第104話 黄金の海賊団
彼らは大勢の敵を手をかざすだけで吹き飛ばしていく。
「お、お前ら何やってるんだ!! 逃げるんじゃない!!」
「む、無理ですよ!! あいつらに近づくことすら出来ません!!」
「無理などあるか!! いいから突っ込め~!!」
敵はそんな事を叫びながら仲間割れを始める。
「ようし、ピッカー!! お前は武器になれ!」
ロンドはそう言ってピッカーを抱え上げた。
「ど、どういうことですか!?」
ピッカーは突然のことに動揺しながら言った。
「こう言う事だ!」
ロンドはピッカーを支える手からエネルギーを放出すると、ピッカーは全身から白い光を放ち始め、そのまま形状が変わって彼は白く光り輝く銃になった。
「ど、どうなってるんですかこれ!?」
「これが俺たちの力だ!!」
ロンドはそう言いながらピッカーを変身させた銃を乱射して敵をなぎ倒した。
「うああああああっ!!」
何十人もの敵が一斉に吹き飛んだことで広く道が開けた。
「さあ、突っ込むぞ!!」
ロンドはピッカーを投げると、彼は元の姿に戻った。
「よ、よかった!!」
するとロンドは次にフォックスを抱え上げ、彼を火炎放射器に変えてしまった。
「わ、わあああああああ!! 火炎放射器になっちゃったよ~!!」
フォックスは火炎放射になったまま叫び声を上げる。
ロンドは気にせずそのまま敵に向かって突っ込んで行き、火炎放射器で巨大な炎を放った。
「あちっ!! あちいいいいいっ!!」
敵はさらに大慌てで逃げていく。
さらにロンドはフォックスを放り投げると今度はトラップを抱えて彼をロケットランチャーに変えた。
「これで終わりだ!! 食らえ!!」
彼が放った弾は敵の集団に直撃し、敵は散り散りになって逃げていく。
「はっはっは~!! 俺たちの勝利だ!! ざまあみろ!!」
フォックスは一番前に出て叫んだ。
敵は彼らの猛攻によってほとんど逃げてしまい、辺りは一気に静かになった。
多くの住宅が立ち並んでいたその街だったが、ほとんどの建物は破壊され瓦礫となって横たわっている。
そんな静かな街並みの中、瓦礫を踏みつけながらゆっくりとこちらへ誰かが向かってくる足音が響き渡った。
フォックスはその音を聞いてすぐに一番後ろに隠れる。
ボロボロになったニーナやアルルも顔を上げ、その様子を見守った。
彼らの前にサイファーが再び現れたのだ。
「ロンド海賊団。お前達にも随分と世話になったな」
サイファーは言った。
「俺達はお前の世話などした覚えはないぞ」
ロンドは答える。
「お前達の実力は見せてもらった。相当なものだな。今それほどの力を持っているのは俺を除けばお前らくらいだろう」
「や、やっぱりな!! 俺たちの超絶パワーに怖気づいたか!! 分かった! じゃあ今日の所は見逃してやろう! 逃げていいぞ!」
フォックスは叫んだ。
「残念だが、俺は今腹が立っている。お前達の相手をゆっくりしてやりたい所だが、今日は無理だ」
サイファーはそう言って杖を取り出した。
「10秒で全員殺す」
サイファーは呟いた。
「10秒だと? じゃあやってみろ」
「お望み通り、見せてやろう……。死ねええええっ!!」
サイファーはそう言ってロンドたちに向かって杖を突き出し、青く光るエネルギーを放った。
だが、ロンドたちは全員一斉に手を突き出し、サイファーの放ったエネルギーを受け止めた。
「どうだ? もうそろそろ10秒じゃないか?」
「調子に乗るな、この雑魚共がああああああっ!!!!」
サイファーはそう叫んでロンドたちに襲い掛かってきた。
サイファーはまずクリスを狙い、彼女に近づいて杖を向けた。
「サイファー!! お兄ちゃんを返せ!!」
クリスは近づいて来たサイファーの杖を掴むと、そのまま彼に殴りかかった。
だがサイファーはその拳を軽々と受け止め、杖からエネルギーを放つと彼女はそのまま吹き飛ばされてしまう。
「これでも食らえ!!」
今度はピッカーがサイファーに向かってエネルギーを込めた弾を銃で撃った。
だがサイファーは片手で弾を掴み取ると、それをピッカーに弾き返した。
「うあっ!!」
「クリス!! 行くぞ!!」
ロンドはそう叫んでサイファーに向かって走りだした。
クリスは頷いて立ち上がり、ロンドに続いて走り出した。
「何でも来い!! 全て受け止めてやる!!」
サイファーはそう叫んで、そのまま仁王立ちになった。
ロンドはクリスの手を取ると、クリスは全身から光を放ち、斧の形に変わった。
ロンドは斧となったクリスを持ち上げて叫んだ。
「サイファー!! 覚悟しろ!!」
そして彼はその斧でサイファーに向かって思い切り切りかかった。
これまでで最も強力なエネルギーが斧から放たれ、真っ白な光がサイファーを包み込む。
「トラップ!! やれええええっ!!!!」
ロンドが叫ぶと、トラップが既に準備をしていたロケットランチャーをサイファーに向かって打ち込んだ。
ロンドと元の姿に戻ったクリスは左右に飛び込むようにしてそれを避けた。
ロンドたちの間近で爆発が起きた。
地面は大きく揺れ、耳を劈くような轟音が響き渡る。
立ち上がる炎は辺りの温度を一気に上げ、ロンドは汗をかいていた。
火薬の焦げたような臭いが漂う中、ロンドたちはサイファーの様子を伺った。
「死んだのか……?」
そう言いながら彼らは煙の中を覗き込む。
次第に煙は消えていき、粉々になった地面が露わになってくる。
だがそこにサイファーの姿はなかった。
「あいつ! どこに行ったんだ……?」
そう言いながら彼らは辺りを見回した。
だがどこにもサイファーは見当たらない。
「上だ!!」
トラップの叫び声でサイファーが翼を広げ、上空から襲ってきていることに気づいた。
だが時すでに遅く、空からロンドに襲い掛かったサイファーはそのままロンドを突き飛ばしてしまう。
ロンドは猛烈なスピードで飛んでいき、窓からビルの中に突っ込んだ。
「ロンドさん!!」
海賊団の面々は飛んでいったロンドを追いかけ、ビルまで走った。




