86話 VSスペクトル
今回から視点変わるときは ーーーーー 過去とか、そういう系のときは ◇◆◇◆◇◆◇◆ にします。
バタッ、と師匠が倒れる。
が、師匠から白い煙が出てきた。
その白い煙がグルグルと渦巻いて人の形になった。
「っち、せっかくいい体を手に入れたのにぼこぼこじゃないか。」
って、なんだあれ?師匠を操っていた奴か?
「やあやあ、本体を見るのは初めてだよね。俺はスペクトル。固有魔法はもちろん幽体操。次は…………お前だ!」
そういって俺に向かって突っ込んできた。
「うわあ!」
よけようとしたが、相手が半透明のためよく見えず、体に入られてしまった。
「ちょ、はやくでろって!」
「ふふふ、無理だよーん。」
「おいーー!!」
そうしている間にも意識は薄れていった………………
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「ふはは、記憶が流れ込んでくる……………そうかそうか、そんな過去があったのか……………」
どうやらスペクトルは操る人の記憶を読み取れるようだ。
(どうする?本物の雷魚にさらにスペクトルの魔力が上乗せされ、さらに魔法の威力があがっているはずだ。でも、数発撃つまでは完璧にドゥルフをつかいこなせないはず………)
宝魚はそう考え、短期決戦を目指す。
「短期決戦だ!いくぞ!剣舞・炎 広斬炎転!」
宝魚が雷魚に回転しながら突っ込んでいったが、防御魔法で防がれた。
「さあ、使ってみよう!ドゥルフ!」
チュドーーーン!!!
「く…………」
やはり、威力が上がっている。
速度も範囲も………
まずいな。みんなはもう疲れ切っているし、傷もひどい。
俺常人より止血が速いから大丈夫として、小魚だ。
魔法を物体化して止血しているようだが、止血に集中して高威力の魔法はだせない。
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これは氷の宮殿に侵入する1日前のこと……………
今夜は雷魚と宝魚が一緒のテントで寝ることになった。
「なあ雷魚」
宝魚がふと声を掛ける。
「なんだ?」
「もしも…………もしもだぜ?雷魚が戦闘不能になったらどうするんだ?」
「そうだな………まあ、頼りがいがあるノエルをリーダーにしたいが、俺は宝魚のほうが好きだし、頼りがいもある。まあ、どんな場面かによるけど、お前がリーダーしてくれよな。」
「ああ、分かった」
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「エーデルシュタイン ゼーリエ!」
「ドゥルフ グランド!」
チュドーーーーーーーン!!!!!!
くそ、全部砕けた……………2発目で使いこなせている。
シェイもフルボッコにしたらスペクトルが出てきた。
なら雷魚もフルボッコにしなければならない。
すまん雷魚。
「リインフォース オール!みんな!僕は高威力の魔法はだせないから頑張って!!」
「ありがとう!ベーゼトゥーテン・猿!」
晴魚の放ったサル型のベーゼトゥーテンは魔法とは思えないほど滑らかに動いている。
雷魚を翻弄している!
チャンスだ!
「シュネーシュトルム リーズヒ!」
ノエルが巨大な雪だるまで動きを封じる。
あとは高火力組!
「エーデルシュタイン リーズヒ」
「アンフェルフラム フィール!」
「魔神力流拳・空!!」
俺の巨大な宝石とムッシーの無数の火球、そしてシグザルの空気砲みたいなやつ!!
「ぐわああぁぁ!!」
「くそ、ドゥルフ シュフルーファスト!!」
ドッ……………という鈍い音が体中に響いた。
「ぐはっ」
バアアアアアアアアン!!
壁に激突した……………吐血もしている。
くそ、速い…………もうあんな高技術技を使いこなせるのか……………
次はノエルのほうに飛んで行ったが、ノエルは見切って腹に斬撃を入れた。
「ぐはっ、くそ、なんで見切れるんだ……………」
「私は生まれつき目がいいんだよ!!剣舞・氷 乱冷嵐!」
ノエルが剣を1回転させると、雷魚に真っ白な竜巻が襲い掛かった。
「ぐわあぁ!!冷たい!!!」
なるほど、冷気が渦巻く竜巻か、俺も炎の竜巻を取得したものだ…………
「畳み掛けるよ!開け!我がフェルハフトゾーン!」
シグザルの叫びでハッとした。
そしてフェルハフトゾーン。
ブワッと広がったフェルハフトゾーンは辺りは真っ暗で、巨大な紫の拳に囲まれている。
「フェルハフトゾーンか、ドゥルフ!」
シグザルは雷をよけ、雷魚に一発腹パンをくらわした。
「ぐはっ」
雷魚は吹っ飛ばされ、紫の拳に当たった……………と思いきや、直前で紫の拳がバネのように飛び出し、雷魚の背中を殴りつけた。
「がはっ」
ドオオオオオオオオオン!!!
地面に打ち付けられ、吐血した。
「くそ…………」
「ええい!!」
バアアアアアアン!!!!
シグザルの最後の一発で雷魚からスペクトルが飛び出してきた。
「ぐああ!くそ!」
シグザルはフェルハフトゾーンを閉じた。
「ん?ここは?」
そこでシェイが目を覚ました。
「「「シェイ!!」」」
「え?みんな?」
「説明はあと!その半透明のやつを倒すよ!!」
小魚が叫ぶ。
「え?え?」
「最後は僕にやらせて!ベーゼトゥーテン!!」
ドオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
「ぐはぁぁぁ!!!!」
スペクトルは壁に衝突し、紫の霧に包まれて消えた。
やっぱり魔物だったようだ。
「………………………そうだ!全部思い出した!」
という師匠の叫びと同時に雷魚が飛び起きた。
「ぐわああ!!!大丈夫か?みんな!」
「あ、雷魚」
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それから皆は俺になにがあったのか教えてくれた。
「なるほど、どうりで体中痛いわけだ。」
「ごめんね雷魚」
と謝ってきたシグザルに俺はニコッと笑って言った。
「いいよ、止めてくれてありがとな。」
それから師匠は自分になにがあったかを教えてくれた。
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ランスとカンスと戦い、牢に入れられたシェイは、しばらくしてから治癒固有魔法が発動した。
シェイの治癒固有魔法は超魔力、自分の魔力が約5倍に膨れ上がる。
特定のダメージを受けるとすぐに発動するがシェイは死んだふりをしていた。
そして牢に入れられ、ランスの気配が消えると、牢から脱獄を始めた。
幸い、何も没収されずに牢に入れられたため、剣で鉄格子を破った。
そして長い通路をぬけ、扉を開けた。
その長い通路にも何人かの囚人がとらえられていた。
扉の先には警備員的な人が5人。
「すまない!」
そう叫び、全員手刀で気絶させた。
さらに奥に進むと、階段が見えてきた。
長い長い階段。
上り終わると、さらに扉があった。
その先には…………
「ん?部屋?」
………………というより拷問部屋にみえたが、日常品もある。
「ふん!!」
横からの拳をかわし、距離をとる。
「おのれ聖魔軍!まだ生きていたのか!!」
「っく、面倒だ………」
「なんだと!」
手刀で気絶させようとするが、もちろんあっさりよけられる。
「ふん!」
カンスは蹴りを入れようとしてきたが、ヒラリとかわした。
いやまてよ、魔力が増大した今ならやつに魔法をあてなくてもダメージがいくんじゃないか?
「エクスプロジオン リーズヒ!!!」
バアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!
「ぐわあああああぁぁぁぁ!!!!!!!!」
エクスプロジオンはもともと範囲攻撃だが、それが5倍。
シェイは爆発耐性をもっている。
全員自分の固有魔法の耐性をもっている。
たとえば雷魚なら雷耐性をもっている。
まあ、とどめのカンスの一撃はその耐性をも突き破る強烈なものだったが……………………
だがらシェイは爆発にひるまず、そのまま扉をひらき、全速力で逃げ出した。
さらに通路をすすむと、真っ白な部屋にやってきた。
「ん?」
シェイは混乱していた。
なんだ?魔力を感じるがいない…………
「おやおや」
「!!」
そこには半透明の人間がいた。
「ここは俺の部屋なのに…………ってかこいつ聖魔軍じゃん。いいように使わせてもらうよ。」
そう言ってシェイの体を奪われた。
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あとの記憶は覚えてないらしい。
恐らく、ランスの命令で氷の宮殿に来たのだろう。
「え、ってことはカンスもランスもここにいるの?」
「そのはず。」
「「「まじか!!」」」
「まあ、これがあるから大丈夫でしょ!!」
そういって師匠が取り出したのは
「「「か、回復薬!!!」」」
しかも高級品!!
「そう!これを飲み、傷口に1滴たらすと見る見るうちに傷がなくなり、疲労もなくなる!!」
「「「おおお!!!」」」
順番に回復していったが、シグザルの番のとき、シェイはキョトンとした。
「君は………新しい仲間?」
「は、はい!シグザルです!」
「ははー、さては雷魚の彼女だな?」
「べ、べべべ、別にそんなんじゃないし!!」
「はは!まあ、いいや。雷魚をたのむよ!」
「は、はい!!」
聖魔軍と話して緊張しているようだ。
師匠のことはシグザルにも話している。
そして俺達は全員が元気100倍になった。
「ようはすんだか?」
という声とともに師匠が開けた天井の穴から子供がふってきた。
そいつは華麗に着地し、ニヤリとわらった…………
おまけ
晴魚からみた仲間
雷魚 最近はピシッとしてきた。リーダーらしい。
小魚 自分より大食いなのは久しぶりに見た。優しいし、気が合う。
ムッシー 最近はたくましい。頼りがいがある。
宝魚 ノエちゃんとぴったし。たまにしゃべりかけてくれる。優しい。
ノエル 大好き。一番の親友。気が合うし、ノリもいい。すごく優しい。




