理と命
過去作品晒し二弾目です
1
世は始まり 世に終わる
太陽が天に昇れば 朝となり
太陽が沈み 一時の黄昏を経て
月が空夜に昇り 夜となり
月が沈み 太陽と交差して
明け方となり 太陽が天に昇る
それは不変にして 絶対の理
2
魚は水に泳ぎ 雲は空を泳ぐ
木々は根を張り 風はそよぐ
炎は暖め 氷は冷やす
自然の理
されど 人の手により
崩れかけてる 理
3
命は生まれ
命は消えゆく
繰り返された
生物が持つ 不変の理
どれほど永く生きようも
死に抗い続けようも
いづれ来たる 死は
抗う気力も 奪い去る
4
闇から全ては生まれ
全ては闇へと還る
温かさも冷たさも
喜びも悲しみも
希望も絶望も
光さえも
闇は全てを覆い隠し
闇は全てを内包する
5
貴方が振るう刃は
何のためにある?
弱者を傷つける力?
敵対する者を破るため?
強きものへと至る力?
愚行を戒める力?
略奪する者を退ける力?
弱きものを護るための力?
貴方の持つ刃
何のためにあるのか
考えてみて
6
正義と悪
天使と悪魔
対立する二つの存在
でも本当に正しいのは
どちら?
観点を逆転すれば
見えてくる
正義は悪に 悪は正義に
変わってしまう
どちらが正しいのか
どちらが悪いのか
貴方は考えてみたことある?
7
神は全ての理を創り
人は個々の物語を紡ぐ
貴方の歩む道のりは
未知の道
その先にあるのは死だけれど
貴方の歩みゆく道のりは
貴方にとって価値がある
貴方が紡ぐ物語は
唐突に終わるのか
長く長く続くのか
それは誰にもわからない――
Fin