第114話 謎のベイビーちゃん
サイファーは必死に耐えたが、そのシールドには次第にヒビが入っていった。
「く……クソがアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!!!!」
そして、シールドのヒビは一気に広がり、砕け散った。
リンカの振り下ろした剣はそのままサイファーを切り裂いた。
サイファーは断末魔を上げながら、溜め込んでいたエネルギーを一気に放出して爆発した。
爆発による強い衝撃が辺りを襲う。
リンカは爆風に巻き込まれ吹き飛んでしまった。
「リンカちゃん!!!!」
ミルは飛んでくるリンカの方へ向かって走っていき、彼女をキャッチした。
「リンカちゃん!!!! 大丈夫!?」
ミルは抱えているリンカに向かって聞いた。
「あははは……。な、なんとか大丈夫」
リンカは笑いながら親指を立てて見せた。
「よかった~!!」
しばらく辺りを煙と砂埃が覆い、サイファーがどうなったかは分からなかった。
皆、息を呑んで煙が消えていく光景を見守った。
「お、おい……あれ見ろよ」
煙がようやく消え、爆発の跡が見えてくると、もうそこにはサイファーが居なくなっていることが分かった。
「た、倒したんだ……。やったよ!!!! 俺たちサイファーを倒したんだ!!!!」
フォックスはそう言って起き上がると、トラップに抱きついた。
「あ……ああ。やったな」
トラップは答える。
「……それにしても臭いな。お前風呂入ってないだろ」
フォックスはトラップに言った。
ロンドは体の痛みに堪えながら何とか立ち上がると、サイファーの遺体を確認するため爆発跡に近づいていった。
「ロンドさん、危ないですよ」
ピッカーが言ったがロンドは構わず進んでいく。
ロンドはその場の様子を見て驚いた。
「い……一体どうなってやがるんだこれは……」
そこにはサイファーの遺体は無かったのだ。
だが、その代わりに一人の赤ん坊が横たわっていた。
彼はその赤ん坊を抱き上げた。赤ん坊はひたすらに泣き喚いているが、どこからどうやって来たのかは分からない。
「赤ちゃん……? でもどうして……」
リンカが言った。
「まさか……」
ニーナが呟いた。
「まさかってなんだ? 何か知ってるのか? ニーナ」
「不死身の吸血鬼の伝説を聞いたことがある。人間の魂を吸って生きる絶対に死なない吸血鬼。死んでも赤ん坊に戻ってまた成長を始めると言われてる」
「じゃ、じゃあこいつはまた大きくなるっていうのか……!?」
「赤ん坊には力はない。だから少なくともしばらくの間は大丈夫。彼が成長するまでに手を打たないと」
ニーナは言った。
「ところで、クリスはどこに行ったんだ……?」
フォックスが言った。
「さっきから見当たらない」
トラップは言う。
「あ、あれじゃないか?」
ピッカーが指さした先にクリスは居た。
彼女は瓦礫に埋もれ、その中から瓦礫をかき分けて出てきていた。




