表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

なくしてしまったもの

作者: Alone

私は何かをさがしている。

真っ暗な部屋の中をずっとさがして歩いている。


「なにをさがしてるんだっけ」


一瞬さがしているものを思い出す。

ドキンと心がはねる。

その時おもった。


「私は大切なものをさがしてるんだな」


なくちゃいけないもの。

絶対になくしちゃいけないものをさがしてるんだ。


ふと私は上を見上げた。

上にあるかもしれないと思ったから。


でも、なかった。

あったのは光だった。


光は私に降り注ぐ。

とてもあたたかいひかりだった。


「あったかい…」


そのとき、私は自分が泣いていることに気づいた。

自覚すると、次から次へどんどん涙があふれてきて、止まらなくなってしまった。

私はどうしたらいいのかわからなかった。


「どうしたら…いいの…っ」


私はしゃがみこんで泣きじゃくった。


―――――…


何かがおちた。

音はしないけれど、落ちたのが分かった。

私は泣くことをやめて、落ちたものを見に行った。


落ちていたのはおもいでだった。

落ちた場所の上を見ると、どんどんおもいでがおちてくる。


私は喜んだ。

私がさがしていたものはこれだった。

大好きな人とのおもいで。

フラれて、必死に忘れようとしたおもいで。

なかなか忘れることができなかったおもいで。

忘れたくても忘れられなかったおもいで。


私は大好きな人に会いに、夢から戻った―――。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ