39話 怪しい取引
町に滞在することになった俺たちだが、まずはさっさと休みたい。
「じゃあ、今度は私が予約とってくるね」
「おっけー。じゃ、よろしく、ノエル。予約終わったら普通に自由行動ね」
「うん」
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そして、宿に行ったノエルは、どこか緊張した表情だった。
「おぉい、おせぇーよ」
サングラスを掛けた男が、ノエルの腕を掴み、グイっと引っ張った。
「これから、酒場行くんだからさぁ、もうちょーっとそれっぽい服にしてくれない?服冒険者過ぎでしょ」
「ご、ごめんなさい」
「はぁ………………………ったく」
「ちょ、ちょっと宿の予約とっていいですか?」
「さっさとしろ」
そして、予約を済ませた。
「よし、いくぞ」
そして男はノエルの腕をひっつかんで酒場に行った。
「ほら、ここが酒場だ」
「こ、ここが………………」
「ボスはあっちだ。さっさと行くぞ」
「あ、はい」
いわれるがままに酒場の奥に連れてこられた。
「ボス、こいつです。」
そこにはムキムキのヤンキーがいた。
「おうおう、ノエルちゃん…いらっしゃーい」
「あ……………あの……なんの用があるんですか?…………」
「………………………お前と取引したくてなー」
「取引………?」
「そうだ、お前にしか頼めない取引…………」
「………………………………………………内容は………?」
「…………………お前の親を殺せ」
「!?!?!?!?!?!?」
「お前、苦しかったんだろう?両親が毒親で。」
「………………………………………………」
「俺はお前を助けたいんだ。ノエル。」
「なんで…………………なんで、私のことそんなに知ってるんですか……?」
「それは企業秘密だ。お前が自分の親を殺せば何でもやる。金でも、土地でも」
「……………………………………………………………………………………」
「どうだ?この話のるか?」
「………………………………………………………………………」
しばらく黙り込んでいたノエルだが顔を上げて言った。
「いやです」
「そうか、なら殺す。」
「!?」
「オラッ」
顔面パンチを食らったノエルは吹っ飛ばされた。
「う……」
「オラァ!」
ドオオン!!
今度は思いっきり蹴りを入れられて壁に激突。
「おい!こいつ殺しとけ」
「は、はい!!」
弟子がノエルの髪をひっつかんで客がいるほうに引っ張った。
「おい!お前ら!この女ぶっ殺せ!」
「「「うおおおおおおお!!!!!」」」
殴られたり、けられたり、バットで殴られたり………………………
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いやあ、暴力団倒したから町の人たちからキラキラした目で見られるなぁ。
「ふははは!!僕のおかげむし!」
「う、うん。まあ、そうだけど………………………」
「何する?もう、魔法掛遊はこりごりだよ?」
「ははは!さすがにいかんよ」
「買い物でもするむしか?」
「お、ムッシーにしては珍しいな」
「僕もちょっとくらい買い物に興味はあるむし」
「じゃあ、道具屋にでも行ってみるか」
そして、道具屋についた。まず入り口には杖が売ってあった。
「な………高い…………」
宝魚が絶句する。たしかにバカ高い。一番安いので金貨二枚。一番高いので金貨6枚である。
「ちなみに俺はこの杖、銀貨60枚で買ったぞ」
「俺は銀貨65枚」
「僕は70枚」
小魚のが一番高いようだ。で、俺が一番安いと。
「思ったんだけどムッシーって杖使ったことないの?」
「あるむしよ。昔は……………………」
「「「昔?」」」
「その体でどうやって持ったの?」
「えーっと、普通に」
「「「怪力だ。こいつ」」」
間違いない。
「あ!調理器具!」
宝魚はフライパンやら、鍋やら、菜箸やら、色々いいながら調理器具コーナーに行った。
「あ!小魚みろむし!うまそうな食品コーナーむし!」
「うわ!ほんとだ!いこういこう!!」
杖コーナーに一人残された俺。悲しすぎる。俺もなんか興味あるもん買っとこーっと。
そこで、いろいろ見回って気になったのは魔導書。ここにワンチャン死者蘇生秘伝書とかないかな?順番にタイトルを見ていったが………………
「むむむ!!自然系固有魔法応用 完全版 だと!?雷って自然だよね?うおおお!!これを読めばドゥルフを応用できる!!よし!買おう!」
そして、手に取りかけたが、それと同時に「金貨3枚と銀貨30枚」という文字も目に入った。
「な………」
か、買えない………………………俺の全財産は金貨二枚と銀貨90枚だ。
銅貨10枚=銀貨1枚、銀貨100枚=金貨1枚だ。つまり、あと銀貨40枚あれば買える!!!じゃなくて、全財産使い果たしたら貧乏生活始まっちゃうな。だめだめ、リーダーの金がなくなったら一大事なんだから。うん。
そして、結局俺は何も買わなかった。宝魚は、フライパン、鍋、菜箸、フライ返し、ボウル、を買った。小魚はスナック菓子を色々買っていた。ムッシーも食べるらしい。
「え?雷魚なんも買ってないの?」
「雷魚兄ちゃん、このスナック菓子めちゃくちゃおいしそうだよ。」
「ははははは!!安心するむし。買うものがないって幸せなことむし。」
「ま、まあ、買いたいものはあったんだけどね…………………」
金がねぇんだよ!わざわざ言わせんな!
ノエルがひどい目に合ってるのも知らずに、のんきに買い物を楽しんでいた四人であった。




