95話 事件発生
「情報屋によればここにアオイさんがいるって話しだけど…………」
小魚がおんぼろ屋敷を見つめながら言う。
そう、物凄くおんぼろだ。
廃墟って言われても疑わないレベル。
まあ、そのほうが身を隠せるしいいのかな?
みんなもこのボロボロの家をみて呆然としている。
「まあ、取り敢えず入ってみようか。」
と言うノエルを先頭にドアを引いてみた。
「「「え?」」」
開いた。
まさかの鍵なしらしい。
中を覗いてみると……
高速で紙になにかを書いている大師匠がいた。
そしてなにやらブツブツ言っている。
「大師匠?」
「うわぁ!」
呼びかけるとビックリして大師匠が後ろに倒れた。
「って、雷魚!?みんな!?」
「「「ちーっす」」」
「あ、ああ、まあシェイからくることは聞いてたけど」
「何してるんですか?」
宝魚がきく。
「ああ、今までの情報を整理してたんだ。」
そういえば大師匠はまだ4軍王の情報はつかめてないんだったっけ?
「じゃあ、俺達も混ぜてください」
「おっけー、じゃあこっちきて」
そういって大師匠は机の前に座った。
俺達がその机をのぞき込むと、地図になにかが書き込まれていた。
まず、ツビンダー王国に‟拠点“と書かれていた。
そしてここから西、ツビンダー大陸の真ん中にツバイの遺跡と書かれていて、矢印が引っ張られている。
そこには、”なにかある?”と書かれていた。
そしてここから南に”大穴”と書いてあった。
そこは、地図が真っ黒だった。
恐らく文字通り大穴があるのだろう。
そしてそこに矢印が引っ張られていて、”未調査”と書かれていた。
そしてここから北北西。
底なし湖と書かれた場所。
地図から見るに、かなり大きい。
そしてそこにも”未調査”と書かれていた。
そしてツビンダー大陸から西南西に少し大きめの島があった。
そこには”調査済み”と書かれていた。
どうやら大師匠はいままで、そこの島とツバイの遺跡というところに調査に行っていたらしい。
「まず、ここを拠点として、大陸の真ん中にあるツバイの遺跡というところにいってきたんだ。そこには、最深部まではいけなかったんだ。
途中から水に沈んでいてね。
多分、何かあるとにらんでるんだ。
次は北北西に底なし湖と言われる湖がある。そこはまだ調査はしてない。
そして南にある大穴。
見に行ったんだけど、本当に大陸にかっぽり穴が開いていたんだ。
飛び込んだ人はこれまでに何人かいたんだけど帰ってこなかったんだって。
あと、西南西にある島。
ここはもう隅々まで調査をした。ってところかな」
そこで、晴魚が言った。
「あ、そうだ。私、両親に挨拶に行ってくるね」
「え?晴魚ってツビンダー王国に両親いるの?」
「そうです!」
「へぇ、そうなんだ」
あれ、もしかして大師匠、晴魚の両親が3代目勇者の記録書があるって知らないの?
「あ、そうだ、そうだ!今思い出したよ!そういえばツビンダー王国には3代目勇者のフェテンの記録書があるって聞いたことある!」
と叫ぶ大師匠に晴魚が落ち着いていう。
「あ、それうちの両親です。」
「は!?」
だが、さすが大師匠、衝撃発言には慣れているようで
「そうか!じゃあ、晴魚の実家にお邪魔しようかな!?」
「いいですよ!みんなで行きましょう!」
ってことで、俺達も晴魚の実家にお邪魔することになった。
「じゃあレッツゴ……」
と、突然言葉を切ってしまった晴魚。
みんなが晴魚のほうをみると、
「「「え?」」」
いない!?
「って、晴魚だけじゃねぇ!小魚もいないぞ!?」
宝魚が叫ぶ。
さらにムッシーも冷や汗をかきながら言う。
「ぼ、僕みたむし!一瞬小魚が発光して、気づけば僕が地面に着地してたむし。」
ムッシーはいつも小魚の肩に乗っているから小魚が消えたのを直視したのはムッシーだけ。
さらに大師匠も
「お、俺も。晴魚が発光して消えていった」
どうやら消えたのは2人だけらしい。
「なにが起こってるの………?」
ノエルがあたりを見回すが、もちろん2人はいない。
「大師匠、何かわかる?」
と俺が質問するが
「いや………さっぱり」
どうやら大師匠でもわからないらしい。
いったい2人はどこに行ってしまったんだろうか?
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「そうだね、いこう!」
晴魚と小魚は気づけば遺跡の中にいた。
何が起こっているかわからないが、取り敢えず探索してみると何かわかるかもしれない。
そう思って2人で遺跡を探索しようとしているところだ。
遺跡を探索してみたが、特にこれといったものはない。
強いて言えば海の匂いがする。
つまり、ここは海に近いのだ。
すると……………
ガラララララ……………
目の前に爪鳴師が現れた。
爪鳴師は爪が長く、引っ搔きで攻撃をしてくる魔物だ。
ガララと爪をならす癖がある。
「リインフォース オール!」
「ベーゼトゥーテン・彪!」
晴魚のベーゼトゥーテンを直撃したが…
ガラララララ………
「なん…だって?」
まさかの生きていたのである。
普通の魔物ならこれで倒せるはずだ。
さらに、襲い掛かった。
恐ろしく速い!
ギリギリで飛びのいてかわした2人は息を整えて攻撃。
「ベーゼトゥーテン!」
「ベーゼトゥーテン・鰐!」
爪鳴師は爪で受け止めて、遠距離攻撃を仕掛けてきた。
爪の斬撃を飛ばしてきた。
さすがに遠距離攻撃は予想できなくて、2人とも切り裂かれそうになったが、
「硬鋼防!」
ガン!!
小魚がギリギリのところで鋼鉄の壁を出現させ、攻撃を防いだ。
「ありがとう!」
「いいよ、それより…………こいつどうやったら倒せるんだろ?」
攻撃をよけながら2人は話し始める。
「…………取り敢えず、攻撃しまくるしかないよね?」
「「ベーゼトゥーテン!」」
2人が同時にベーゼトゥーテンを撃ったそのとき、魔力がごっそり奪われた感覚になり、ベーゼトゥーテンがなにやらおかしかった。
通常、ベーゼトゥーテンは普通の光線で真っ直ぐだが、ベーゼトゥーテンがグネグネ曲がりながら当たった。
さらに一瞬、光線の先が何かの形に変形したように見えた。
なんの形かはよく見えなかったが、明らかになにかに変わっていた。
バアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!
さらに威力もおかしく、爪ではじこうとしていた爪鳴師の爪を破壊し、爪鳴師を吹っ飛ばし、倒した。
「なんだろ………いまの?」
と呟く小魚に
「さぁ………?」
と言う晴魚。
2人は何が起こったかわからないが、なにやら新技の予感がすると、薄々感じていた。
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「よし、出発だ!」
「「「おー!」」」
俺達は、小魚と晴魚が消えた後、話し合った。
すると大師匠が”そういえばこの大陸は特定の2人がどこかにワープさせられるっていう伝説があるらしい”といっていた。
どうやら、大陸のどこかに飛ばされるらしい。
つまり、この大陸をくまなく探せばいつか出会えるというわけだ。
冒険厳密機で連絡を取ればいいと思ったが、何故か冒険厳密機だけがその場にあった。
冒険厳密機はここにあり、それ以外の持ち物は2人と一緒にワープした。
誰かが仕掛けている。
そう思ったが、誰か全くわからない。
この大陸にいるという魔王軍4軍王が怪しいが……………
まあ、取り敢えず大陸のどこかを探してみようと、旅に出ようとしている。
聖魔軍の1軍王の大師匠がいるし、苦労はしなさそうだ。
「じゃあ、まずはツバイの遺跡に行こうかな。」
大師匠がそう言うと、ワープ魔法の魔法陣を展開し、ツバイの遺跡にワープした。
いまさらだが、ワープ魔法は行ったことのある所のみ、ワープすることができる。
ワープが完了すると、目の前に立派は遺跡があった。
だが、そこまで大きくはない。
地下が大きいのだろう。
「気をつけてね。ここの魔物は強いから」
という大師匠に宝魚は武者震いをして言った。
「たしかに、今までのダンジョンとはちがう、魔力量が桁違いだ。」
「気を引き締めないとね」
とノエルも続く。
「へへん!僕がいたらもう、怖いものなしむし!」
いつもの調子でムッシーが言う。
「よし、いこう!2人を助けに!」
「「「うん!」」」
そうして俺達は消えた2人を探しに、ツバイの遺跡に突入したのだった。




