第108話 世界の終わりまで
「うあああああああっ!!!!」
サイファーのエネルギーで一斉に飛ばされたニーナ達。
だがニーナはすぐに立ち上がって言った。
「私があなたを倒す」
「そんなボロボロの体で何ができるって言うんだ」
サイファーは言う。
「こんな体でも、銃を撃つことくらいならできる」
ニーナはそう言って拳銃を取り出すと両手に持ってサイファーに撃ち始めた。
だがサイファーはエネルギーで自らの体の周りにシールドを張ると、ニーナの撃った銃弾を簡単に受け止めてしまった。
「俺に真正面から攻撃して通用すると思うか?」
サイファーはニーナに向かって手のひらを突き出すと、ニーナの体がゆっくりと浮かび上がっていった。
ニーナはそれでもサイファーに銃を撃ち続けたが、彼には全く通用していなかった。
浮かび上がったまま身動きが取れないニーナに向かってサイファーはゆっくりと近づいていく。
そんな様子を見ていたアランは言った。
「おい熊。ちょっと君の体を借りれるか?」
「誰が熊だ! 俺の体を借りるってどういうことだ? 俺だって怪我で体ボロボロなんだぞ?」
「ああ、そうだな。だが君の体が感じた痛みは君しか感じないようにできるだろう?」
アランはそう言って立ち上がると熊の姿に変身した。
「おい、お前まさか!!」
「この状態で自分の意志で動くのは難しい。だが他人の意思で勝手に動くなら? すまないが、ちょっとの辛抱だ。許してくれ」
アランはそう言って熊の姿のままサイファーの元へと走り出した。
「うぎゃあああああああ」
熊は体を無理やり動かされたことで全身から痛みを感じた。
アランはニーナに襲い掛かろうとするサイファーに向かって手を振り下ろして彼を突き飛ばした。
「どうだ……これが熊の力だ」
サイファーが飛んでいくと魔術の効力が切れてニーナは地面に落ちた。
「おい!! 貴様!! この野郎!! もう二度とやるなよ!! 全身痛すぎて涙出てきたよ……。次やったら死んじゃうかも……。うええええん」
熊は泣き声で言った。
アランは元の姿に戻って倒れたニーナに手を差し伸べる。
「ありがとう、アラン」
そう言ってニーナは立ち上がった。
「お2人さん、良い雰囲気の所悪いけど、やばいことになってるよ!!」
フォックスが叫び、ニーナ達は飛んでいったサイファーの方を見ると、そこには巨大な瓦礫の塊が宙に浮かんでいた。
「お前らはこれでおしまいだ……。もうこれ以上俺に手を掛けさせるな、そんなに俺も暇じゃないんでな」
彼はそう言いながら地面に落ちた瓦礫を浮かせ、塊をどんどん大きくしていった。
「オラァアアアア!!!! 死ねえええええ!!!!」
サイファーはそう叫びながらその瓦礫の塊をニーナ達に向かって投げた。
彼女たちは同時に起きた猛烈な風に吹き飛ばされないように耐えるので精一杯だった。
その状況でこの場から逃げる余裕はなかった。
「くそっ……これまでかっ……」
アランが呟いたその時、アルルが叫んだ。
「2人ともしゃがんで!!」
アルルとルアルは2人でニーナ達の前に経つと同時に指を組んだ。
「忍法、風祭!!!!」
2人はそう叫ぶと、彼女たちの周りをまるで竜巻のように風が纏った。
だがサイファーの投げた瓦礫の塊は2人に向かって容赦なく突っ込んでくる。
「だめ!! 逃げて!!!!」
ニーナは叫んだが、2人はその場から動かなかった。
瓦礫の塊は彼女たちの発生させた竜巻の中に突っ込むとしばらくその場でとどまった。
「や、やったよお姉ちゃん!!」
ルアルは嬉しそうに言ったが、サイファーは笑っていた。
「バカめ!!!! その程度の術で俺の力が止められると思うな!!!!」
サイファーはそう言って再び手を突き出すと宙に浮いていた瓦礫の塊が突然分裂してはじけ飛んだ。
「うああああああああああっ!!!!」
その真下に居たアルルとルアルに大量の瓦礫の破片が直撃し、それと同時に彼女たちは衝撃で吹き飛んでしまう。
「アルル!! ルアル!!」
ニーナは叫んだ。
「わ……私達は大丈夫……だから……」
「い……痛いよぉ……」
彼女たちは体中血だらけになりながらも何とか起き上がって言った。
「どう見ても大丈夫じゃない……今すぐ治療しないと……」
心配そうに彼女たちを見ていたニーナであったが再び近づいて来たサイファーはそんな彼女を掴み上げる。
「人の心配をしている場合か?」
サイファーはニーナの傍でそう呟くと、そのまま至近距離からエネルギーを放って彼女を攻撃した。
「うあっ!!!!」
ニーナはそのまま為す術なく吹き飛ばされて倒れる。
サイファーは飛んでいったニーナの方へと向かいながらも途中で倒れていたアランを踏みつけた。
「うあああああああっ!!!!」
アランは叫ぶ。
「どうだ? これで分かったか? お前らにはもう勝ち目はないんだ。お前らにはもう僅かな希望さえも残されていない。出来ることがあるとすれば俺の気まぐれで生かしてもらえることを祈るくらいだなァ」
そう言ってサイファーはアランを蹴飛ばした。
バニラパンチ、終わりまで残すところ数話となってきたので、最終話まで書き溜めてから順々に出していこうと思います。
なので、5,6日投稿をお休みします。
読んでくれてる方はごめんなさいっ。パンチしてください僕を。




