92話 ツビンダー大陸へ…………
船に乗り込み、西の大陸へ向かう俺達。
西の大陸には、恐らく4軍王がいるはずだ。
そして、聖魔軍1軍王のアオイがいるそうだ。
以前まではともに旅をしていたが、西の大陸の任務があると言って別れたのだ。
別れてからかなり月日が過ぎているが、まだ4軍王の尻尾がつかめていないらしい。
4軍王は用心深いらしく、なかなか尻尾をつかませてくれないらしい。
師匠が活動休止になり、今、聖魔軍が1人足りない。
聖魔軍の6軍王が5軍王となり、7軍王が6軍王になった。
つまりいまは7軍王がいないのだ。
師匠が「お前聖魔軍になっちゃえよー!!」とか無理を言っていたが、聖魔軍の全員、そして聖魔軍のリーダーのハリンという人に許可をもらう必要があるらしい。
7軍王はノエルの両親だったが死んでしまって、新しく控えていた人が7軍王になり、現在は6軍王だ。
7軍王が今いないということは、控えている人がいない。
だから俺が聖魔軍になることも可能である。
聖魔軍になる条件は、魔王軍を倒す(集団でも、その集団のリーダーが聖魔軍に入れる)討伐依頼を10個以上クリアする、魔法学校に行ったことがある、この3つだ。
魔王軍はもうすでに3人倒している。
一応リーダーは俺だからなれるとしたら俺。
そして討伐依頼はもう10個以上クリアしている。
そして魔法学校にはいったことがある。
あとは全員に許可をもらえば入れる。
船の会議室的なところに俺達は集まってそんなことを話していた。
もちろん自動運転だ。
「雷魚が聖魔軍か………」
宝魚が呟いて全員黙り込んでしまった。
「…………想像できないね」
ボソッとノエルが呟く。
「え?リーダーって僕じゃないんむしか?」
と言ういも虫は放っておいて、
「ところで喉乾いてないか?」
とみんなに聞くと、目をキラキラさせて
「「「うんうんうんうん!!!」」」
とみんなが言う。
「よし!作ってやるか!」
俺はなぜかジュースだけはうまい。
みんなから大好評だ。
最近はミックスジュースだけじゃなく、ブルーハワイジュースも作れるようになった。
作り方は簡単で、かき氷シロップのブルーハワイに水と氷とちょびっと砂糖とレモン汁数滴を垂らしてミキサーでウインウインするだけだ。
「完成!」
お手軽で美味しくてコスパ最高なのだ。
ちなみにちょっと分量をミスったら味薄々ジュースか、激甘甘ジュースが出来上がる。
試行錯誤の結果、黄金比を見つけ出したのだ。
ふふふ、教えないよ。
「「「うまい!」」」
よかった。
今回も成功だ。
ちなみにムッシー用の食器、コップ、スプーン、フォーク、ナイフ、ストローをわざわざみんなで作った。
「あ、そういえば西の大陸は"ツビンダー大陸"っていって私の故郷なんだよ。」
「「「え?」」」
シレっと晴魚が衝撃発言をしてジュースを飲む手が止まる俺たち。
「え?言ってなかったっけ?」
「「「ふぁー!?!?」」」
聞いてないわ!!
とまあ一段落あって、どうやら晴魚の故郷らしい。
両親は普通というわけでもなく、聖魔軍ほどすごいというわけでもないらしい。
どうやら、三代勇者の1人、三代目のフェテンの記録書があるらしい。
フェテンは、魔王を封印した人だ。
最近まで封印されていたが、死者蘇生秘伝書のせいで復活してしまったのだ。
いやめちゃくちゃすごいじゃねえか!!
「ま、まあ、とりあえず旅の目的を確認しよう」
という俺の提案に皆は頷き、旅の目的を再確認した。
この世の真ん中の大陸で、真ん中の王国、エルケーニ王国の上空に、魔王が住んでいる魔王都城がある。
だが、周りには強力な結界が張られていて、侵入することができない。
だからその結界を守っている魔王軍を全員倒し、いま向かっている西の大陸にいるという伝説の不死鳥を仲間にし、魔王を倒す。
というのが旅の目的。
普通にデッカイ俺達が乗れそうな鳥を仲間にしたほうが早いのだが、魔王都城に侵入するとなると、流石に無理だ。
そして、その伝説の不死鳥は、かつて勇者と共に魔王を封印したという記録が残っていることから、そこまで悪い奴ではないとわかる。
頑張れば多分仲間にできる。
まあ、そう簡単にいかないってのが冒険の決まりなんだけど。
「まあ、引き続きよろしくね!雷魚兄ちゃん!」
「おうよ!」
そしてまた、平和ではないけど船旅が始まった。
そして
「聖魔軍に俺はなる!!」
と海に向かって叫んだのだった。
1週間後………
「はっ!ふっ!」
ツビンダー大陸まであと2週間あればたどり着くとのことだ。
今日も俺達は修行場でサンドバックをボコボコにしている。
5日前…………
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とある島に着いた俺達。
どうやらここは、船の改良にものすごくすぐれた人がいるらしい。
「はーいどうもー。俺がこの町の町長。そして船改造屋の店長。旅人さんかな?どんな改造がしたいんだい?」
どうやらここの町長の固有魔法が、木材を操る固有魔法のようで、船が大好きな町長は、固有魔法をうまく使い、この仕事を始めたらしい。
だが、難しい構造、大きい部屋を作るほど、体力を消耗するらしい。
だからお値段が結構……………
そして仲間と相談した結果、修行室が欲しいという結論に至った。
「なるほど…………じゃあ、まずはマネーをいただこうかね。金貨40枚だ。」
雷………いや、ドゥルフ グランドに撃たれたかのような衝撃が走った。
たっかぁーーーー!!!!!!
全員で出し合っても金貨34枚だ。
「またきます………………」
トボトボと船に帰ろうとしたとき、ピンとひらめいた。
そうだ、クエストをすればいいんだ!
とくに討伐依頼。
金か雑貨とか、ときには高価なものをくれるからそれを売りさばいてお金稼ぎができる。
これぞ、旅の醍醐味(?)
それから俺達は討伐依頼や、クエストを手分けして大量にクリアし、なんとかお金をためた。
金貨40枚を払っても1人2枚ずつ余る。
そして銀貨も何枚かある。
ってことで、修行室を作ってもらった。
ちなみに、木刀と、超高性能サンドバックもおまけしてもらった。
超高性能サンドバックは、天井にブラがってるやつとかではなく、しっかり人間の形をしたやつだ。
しっかり立つし、吹っ飛び耐性もあるし、吹っ飛ばされた後も勝手に立つ。
さらに魔力を注ぐことで動かすことができる。
注いだ魔力量によって強さが変化する。
修行にもってこいだ。
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てな感じで、船旅中でも強くなれる。
そして体がなまることがないのだ。
「聖魔軍になるために!」
修行を頑張る!
なぜか自分で勝手に聖魔軍になりたいと思ってしまっている。
もうすでの師匠の許可はとっている。
だから、次はツビンダー大陸にいる大師匠に許可をもらう。
「むしむしむし!修行むし!!」
「俺は聖魔軍になる!!」
俺とムッシーの2人でサンドバックに魔力を注ぎまくる。
「え?大丈夫だよね!?ムッシー、雷魚兄ちゃん!」
「た、倒してくれよ?自分らで責任もって。」
「そ、そうそう」
「ちょ、ちょっと注ぎすぎじゃない?」
みんなの言葉でようやくはっとした。
サンドバックは一定のダメージを与えるか、魔力を使い果たすかで倒せる。
「「あ」」
俺達はようやく魔力を注ぐのをやめた。
グググ…………と動き出した。
ドッ
「ぐはっ」
はやっ!
腹パンを食らってしまった。
安全性を大切にするため、そこまで威力は高くないが、流石に痛い。
動くたびに魔力を消費するサンドバックだが、結構な量を注いでしまった。
「「「だからいったじゃん!!!」」」
そうして全員で全力でサンドバックをとめたのだった。
おまけ
第8話「残された“声”と次なる目的地」
フレギルを討ち倒した雷魚たち。
だがその勝利の余韻は、すぐに崩れ去った。
ノエルが塔の奥に見つけたのは、半透明な氷に閉じ込められた一人の女性。
「……やっぱり、雪の魔女……!」
ノエルが駆け寄り、氷の中の女性に手を当てる。
「まだ……微かに、魔力が残ってる。凍結されたまま、ずっと……助けられるかも……!」
ノエルの両手が青く輝き出す。
「シュネーシュトルム、解氷モード……!」
氷が少しずつ溶け、女性の体から冷気が抜けていく。やがて女性はゆっくりと目を開けた。
「……ここは……?私は……あの戦いで……」
「助けに来たの。あなたをずっと、探してた」
ノエルが言うと、女性は涙を流して微笑んだ。
「ありがとう……私は“リレナ”。この塔を守っていた魔女……でも、“七柱”の一人、フレギルに……」
「もう大丈夫です」
晴魚がそっと肩に手を置く。
「あなたを閉じ込めた奴は、私たちが倒しましたから!」
リレナはゆっくりとうなずいた。
「……それなら、あなたたちに伝えたいことがある……この塔には、かつて“真実の記録”を収めた“封魔晶”が保管されていたの……でも……」
雷魚が訊ねる。
「でも?」
「魔王シュルドルが直々に来て、それを奪っていったの。おそらく、次の“柱”に預けたはず……」
「その“次の柱”ってのは……どこに?」
リレナは小さく首を振る。
「わからない……でも、“大地が逆さに折れた地”に、“記録の断片”が残ってると聞いたことがあるわ」
「“大地が逆さに折れた地”……?」
宝魚が地図を広げる。
「ここだな。“クレヴァの大崩落”……地形がぐにゃぐにゃに折れ曲がってる場所がある。そこに向かおう」
雷魚は拳を握りしめた。
「行こう。“記録”を手に入れて、魔王の全貌を暴く!」
◆
出発の朝。リレナが雷魚に何かを託す。
「これは……?」
「“雪の魔女”としての最後の力。“聖雪結晶”よ。強き意志のもとでだけ、発動する魔法の種……きっとあなたに必要になる」
雷魚は静かにそれを受け取った。
「ありがとう、リレナさん」
◆
その夜、野営地でのひととき。
焚き火を囲んで、晴魚がポツリとつぶやいた。
「ねえ、小魚くんって、昔からあんなに食べるの?」
「うん、雷魚兄ちゃんより魔力の消費が激しいから、って昔から言ってる」
「……私、最初は“戦う”って怖かった。でも、今は……違う」
晴魚はふっと笑った。
「“仲間と一緒なら、強くなれる”って、わかったから」
ノエルも口を開いた。
「私も……氷の塔に閉じ込められた時、ずっと誰かを待ってた。助けてくれる“光”を。でも、今は違う。“光になる”って、決めたから」
雷魚は二人を見つめ、優しく言った。
「お前ら、もう立派な冒険者だよ」
焚き火が静かに燃え、夜空には星が瞬いていた。
――だがその頃、遥か魔王城では。
「……フレギルが敗れたか。想定内だ」
漆黒の玉座で、魔王シュルドルが不気味に笑う。
「だが、ここからが本番だ。次に行くのは――“策謀”の柱、ヴァルギスだ」
その瞳が怪しく光る。
「さあ、勇者たちよ。お前たちの“真実”を、喰らってやろう――」
◆
次回、第9話
**「魔王城突入!絶望の三重結界」**へ続く!




