転生者Yを、外国文学の翻訳モノ風に変えてみた。(第一話のみ)
ほんとに遊んだだけです!
「すみません。ベルン・ルーストンを知りませんか!」
「さて?知りませんね。尋ね人なら中央統制局に行くとよいですよ。」
「して、中央統制局とは?」
「……目の前にある建物です。」
「あ、ありがとうございます。」
私は、その中央統制局に行きます。何かわかることがあるかもしれませんから。
◇
「次の方。」
「あ、ベルン・ルーストンという人を知りませんか。」
「ただいま調べますね。………いいえ。特に行方不明届などは出ていないようです。」
「そうですか…。」
「いつから行方不明になったか分かりますか?」
「いいえ。数年たってここへ来てみたら、家が工場になっていたのです…。」
「数年前にここに住んでいた方ですか。あなたは今すぐにこの街を出た方がいいですよ。」
「どうして?」
「どうやら、この辺りの出身、特にルーツ村周辺の人々が、立ち退き要求に応じなかった事で、国家反逆罪に問われたようです。おそらくあなたも彼らと同じように、捕まったら打ち首になるでしょう。」
「えっ!」
この時点で、私の中から、元々ほとんどないに等しかったストラウム帝国への忠誠心は、完全に消え去ったのでした。
「そう、ですか…。」
私はそのまま統制局を出て、街の外へ出ようとしました。
「止まりなさい!さもなければ撃つぞ!」
「え?」
よく分かりませんでした。私は無視して歩き続けます。
「止まれと言っている。これが最後の警告だ!」
「…。」
「何。…止まらないのか?」
ドン。
銃弾が私の身体を貫通しましたが、特に影響はありません。なぜなら、転生した時、超回復という常時スキルをもらったからです。私は撃たれたそばから回復します。
◇
常時スキルとは、必要な時、すぐに有効化される、常に待機しているスキルのことです。
◇
「おい。化け物め。」
「そんな!撃つんだ!蜂の巣にしろ!」
ダダダダダダダダ。
私はニコリと笑ってこう言います。
「しかし、効果はあまりないようです。」
「いやだ。来るな!」
◇
洋服の複数箇所がほつれ、血で染まった少女が、ゆっくり歩いてきます。服は血で染まっていますが、身体にはまるでダメージが入っていないように見えます。
私にはどうしてこうなったのか分かりません。
私はただ通報を受けて出動しただけなのです。
腰を抜かしてしまい、動けない私に顔を近づけ、その少女は言いました。
「どうしましたか。どうして逃げるのですか。私は攻撃していません。」
「いえ、そんな…。」
「え、何を言っているのですか。上手く聞きとれませんでした。」
「私は通報を受けて出動しただけです。反逆者どもの生き残りがいると聞いたのです。それがこんな化け物だとは知りませんでした。」
「そうですか。どうしようか。私はあなた個人にはなんの恨みもありません。ですが、国としては嫌いなのです。ふむ。では、今回は逃がしましょう。私が脅威でしょうか。では討伐してみればよいでしょう。その場合、国が1つ滅びることになりますが、覚悟してください。」
私は背筋が凍ってしまいました。
しかし、国家に反逆しようとしているのはよく分かります。
私は、急ぎその場を離れました。
◇
「ああ。どうもやりすぎた。それにしても、全身が気持ち悪くなってしまった。」
◇
「私どもには対処できません。非常事態宣言を発令してください。あれは人間ではありません!」
「そなたがそこまでいうならそうなのだろう。非常事態宣言を発令する。第2の魔王が現れたとな!」
◇
「魔王様!人間どもが、『第2の魔王が現れたと騒いでおります!いかがいたしましょうか?」
「ふむ。とりあえず潰しておくのだ。余が世界を統一した際の邪魔になるのは確実であるゆえな。」
「はっ!」




