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バニラパンチ  作者: うみこん(宇宙みかんコンピューター)
第二章 学園
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第49話 あるある忍者登場。ニンニン!! ニーナはどうなった?

 ビビエルは当時の事を思い出しながら、何故ニーナが機械技術を選ばせたのかを考えた。


「もしかしたら、お姉ちゃんは私に危険な戦いをさせたくなかったのかな……」


 ビビエルはそんなことを呟きながら必要なパーツを探すため、倉庫に向かっていた。


 倉庫の中を色々と探し回るが、なかなか目的のパーツは見つからない。


 そんな中、倉庫の奥から日付の書かれたいくつものカセットテープが出てきた。


 どれもかなり埃をかぶっており、しばらく放置されていたようだ。


 ビビエルは興味本位でその中の一つのテープを再生してみた。


 そこにはニーナとアンナの電話を記録した音声データが入っていた。


「シナプスのメンバーはみんな逃げた」


 ニーナの声だ。


「ああ知ってるさ。とっくに全員捕まえて口封じをしておいたから安心しろ」


 アンナが答えた。


「……」


「だが、戦力が大幅に減っている事には変わりはない。もう最後の頼みはお前達だけだ」


 アンナがニーナに言った。


「……私と取引をして」


「なんだ? 取引ってのは?」


「ビビエルを開放してほしい」


「そんな要求あたしが呑むと思ったか? ただでさえ人間が少ないんだぞ?」


「分かってる。でもあなたは私が必要なはず。私が居なくなると困る」


「なんだ、脅しか? そんなものがあたしに通用するとでも思ってるのか? なんならこっちからお前の妹を使ってお前に脅しをかけてもいいんだぞ?」


「いいえ。それはあなたにもリスクがある。あなたもそんな危険は冒したくないはず」


「じゃああたしがビビエルを開放したとして、お前は何をくれるっていうんだ?」


「あなたが今後ビビエルに一切関与しないと約束してくれたら、私はこれからもあなたの奴隷であり続ける」


「ほう。悪くない条件だ……。よし分かった。良いだろう。ただ、条件を一つだけ追加だ。お前は生徒会長になれ。そうすればシナプスとして学園を動かすことができるようになる。人員集めの情報も手に入りやすくなるしな」


「分かった」


 テープはそこで終わっていた。


「こんなことがあったなんて知らなかった……」


 当時ビビエルは、ニーナからアンナは居なくなったからもうシナプスを辞めて良いと言われていた。


 だが、ビビエルはサイファーからみんなを守りたいと言って頑なに辞めようとしなかった。


「お姉ちゃんはずっと私を守ろうとしてくれてたんだ……」


 ビビエルは腰を落として涙を流した。


 ビビエルは涙を拭うと、下に筒状の金属が転がっているのに気が付いた。


 これが彼女が探していたパーツだ。


「これを組み込めば完成だ……! お姉ちゃん……待っててね!!」


 彼女は立ち上がって倉庫から出ようとした。


 だがその瞬間、爆発音がオフィスから聞こえてきた。


 彼女は慌てて音のした方へと向かうと、そこには見覚えのない少年と少女が立っていた。


 彼らが備品棚を爆破したようだ。


「だ、誰!?」


 その2人は背中に刀を背負い、まるで忍者のような恰好をしていた。


「あ!! ビビエルだ!」


 少年が叫んだ。


 彼らはビビエルを見つけると奇妙なポーズを取った。


 ポーズが完成すると、少女が咳払いをしてから言った。


「いかにも、私達はサイファー様に使えるナンバーズの一員!」


「ニンニン、忍法を使ってサイファー様をお守りする」


「あるある言って笑いも取っちゃう」


「その名も、アルルと!」


「ルアル!」


「そんな私たちを人々はこう呼んだ!」


「あるある忍者アルルアル!!」


 2人は決めポーズを取った。


「ふう、決まった~」


「サイファーの手下!?」


 ビビエルは銃を構えた。


「そうだよ。サイファー様から直々にオファーがあったんだから」


 アルルは自慢げに言った。


「ここの合言『ぱんだの名前、音重ねがち』なんて基本中の基本あるあるだよね~。お姉ちゃん」


 ルアルがアルルの方を見ながら言った。


「そうだよ! そんな貧弱なあるある脳しかないあなたに私とっておきのあるあるをお見舞いしてやる!」


 アルルはビビエルに向かって指を指しながら言った。


「よっ待ってました!」


 ルアルは小さく拍手をした。


「今日はそうね、バトルマンガあるあるにしようかな」


 少女はそう言って再び奇妙なポーズを取った。


「バトルマンガあるある! いざ敵の城に忍び込もうとするとき、問題置きがち」


「ん~あるある」


 ルアルは顎に手を当てながら言った。


「……」


 ビビエルは黙ったまま固まっている。


「というわけであなたには死んでもらう!」


 アルルは意気揚々とそう叫んだが、ビビエルは2人に向かってエネルギー拘束銃を撃った。


 彼女が撃った光線は2人に直撃して、エネルギーの輪に2人は拘束されてしまった。


「う、うわ~~」


「お姉ちゃんは……ニーナ・イェールは、どこにいるか教えなさい」


 ビビエルは拘束された2人に銃を向けて言った。


「お、教えるわけないでしょ! 私達はサイファーに忠誠を誓ってるの!」


 アルルが叫んだ。


「教えない教えない!」


 ルアルはそっぽを向いた。


「ふ~ん。これでも?」


 ビビエルは持っていた銃を床に置き、さらに巨大な銃を取り出してから言った。


「け、警備棟の最上階です……」


 アルルが目を見開きながら言った。


「分かった。ありがと。その縄はいずれ勝手に消えるから。安心して」


 ビビエルはそう言うと荷物を持って外へ出ていった。


「バトルマンガあるあるその2……」


 アルルが呟いた。


「敵の部下がミスをして主人公勝ちがち」


「ん~あるある……」


 ルアルは悲しそうに言った。


    ◇


 その頃ニーナは警備棟の最上階に囚われていた。


 部屋に1つだけポツンと置かれた椅子に彼女は手錠で繋がれて身動きを封じられていた。


 彼女が部屋に入ってからは誰一人として部屋に来ておらず未だに明かりもついていない。


 外がだんだん暗くなってきたせいで部屋もかなり暗くなっていた。


 だがそんな時、外から誰かが近づいてくる足音が聞こえた。


 その人物は鍵を開けて部屋の中に入ってきた。


 明かりがついてようやくその正体が分かった。


「やっほ~♡ ニーナちゃん」


 そこに立っていたのはリリィだった。


「リリィ……」


 ニーナはつぶやいた。


「ビビエルはどうしてる?」


 ニーナが続けて聞いた。


「うーん。捕まえようと思ったんだけどね~。逃げられちゃった……」


 ニーナはそれを聞いて一瞬だけ安堵の表情を浮かべた。


「サイファーはどこ」


 ニーナが続けて聞いた。


「ちょっとちょっと~。せっかく来てあげたのに質問攻め? もうちょっと落ち着いたら?」


「いいから教えて」


 ニーナは鋭い目で睨みつけながら言った。


「こわいなあ……。でもサイファーのことは私に聞かれてもわかんないよ~? 彼って何考えてるのかよく分かんないから。まあそこが魅力なんだけど♡」


 リリィはそう言いながら椅子を持ってくるとニーナの正面に座った。


「そんなことよりさ、どう? 今の気持ちは? 私に大負けじゃない? アハハ♡」


「オーブを取りに行かせたことは後悔してる。でも、取りにいかなかったとしてもあなた達には負けてた」


「まあね~。その時はその時用のプランがあったからね♡ 結局誰もサイファーには逆らえないんだね~。でも一つだけ誤算があったんだよね」


「何?」


「ニーナちゃんがオーブを取りに来なかったこと! まさか妹に行かせるとはね~。いつからそんなスパルタお姉さんになったの?」


「そうじゃない。私は昔からビビエルに口を出しすぎたから。オーブを取りに行くのに彼女が名乗り出たから行かせただけ」


「ふ~ん。つまんない姉妹だね」


「どうしてあなたはサイファーの側についた? 最初から?」


「うん。最初から♡ あれは彼がまだ学園に居た頃……私が彼に恋したの。あれが初恋だったな♡ その時、私は彼の為に人生を捧げるって決めたんだ♡ ロマンチックでしょ?」


「……」


 ニーナは黙り込んだ。


「でもなんでここに来た? こんな話をするためじゃないはず」


 ニーナが言った。


「やっぱりするどいね、ニーナちゃん♡」


 リリィは立ち上がった。


「私はサイファーの為に来たの。というか、私がそれ以外の為に行動することはないけどね~」


 リリィは話しながら部屋の中を歩き始めた。


「サイファーの為?」


「そう。サイファーが今一番求めてるものって何だと思う?」


「……」


 ニーナは答えない。


「分かってるでしょ? 残りのフラグメントオーブだよ」


 そう言われてニーナは息を呑んだ。


 リリィは自分の座っていた椅子を退けてニーナに顔を近づけた。


「あなた、残りのオーブの場所、知ってるよね♡」


 リリィは笑顔で言った。


「知らない」


 ニーナは表情を変えずに答えた。


「いいや。知ってるはず。あなたはシナプスを動かしていた張本人。サイファーに対抗するための方法なら調べて尽くしているはず」


「サイファーが数年の間探しても見つからなかった。なのに私が探したところで見つかるはずがない」


「どうかな~~?? サイファーは確かに賢い。そして、かっこいい♡ でもね、彼は人殺しでしょ? だから嫌われ者なの。それに比べてあなたは偉大なる学園の生徒会長♡ どう考えてもあなたの方が情報を持ってるはず」

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