93話 レーゲルの村
西の大陸、ツビンダー大陸。
ここは、シュカルーネ大陸やエルケーニ王国ほど大きくはないが、その分人口密度が高いらしい。
つまり、人が多い。
町がたくさんあるかもしれない。
「案外楽かもな。今回は」
と呟く宝魚に俺達はうん。と頷く。
だが、このときとんでもない事件に巻き込まれるなんて………俺達は知らなかった____
ツビンダー大陸に上陸した俺たちはスーと大きく深呼吸をした。
「久しぶりの陸だー!」
小魚が叫ぶ。
「それにしても暑いね。」
ノエルは手をシュネーシュトルムで冷やし、頬に手を当てている。
まあ、今まで北国にいたしな。
俺達はそこまでだが、ノエルは暑がりだし………
「そーだな。暑い…………」
そういえば宝魚も暑がりだ。
そのとき、ノエルが宝魚の頬に手をあてた。
「ひゃぁ!」
いきなりのことで声を上げる宝魚。
「あはは!ごめんごめん」
「まったくお前ってやつは」
相変わらず仲良しだ。
シグザルがいたらなー………まあ、この指輪にシグザルはまだ生きてるし。
落ち込んでられないな!
「いこう!」
「「「うん!」」」
しばらく歩くと、魔物と出くわした。
「剣舞・炎 炎斬一閃!」
宝魚が瞬殺。
ここの大陸も魔物が特別強いってわけでもないようだ。
「ところで晴魚の故郷ってどこなんむし?」
というムッシーの質問に晴魚はこたえる。
「んー。ツビンダー王国ってとこ。多分両親はまだ住んでいると思うなー。」
「ツビンダー王国ってやっぱ真ん中にあるの?」
小魚も質問する、
「いや、ここを真っ直ぐいったらつくと思うよ。」
どうやら東寄りにあるらしい。
そして俺達はさらに歩き出した。
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魔王都城~
「シオンよ………」
「は、はい………」
「なぜ雷魚たちを始末してこなかったのだ?」
魔王シュルドルが魔王軍の2軍王のシオンと話している。
「私は……実は…………あの……」
「なんだ?シオンよ。どんなことでも殺しはしない。」
「えーっとー………雷魚君に…………恋を………」
と恥ずかしそうにいうシオンをみてシュルドルは大笑いし始めた。
「クハハハハハハハハハハ!!!!!ハーッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!そうか!恋をしたのか!ワーッハッハッハ!!」
シュルドルに笑われて顔を赤らめるシオン。
「シュルドル様!!」
「フハハ!!すまんすまん。まさか自分の部下が天敵に恋をするとはな!」
「ブハッ」
シオンが吐血する。
「だがな、私は殺してこいと命じたはずだ。恋をしたからなんだ?雷魚以外を殺すことくらいはできたんじゃないか?」
魔王軍には魔王の魂の欠片が入っている。
だから噓をついてもばれるし、敵に寝返ったりしたらすぐに殺すことができる。
さらに体罰も与えれる。
「も、申し訳ございません。雷魚に恨まれては悲しいので」
「そうか………………まあ、奴は顔立ちもいいからな。ところでシオンよ。まさかとは思うが…………おやつタイムのために早々に立ち去ったのではないだろうな?」
「ま、まさか!それは断じてございません。」
「そうか、ならいい。まあ、雷魚一行の仲間を殺したのはよくやった」
「光栄でございます。」
シオンは雷魚の彼女ポジションであるシグザルに嫉妬して殺しただけだが、さすがにシュルドルもそこまではわからない。
「ご褒美にクッキーをやろう。高級品だ。」
「うわぁ!ほんとですか!?」
「ああ、だがその代わりにこれからもしっかりと働いてくれよな。」
「はいっ!」
シュルドルは満足気は顔をしていった。
「下がれ。」
「はっ!」
そうしてシオンはクッキー箱をもって魔法陣とともに消え去った。
「さて、雷魚一行は西の大陸にいったとのことだ。あそこには魔王軍4軍王………………そして聖魔軍の1軍王がいる。さすがに厳しい………さて………………どうするか………………………」
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ツビンダー大陸を順調に進んでいく俺達はなにかを感じていた。
「なんか…………ストーカーというか………」
と呟く俺にノエルは言った。
「なんか感じるよね!」
「たしかに、言われてみれば…………」
感覚が鋭い俺達は辺りを警戒するが、特に何もない。
キョトンとする俺達を嘲笑うように気配は消え去った。
「なんだったんだろう?」
「…………」
流石に気になるが、ここで立ち止まるわけにもいかない。
さらに歩いていくと、とある村が見えてきた。
結構大きめの村だ。
人口密度が高いとのことで、一つ一つの町村が栄えているのだろうか?
取り敢えず俺達はその村に入ることにした。
想像していた通り、中はかなり栄えていた。
ちなみに港町もかなり栄えていた。
そこで防具や道具などを買ったのだが…………………高い!!なぜかツビンダー大陸は高いものがおおい。
ぐぬぬ………
「わぁ!懐かし!ここ来たことあるかも!」
晴魚が村の奥ほうにある大きな石版を見て言う。
「いってみるか」
その石版に近づいてみた。
石版の上には、大きな翼をもった神秘的な鳥の像があった。
そして石版には文字が彫られている。
それを読み上げた。
「伝説の不死鳥レーゲル___
三代勇者と共に魔王を封印した一匹の鳥。
それは、1代目のクリスが仲間にした魔獣。
レーゲルは元々魔王の手先だったが、クリスの純粋な気持ちにより、我々人間族の仲間となってくれた。
レーゲルの戦いを見たものは数少ない。
魔王、そして三代勇者のみ。
どんなステータスでどんな攻撃法を使うのか、我々では見当もつかない。
なぜ不死鳥といわれるようになったのか。
それは単純。
永遠と生き続けているからである。
クリスが魔王を封印したのは、250年前。
今もなお、レーゲルの目撃情報がある。
つまり、いまも生き続けているのだ。
さらにこの村は、かつて歩く災害と言われた竜王に襲撃を受けた。
竜王はその名の通り、竜族最強の神位魔物である。
そんな竜王に我々はどうすることもできなかったが、伝説の不死鳥 レーゲルによって竜王は追い払われたのだ。
その戦いははるか上空で行われ、その神々の戦いを目にすることはできなかった。
そしてレーゲルはすぐに姿を消してしまった。
それからわが村はレーゲルの村と呼ばれるようになったのだ。」
読み終えた俺達は考え込んだ。
どうやらレーゲルはしっかり協力はしてくれるが、シャイなようだ。
ツンデレというやつか?まあ、最強の竜王を撃退したのだから、実力は確かだろうけど…………………
クリスが魔王を封印したのは350年前。
でも石版には250年前と書かれている。
つまり、これは100年前に書かれたってことだ。
そして多分だけど竜王はまだ生きている。
神位魔物はこの世に1体だけ。
それがいまだに生き続けている竜王なのだろう。
「ふーん。こんなこと書かれてたんだ。」
晴魚がここに訪れたのはかなり前のようだ。
まあ、読めたとしても内容はあまり理解できないだろうが……………
それにしてもこれだけじゃ流石に情報が足りない。
それに大師匠がどこにいるのかもいまだにわからないし………………
「まずはアオイを探すむし!」
「そうだね」
ムッシーと小魚はまずは大師匠を探そうとしてるらしい。
まあ、たしかにそのほうがいいか、
「よし、じゃあまずは大師匠を探そう!」
「「「おっけー!」」」
「で、どこいくの?」
ときくノエルに俺は自信満々にこたえる。
決まってるさ。
「しらなーい!」
「「「ズコー!!」」」
おまけ
第9話「魔王城突入!絶望の三重結界」
雷魚たちはリレナの言葉を胸に、“クレヴァの大崩落”を越え、ついに魔王城の姿を目にした。
黒い霧が城全体を覆い、地面には無数の魔法陣が脈動している。
「これが……シュルドルの城……」
小魚が思わず息をのむ。
「見ただけで嫌な気配しかしねぇな……」
宝魚が剣を抜くと、その刃がかすかに震えた。
ムッシーが空を見上げ、ぽつりと言った。
「ふむ、神の目にも見えるぞ。三つの層に重なる結界……“三重封印”じゃな」
「三重封印?」
「うむ。外殻は“防御結界”、中層は“精神結界”、そして最奥には“魂の封印”……。普通の魔法じゃ突破できん」
「でも、突破しなきゃいけない」
雷魚が前に進み出た。
「ここまで来て引く気はない。……みんな、力を貸してくれ」
晴魚が杖を握りしめた。
「弱体化魔法、準備できてる。外の結界は、私が下げる!」
ノエルも頷く。
「中層の“精神結界”は私が。氷で固定して精神波を凍結させる!」
宝魚が剣を構える。
「最後の“魂の封印”は俺と雷魚で壊す。行くぞ!」
◆
――第一層:防御結界
晴魚が両手を広げる。
「来い、《シュヴァハ》!」
淡い光が結界全体を包み込み、黒い壁がみるみる色を失っていく。
「今だ!」
ムッシーが叫ぶ。
「《アンフェルフラム》ッ!!」
灼熱の爆炎が爆発し、外殻の結界を焼き切った。
「……っしゃあ!まず一枚!」
小魚がガッツポーズを決める。
◆
――第二層:精神結界
周囲が急に白く霞み、幻影が立ちこめる。
「うっ……ここ、どこ……?」
小魚がふらつき、目の前に“母親の幻”が現れた。
「おいで、小魚。もう戦わなくていいのよ」
「……っ、ちがう……俺は――!」
雷魚が叫ぶ。
「惑わされるな!これは心を食う幻だ!」
ノエルが前に出た。
「私に任せて!」
氷の魔法陣が展開し、ノエルの声が響く。
「《シュネーシュトルム》、氷結領域!」
吹雪が幻をすべて凍らせ、白銀の世界が広がった。
幻が砕け散る中、仲間たちは一歩前へ。
「よし、残るは最後の結界だ!」
◆
――第三層:魂の封印
魔王城の門前に、巨大な石像が立ちはだかる。
それがゆっくりと動き出した。
「我ハ、“策謀ノ柱”ヴァルギス……」
「来たか……!」
雷魚が魔力を練る。
「行くぞ、《ドゥルフ》!!」
青白い雷が炸裂し、ヴァルギスの胸を撃つ。
しかし、奴は笑った。
「無駄ダ。我ガ体ハ、千ノ魂ト結ビツイデイル……」
「千の魂?そんな……!」
晴魚が震える。
宝魚が剣を掲げた。
「なら、全部砕くだけだ。《エーデルシュタイン》!!」
無数の宝石の刃が空を舞い、ヴァルギスの鎧を削り取る。
しかし、奴の影はなお蠢いていた。
「――ムッシー!」
「了解じゃあああ!!神罰の爆炎を受けよッ!!」
《アンフェルフラム》の爆発が重なり、封印陣がひび割れる。
雷魚は懐から“聖雪結晶”を取り出した。
リレナが託した最後の力――。
「みんな、力を合わせるぞ!!」
全員が魔力を注ぐ。
雷魚――《ドゥルフ》
宝魚――《エーデルシュタイン》
ムッシー――《アンフェルフラム》
晴魚――《シュヴァハ》
ノエル――《シュネーシュトルム》
五つの光が結晶に吸い込まれ、眩い白光が爆ぜた。
「うおおおおおおおおおおおっ!!!」
轟音とともに封印が砕け、魔王城の扉が開かれる。
――その奥から、低く響く声。
「……よくぞここまで来たな、雷魚……」
炎の奥、玉座の上に座る漆黒の王。
魔王シュルドルが、ゆっくりと立ち上がった。
「貴様らの“心”ごと、この世界を喰らってやろう――」
◆
――次回、最終話
「終焉と“再生”の光」
世界の命運を賭けた最終決戦――!
雷魚たちの“絆の魔法”が、闇を貫く。
なんか急にムッシーの口調変わっててワロタ




