。でも、それで何か変わった? 結局私の方が強いんだから関係ないよね♡」
リリィは笑いながら冷気と電撃を同時に放つ。
「うわっ!!!!」
リンカは倒れたままその攻撃を正面から受けてしまった。
そしてさらにリリィはステッキをリンカに向けて言った。
「大丈夫。リンカちゃんも、あの2人と一緒に天国に送ってあげるから♡ きっといいところだよ」
リリィは笑顔で言った。
そして彼女はステッキを振り上げた。
リンカはどうすることもできず目を瞑ってただ祈った。
助けに来て、アランさん。
次の瞬間、リンカが目を開けるとリリィは鎖で全身を巻かれたまま硬直していた。
「な、なにこれ~!?」
「リンカ!! 助けに来たぞ!!」
「アホのお姉さん!!」
そこに居たのはロンド海賊団だった。
「お、俺はロンドさんが行くって言うから仕方なくついて来ただけだからな!!」
フォックスが言った。
「ロンドさん!」
リンカが叫んだ。
「クリスを助けてもらった借りを返さないとな」
ロンドはそう言って鎖で巻きつけたリリィを引き寄せた。
「ちょ、ちょっと~!! 何するの~!!」
リリィは怒って鎖から逃げ出そうとするがなかなか身動きが取れない。
そこで彼女は電撃を放ってみたが、鎖は全く電気を通さず何も起きなかった。
「この鎖は絶縁加工をしてあるの。そう簡単に壊せないから」
クリスは自慢げに言った。
「ばーか!! こんなので私を捕まえられると思ったら大間違いだから!!」
リリィはそう叫びながら冷気と電撃を周りに放った。
だが、縛られているせいか威力が弱まっておりロンド達に攻撃が届かない
「まあ言ってろ。おい、お前達! こいつを船につないで吊るし上げるぞ!」
ロンドがそう言うと、ピッカーやトラップ達がリリィにつながった鎖を引っ張りながらどこかへと連れていく。
「ほら、何してるリンカ! さっさとその2人を連れて逃げろ!」
ロンドに言われリンカは慌ててニーナとビビエルを抱え上げた。
「あの! ありがとうございます!!」
リンカは去っていくロンドたちに頭を下げた。
「礼は言うな。俺たちは借りを返しただけだ」
そう言って彼らはリリィを引きずって行った。
なんで!?
いつの間にか連休が終わろうとしています。
なんで!?




