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三代勇者   作者: しゅーまい
シュカルーネ大陸編

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88話 氷の宮殿の決戦 その2

「「はああぁぁ!!!」」


ガキン!!!


シェイの剣とカンスの拳が力強くぶつかり合う。


「エクスプロジオン!」


「馬鹿が!!」


カンスが掴もうとした瞬間、シェイがカンスのみぞおちに剣をさした。

片方の腕はさっき切り落とし、もう片方の手でエクスプロジオンをつかもうとしているのだから防御も攻撃も不可である。


「ぐ…………」


ブシャー!


力強く剣を抜いた。


「ぐあああぁぁ!!!」


いくら魔物とはいえ、流石にみぞおちから出血したら死ぬ。

というか、もともと魔物は特定以上のダメージを受けたら紫の霧に包まれて消える。

耐久面では出血死させるか、首を切り落とすかしか倒せない悪魔のほうが上なのだ。

だが、その分治癒力は魔物のほうが高い。

雷魚たちの話によれば、7軍王のゼーベルは魔物固有能力というものを持っていたらしい。

実はこの世には サブ固有魔法 というものがある。

それは、世界人口の約5%しかいない。

固有魔法ともう一つ、違う固有魔法を持った者だ。

ゼーベルの魔物固有魔法が 蘇生 で自らを蘇生させるなら、多分ゼーベルのサブ固有魔法が斬撃を飛ばす「サーベル」なのだろう。

カンスの魔物固有魔法はもう把握している。

問題はサブ固有魔法を持っているか……………

色々考えてしまう。

何ならもうとどめを刺してしまおう。


「くらえ!!」


フラフラしながら逃げようとするカンスの首を切り落とそうとしたが…………


ガキン!!!!


「!?」


槍がシェイの剣を受け止めた。

まさか…………


「いやぁ、お前のおかげで魔王様に怒られてな……………いつか必ず雷魚たちはここに来る。その時にお前がいると戦況が厳しくなるからな。

2対1で殺そうと思ったが、俺としたことがこってり治癒固有魔法のことを忘れていたわ!」


「それを言うならうっかりだろ!」


「そうだなぁ!!」


やっぱりランスか!

とんでもない槍捌きだ。

全部防ぐので精一杯。


シュッ………


顔にかすった。


「勝てる戦いしかしないんじゃなかったっけ?」


「そうだ!今回は勝てる!絶対にな!」


(やけに自信満々だな………何かある……)


そう悟ったシェイは遠距離戦を試みた。

ランスから距離をとり、唱える。


「エクスプロジオン!」


「ランツェ!」


シェイのエクスプロジオンはランスが出現させた大量の槍に相殺された。


「ふっ。ランツェ フィール」


おいおいまじかよ…………

普通の魔法でもかなりの量なのに…………さっきの5倍の量はある。


「エクスプロジオン リーズヒ!!」


こっちも高火力技で応戦しようとしたが……………


「曲がれ!」


一直線に向かってくるはずの槍がシェイのエクスプロジオン リーズヒを綺麗によけて、シェイに数本突き刺さった。


「ぐ………」


物理攻撃ではないが、かなりの激痛。

なんなら物理より痛い。


だが、エクスプロジオン リーズヒはランスに当たった。


「とでも思ったか?」


ランスは煙から飛び出し、シェイと激しい打ち合いを始めた。


「フハハハハハ!!!さっきの爆発、なかなかだった。だが、俺にはこの最強の槍がある!フハハ!!」


「まさか、槍の一振りで相殺したのか?」


「その通りだ!!」


最強の槍とはネーミングセンスが終わっているが、本当に最強の槍なのだろう。


グシャ…………


「ぐはっ」


右肩を貫かれた…………


「フハハ!!!」


ランスは突き刺さった槍を引っこ抜いて、シェイに無数の斬撃を入れた。


「ぐああぁ!」


「フハハハハハ!!治癒固有魔法は消費魔力がえぐいから1ヶ月に一回しか使えないのはお前も承知のはずだ!そしてお前が牢から脱獄しようとしたのは2週間前!」


マジかよ!スペクトルに操られている間いったい何があったんだ!?


「終わりだな!!!!」


そしてランスはシェイの首を切り落とそうとする………

すると………


ガキン!!

穴の開いた天井から誰かが降ってきて、ランスの槍をはじいた。


「ノエル?」


「そう!ノエル!遅れてごめん!シェイ!」


「なんでノエルが?」


「私たちもいるよ!!」


晴魚が叫びながら天井から降ってきた。

そして小魚も降ってきた。

肩にはドヤ顔のムッシーがいる。


「みんな?」


「師匠!ここは僕たちに任せて!速く止血を!」


「小魚のいう通りむし!僕たちは最強むしから心配は無用むし!フンッ!!」


今世紀最大の鼻息だ。

あの小さな鼻の穴から。

小魚なんて顔をしかめている。


「ふざけてないでいくよ!」


「「うん!」」


ノエルを先頭に一行はランスに突っ込んでいった。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


一体ノエルたちにはなにがあったのか………………

時は一行がバラバラになったときに遡る。


完全に雷魚たちと別行動になってしまったノエルたちは、頭から巨大な牛の角のようなものをはやした男と対面していた。


「俺はボワンだ。ま、さっさとおわらせっか。」


そう言うとボワンは四足歩行で走ってきた。

信じられないスピードだ。

雷魚のシュフルーファスト並。

ギリギリでかわす。


「ふっ、まあ、俺の牛角突速シュティーアはこんなもんじゃないけどな。」


「リインフォース オール!!」


小魚が全員を強化する。


「おいおい、強化魔法かよ。つまらんな。正々堂々やりあいたいぜ」


「僕の固有魔法がこれなんだから正々堂々でしょ!」


「たしかに………」


納得すんなよ!


「シュネーシュトルム!」


「おっと、あぶない。」


どさくさに紛れてムッシーがボワンの後ろに回り込んでいた。

実はムッシーは小さくて気づきずらいから気配を消して後ろに回り込む練習をしてもらっていた。「僕らしくないむし!」とか言ってたけど全員で説得したら渋々納得してくれた。


「アンフェルフラム エペ!!」


近距離からのこの攻撃は避けられない。


「なにっ!?ぐわぁ!!」


「チャーンス!!ベーゼトゥーテン・ワニ!」


「ふん!」


だが、ボワンはすぐに体制を立て直し突進してきた。


「ぐわぁ!」


全員が吹っ飛ばされた。


「ふはは!もういっちょ!」


吹っ飛ばされて着地した瞬間また攻撃をくらった。


「ぐあぁ!!」


さらにノエルにもういっちょ入れようとしたが、ノエルは空中で剣をかまえた。


「剣舞・氷 空氷転くうひょうてん!」


剣に氷の結晶をまとわせて剣をふった。


「ぐああぁ!!」


角を切り落とされたボワンはあたふたし始める。


「ベーゼトゥーテン!!」


小魚のベーゼトゥーテンでボワンは吹っ飛ばされた。


「ぐわぁ!」


「アンフェルフラム エノルム!」


「ぐああぁ!」


「えええい!!」


とどめに晴魚が空中にいるボワンを蹴りで地面にたたき落とした。


そしてボワンは紫の霧に包まれて消えていった。


「「「いえーい!」」」


「さ!みんなを助けにいくむし!」


「どうやって?」


「「「うーん……」」」


「あ!あそこに階段がある!」


どうやら運よく階段がある場所にいたようだ。

そうして一行は階段をあがり、迷宮のように広い宮殿を駆け回った。

そして……………


「あそこ!穴あいてるよ!」


「「「うん!」」」


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「って感じできてやったむし!」


みんながランスと戦ってる中、ムッシーがこれまであった話を言う。


「あ、そ、そう。みんなを援護してくれるか?」


「もちろんむし!」


そうしてノエルたちがランスと大激闘を繰り広げる……………

おまけ


第6話「氷眠の塔と炎の咆哮」


 


世界の北端、氷眠の塔。

それは雲を突き抜けるほど高く、永遠に雪が降り積もる氷の迷宮だった。


 


「……ここが、“雪の魔女”がいた場所」


ノエルが塔を見上げて、静かに言う。


 


「空気が……重いな」


雷魚が周囲の魔力の濃さに眉をひそめる。


 


「早く行こう!寒いのはキツい!」


晴魚が震えながら走り出すと、ムッシーが「むりむりむし~」と丸くなっていた。


 


「お前はこたつ虫か……」


宝魚が冷めた目でツッコんだ。


 


「じゃ、行こうか。俺たちの力……試されるぜ、きっと」


雷魚が剣を抜き、塔の扉を開く。


 



 


塔の中は迷路のように入り組んでいた。


空気は澄んでいるのに、どこか不気味で、寒さが骨まで刺さる。


 


「敵、来るぞ……!」


 


宝魚の警戒通り、魔物たちが次々と現れる。


氷の狼、霜のゴーレム、空飛ぶ白蛇――


 


だが6人の連携は見事だった。


 


「雷魚兄ちゃん、今!!」


「おう!ドゥルフ!!」


 


雷の槍が狼を貫き、

小魚が「リインフォース!」と雷魚を強化する。


 


宝魚は魔剣で前線を切り開き、

ノエルは「シュネーシュトルム」で敵を凍結。


 


「晴魚、右!」


「任せてっ!」


 


晴魚の拳が氷ゴーレムの顔面を砕き、

ムッシーが後方から叫ぶ。


 


「フィニッシュむし!アンフェルフラム!!!」


 


爆炎が魔物を焼き尽くす。


 


――彼らは、強くなっていた。


ただの旅人ではない。**“世界を変える力”**を持ち始めていた。


 



 


塔の最上階、扉の前。


ノエルは静かに手をかざし、氷の結晶を溶かす。


 


「……中にいるのは、“柱”の一人。“フレギル”。火炎の使い手で、かつて“雪の魔女”と戦った相手」


 


「行こう。過去も未来も、今ここで断ち切る!」


雷魚が扉を開ける――


 


ゴゴゴゴ……


 


そしてそこにいたのは、全身に赤黒い炎を纏う男。


狂った笑みと共に、彼は言った。


 


「ようこそ、小さな勇者たちよ。俺が**“柱”の一人、フレギル**」


 


「シュルドルの手先……!」


 


ノエルが構えを取る。全員が一斉に武器を構える。


 


「……“雪の魔女”はどこ!?」


 


その問いに、フレギルは口角をつり上げた。


 


「彼女は……塔の柱の一部になったよ。俺と戦った“代償”としてなァッ!!」


 


怒りで全員の表情が変わる。


特にノエルの瞳は、氷のような怒りで燃えていた。


 


「絶対に、許さない……!」


 


「なら、かかってこい!地を焼き尽くすは我が怒炎!!」


 


「爆ぜろ――!!“灼獄炎牙”!!」


 


轟音と共に、塔が揺れる――!


 



 


雷魚が前線に出て、叫ぶ。


「いくぞみんな!絶対に、ここで倒す!!」


 


「「おおおおおおお!!!!」」


 


――次回、第7話

「激闘!フレギルを討て!」に続く!

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