27話 特訓
グランツ校長が低い声で言う。
「さっきも言った通り、校庭には、"勇者の銅像"がある。『勇者の下…』つまり、"勇者の銅像"の下にあるということじゃないか?いつそんな基地を作ったのかは不明だが…」
たしかに………………………それならゼーベルがいっていた「わかるやつはピンとくる」というのと一致する。間違いないだろう。
「というわけじゃ。いつ、ゼーベルを倒しに行くかは、君たちに任せる。私に言ってくれれば、銅像をどかしてやろう。」
「わかりました。じゃあ………………………三日後くらいに基地に侵入することにします。」
「うむ。わかった。それまでに何をするのじゃ?」
「計画としては…まず、今日と明日は特訓をして、明後日はゆっくり休む。で、明々後日に侵入しようかと思ってるのですが…」
みんなの顔を見回す。全員承知の顔だ。
「じゃあ、さっそく修業むしぃぃ!!!!」
やる気満々のムッシー。
「では」
「「「失礼しました」」」
校長室を出たところで、なんと、カムサがいた。
「話は聞かせてもらったよ」
「あ!カムサ君!盗み聞きしてたな!?」
宝魚はカムサと一度戦ったことがあるため、一番早く口を開いた。
「僕、連続殺人事件を解決したいと思ってて」
「え?なんで?」
「僕の友達が殺されたんだ」
「「「え?」」」
「一つ上の友達がいたんだけど……連続殺人事件の犯人、ゼーベルに殺されてしまった。今生きていたら二年生として元気に生きていたんだけどね………………………」
「で、連続殺人事件の犯人、ゼーベルを倒したいと?」
「うん」
「ふっふっふっふっふ。それはいいむしけど、これから修行するむし。それに参加するならいいむしよ?」
「うん!もちろん!宝魚君に負けたんだから、宝魚君より強くならないと足手まといにしかならないじゃん!」
「ま………………………まじか………………………」
なぜかムッシーはドン引きしていた。
てか、カムサこんな性格だっけ?超魚同様、戦うと性格変わるタイプ?って、そんなのはどうでもいいや。はやく修行して強くなって、さっさとゼーベルを成敗してやる!!
「こいむし!!」
「エルデ!!」
ズゴオオオン!!!
カムサのエルデを生身でくらったムッシーだが、ぴんぴんしていた。
「うんうん。まぁ、そこそこの威力むし」
修行というか…………………なんかずれてるような………………………
「よし!じゃあ、特訓恒例(?)の寝ると強くなれる修行いくむし!!」
「「「な………………………………………………」」」
うそだろ?うそだろ?あの苦痛再びだと?俺だけじゃない。小魚も宝魚も絶望している。そうか。この2人はこれで三回目か………………………かわいそうに……………………
「さっそく、この山を十分で一周するむしぃ!!」
「「「いやぁーー!!!!」」」
と悲鳴を上げながらも走る。
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バタッ!
「「「はぁ………………………はぁ………………………はぁ………………………」」」
全員くたくただ。だが、最初にやったときより苦しくなくなっている。図書館で逃げ回っていたからスタミナがついたのだろうか?
「よしつぎ、あの岩を十メートルおすむし!!!」
ムッシーの目線の先を見ると高さ一メートルくらいの岩があった。
「「「かんべんしてーー!!!」」」
そして、十五分後………………………やっと、岩を十メートルおすことができた。
「つぎ!石ぶん投げるからよけるむし!!!」
ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン
とにかく大量に投げてきた。それをなんとかかわす。
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うおおおおおおおおおおお!!!!!!初めてやったときは十個くらい当たったけど、今回は一個も当たらなかったぞ!!!
「つぎはべらべらべらべらやるむし!」
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「つぎはべらべらべらむし!」
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「つぎはべらべらべらべらべらするむし」
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「つぎはべらべらべらべらべらむし」
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「さいご、べらべらべらべらべらむし」
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はぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!!!!!やっと終わったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーー!!!!!!!!
っしゃおらぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!!!!
「よぉぉし!!よく頑張ったむし!!!今日は帰ってゆっくり休むむし!!」
そして、合宿所の自分の部屋に帰ってる途中、スッキリした顔をしているカムサに不思議そうに宝魚は言った。
「カムサ、修行苦しくなかったか??」
「うーん。苦しかったけど………………………効果が出るのが楽しみだなって」
「なるほどー」
すげーな。カムサ。あんな修行、効果あるわけないだろぉ!!!とは思わないんだ。
次の日………………………放課後、みんなで山に集合した。
「よし。みんな集まったむしね。特訓の効果は出たむしか?」
「でたでた!!!僕、『エルデ リーズヒ』と、『エルデ シュタッヘル』覚えたよ!!」
カムサが自信満々に言う。たしかに………………………今日授業の時ものすごく驚いた顔をしていたような………………………
「俺は『エーデルシュタイン シュネル』と、『エーデルシュタイン フレッヒェン』を覚えたぜ」
「僕は『リインフォース フェアタイディング』と、『リインフォース フィール』を覚えたよ」
「私は『シュネーシュトルム シュネル』と、『マギーシュパーレン』を覚えたよ」
「私は………………………『シュヴァハ シュネル』を覚えた」
「雷魚はなに覚えたむし?」
「俺は………………………『ドゥルフ グランド』だな」
「うんうん。みんな素晴らしいむし。特にノエル。ノエルの固有魔法は魔力を多く使うから、魔力を貯めることができる マギーシュパーレンを覚えたのは上出来むし」
「へー」
ノエルはあんまり興味なさそうだ。
「よし!今日は………………………トーナメントをするむし!!!」
「「「ええええええええええええ!?!?!?!?!?!?!?!」」」




