96話 現れる強敵
小魚と晴魚を探すために、ツバイの遺跡に突入した俺達。
早速魔物が襲い掛かってきた。
洞窟とかそういうところによくいる土竜牙だ。
普通に弱いが、どうやら見た感じ結構強い。
俺達はものすごい勢いでで大師匠を見つめたが、
「あ、みんなの力を見させてもらうために俺は手伝わないよ」
「「「え…………」」」
一気に冷めた瞬間だった。
「ドゥルフ シュフルーファスト!」
雷速もどきで突っ込み、パンチをいれるが、
「ヒュンヒュン!」
飛び跳ねて鳴いている。
まじか!
「エーデルシュタイン リーズヒ!」
宝魚が高火力技を撃つが、牙で受けられた。
「剣舞・氷 滅氷冷!」
ノエルが土竜牙に全力の突きをする。
ガキン!
土竜牙が牙で剣を防いだが、牙からじわじわと凍っていく。
知能の低い土竜牙は何が起こったかわからないまま、全身が凍り、粉々に砕け散った。
「「「ふう」」」
「おー、ブラボーブラボー」
大師匠は手をパチパチさせながらまぶしい笑顔で奥に進んでいった。
ちょっと、いや、けっこう冷めた。
「僕の出番なかったむし………」
と落ち込んでいるムッシーはいつも通りなのでガン無視。
そしてその後は、俺達の実力を確認できて気が済んだのか、魔物は全部大師匠が瞬殺していた。
まあ、好感度が戻った瞬間である。
そして遺跡の隅々まで探索したのだが、晴魚と小魚はいなかった。
大師匠が言っていた通り、奥に続いているであろう通路は水に浸かっていて、行けなかった。
俺が水にもぐって奥を確認したのだが、瓦礫が積んであった。
「アオイさん、固有魔法でこの水どうにかならないんむしか?」
ときくムッシーに
「うーん、俺の固有魔法はあくまで自分が生み出した鋭い水の斬撃を操るから、ほんとの水は無理だな」
と言う大師匠。
どうやらここはどうやっても通れないようだ。
「まあ、取り敢えず他を探してみるか」
と大師匠が言うと、ワープ魔法を使った。
ワープの先は…………
「「「あれ?」」」
ここはツビンダー王国?
「よし、次は湖だ。徒歩でいこう!」
と言う大師匠に俺達は叫ぶ。
「「「えぇぇぇぇぇぇ!?」」」
ということで、ここから北北西の底なし湖に徒歩で行くことになった。
今日が底なし湖にむかって3日目。
大師匠が魔物を瞬殺してくれるが、それ以外はダメダメだ。
団体の冒険者はあまり慣れないらしい。
それから歩き続けると、町が見えてきた。
大きくも小さくもない普通の町。
だが、なぜか今まで感じたことのない強大な魔力を感じた。
吐気がする。
魔力量が異次元だ。
「いったい…………なんだ?」
大師匠までも怖気づいている。
逃げたほうがいいのか………
いや、誰かが襲われてるかもしれないし…………
と、迷っていたら………………
地面に魔法陣が出現した。
全員が大師匠を見たが、大師匠は首をふり
「ちがう、俺じゃない…………」
と言う。
ワープすると…………
「フハハ!」
手に青い光をためた男が目の前にいた。
そして手を突き出してきて、爆発音がし、吹っ飛ばされた。
「「「ぐわぁぁぁぁ!!」」」
どうやら全員がこの不意打ちを食らったようだ。
ここはどこだ?
ボロボロになった町のように見える。
そしてさっき攻撃してきた奴は、服を着ていても、体が鍛えられていることが分かる。
青髪、青い瞳の男だ。
さらに隣には半分が赤、半分が青の髪の男がいた。
瞳は真っ赤だ。
その男は髪をかき上げてニヤリと笑った。
「噂の君たちか…………フハハハハハ!!!面白い!別れろ!バンル!」
青と赤の髪の男が唱えると、俺と大師匠以外の全員が魔法陣でどこかに飛ばされてしまった。
「さあ、聖魔軍!やりあおう!」
青髪の男は手に真っ青な光をまとわせると、大師匠に向かった。
「ドゥルフ!」
俺が奴にドゥルフを落としたが、
「邪魔くさい!」
と腕の一振りで相殺されてしまった。
「さあ、聖魔軍よ。俺はジオだ。お前はなんだ?」
なるほど、どうやらあの男はジオというそうだ。
「俺は聖魔軍の1軍王、アオイだ。」
「そうか、俺は魔王軍ではなく………まあ、魔王様の右腕ってとこだ。」
「このボロボロの町はお前たちがやったのか?」
「そうだ」
まじか!こんなぼろっぼろにできるもんなんだ。
「みんなをどこへやった?」
という大師匠の質問にジオは首をふって言った。
「それはあそこの半分君にきくがいい。俺はしらん。そんなことより、さっさとやり合おう!」
「まあ、いいだろう」
ジオと大師匠がにらみ合う。
まずい。
魔王の右腕ってことは多分魔王軍よりも強い。
いくら大師匠でも………
ジオはニヤリとわらい、しばらく沈黙の末……………
「はあぁ!」
ジオが手に青い光を集めて先手を打った。
「水流斬撃!」
大師匠が飛ばした斬撃をジオが手で受け止めようとする。
バアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!
青い炎があがり、大爆発を起こした。
「ふはは!いい威力だ!」
そういってジオがまた大師匠にむかっていく。
「くらえ!ブラウジオン!」
ジオが叫びながら手を大師匠の手前で振り下ろした。
すると、縦長の青い炎があがり、爆発をおこした。
どうやらこれはジオの固有魔法らしい。
ジオが間を詰めながら攻撃し、大師匠は冷静に距離を取りながら斬撃をとばす。
2人とも隙が全くない。
2人の戦いに見入っていたら。
「バスルン」
ときこえ、地面に魔法陣が発生した。
気づけば上空にワープしていた。
「うわぁ!?」
慌ててベーゼトゥーテンを撃って衝撃を緩和して着地した。
「ふん。まあまあやるな。」
青と赤の髪の男だ。
こいつの固有魔法はおそらくワープ。
いきなり町に入ってきてしまったのもこいつのせいだろう。
そしてワープした瞬間、ジオに殴られた………………
「みんなをどこへやった?」
「……まあ、いいか。俺は魔王軍4軍王のバデンだ。」
「え!?」
まさかまったく尻尾をつかめなかった4軍王が自分から名乗るなんて…………
「俺は魔王様にお前たちを排除するように言われていてな。他の奴らは簡単に倒せるが、お前が強いらしいな。そして聖魔軍。ここで確実に殺してやる」
なにをいっているかよくわからないが、多分俺と大師匠が強いからここで確実に殺そうとしているのだろう。
そして他の皆はあとから殺すつもりなのだろう。
皆をどこにやったか教えてくれなさそうだ。
「さあ、殺してやる。バスルン!」
バデンが唱えると、空中にえげつない量の魔法陣が発生した。
バデンに近づけば近づくほど量が多い。
そしてバデンはニヤリと笑い、ベーゼトゥーテンを撃った。
「ベーゼトゥーテン」
魔法陣に当たったベーゼトゥーテンは、ワープしまくり、何がどうなっているのかさっぱり…………
「ぐはぁ!」
吹っ飛ばされた。
くそ…………ワープすればするほどスピードが上がっている。
よく動きをおうんだ!
魔法陣にあたり、また他の魔法陣から出現し………………というのは分かった。
だが、規則性などは全くわからない。
「ぐひゃっ!」
今度は顔に当たった。
いやまて、俺もドゥルフを撃ったらそのうちあいつにもあたるんじゃないか?俺は雷耐性もってるし、あたってもそれほどダメージはでかくない。
名案だ!
「ドゥルフ グランド!」
と撃ったのだが………
「ぐあああぁぁぁ!!!」
なぜか大師匠に当たってしまった。
まじかよ!どうやら魔法陣を完璧に使いこなしているようだ。
「すきありぃ!」
「ぐはぁ!」
大師匠がジオの攻撃をまともに食らって吹っ飛ばされたが、受け身をとってまた戦い始めた。
これじゃむやみに反撃ができない……………どうしよう………
すると、ふと大師匠VSジオの戦いの音が消えた。
ついに決着がついたのかと、そっちのほうを見たが……………
ジオがこっちに向かってきている!?
そして魔法陣は全て消えたが、次の瞬間にはジオの手が俺に接触していた。
バアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!
「ぐああああぁぁぁ!!!!!」
あまりの威力に受け身もとれずに、俺は動けなくなってしまった。
大師匠は負けたのか?
いや……………どこにも大師匠の姿がない…………まさかワープされた?俺だけを確実に殺すためか………………
「じゃあな…………」
体中に衝撃が走った。
「………!!!」
声も出せずに気を失った。




