129話 東の大陸
「はぁ、次元が違ったなぁ…………」
ツビンダー王国に戻った俺達はレーゲルについて話し合っていた。
「ふふふふふふふふはははははははははははは!!!!!!!!!一番活躍したのは僕むし!!久々に僕が活躍したむし!」
「たしかに、ムッシー最近活躍する場面少なかったもんね。」
小魚が言う。
「俺、気づいたことがあるんだ。俺の雷杖やベーゼトゥーテン・竜は全く効かなかったのに宝魚の剣舞・炎とムッシーのアンフェルフラム、あと炎の瓶がきいた。もしかして、レーゲルは炎属性の攻撃以外は効かないんじゃないか?」
「忘れてないよね?私もレーゲルに斬りかかったけど、斬れる気配がなかった。」
ノエルが言った。
それに続いて宝魚も言う。
「でも、炎属性だけで攻めていってもあっちのほうが圧倒的に戦力が上だから勝てない。」
「「「うん……」」」
「もっと強くなろう!」
晴魚が言う。
それに俺は言った。
「もちろんそのつもりだ!行き先は東の大陸!」
「「「!!!!」」」
そう、あのガオナがいるところである。
英雄精霊たちが残した日記によれば、操られた精霊王の生まれ変わりのガオナが東の大陸で暴れているらしい。
それを止めにいくのだ。
「待ってました!」
宝魚が言った。
「じゃあ早速出発だ!」
俺達は船をだし、東の大陸へ向かった。
―――・・・―――
「きたっ!!」
俺達は食料調達のため、釣りをしていた。
ノエルがヒットしたようだ。
「これは大物…………ふんぬ!!ふんぬ!!」
手こずってるな。
かなりの大物か……………
「ふん!!」
バシャァァァァ!!!!!!
「「「!?」」」
バアアアアアアン!!!!!!!
釣り上がった魚(?)が船に強く激突する。
これは魚と呼んでいいのだろうか?
パッと見たところ全長400㎝くらい。
頭部には鬼のような角が生えていて300本くらいの牙がある。
サメといわれて普通に信じるレベル。
「むし。これは鬼牙魚むし。主にクラーケンを主食としている凶暴な魚むし。ちなみに刺身が絶品らしいむし。」
「ク、ク、クラーケン!?」
晴魚が驚く。
「安心するむし。もちろん、大人のクラーケンは食べないむし。子供を食べるんむしよ。」
ノエルが言う。
「たしかクラーケンの子供は3mくらいだったよね。」
宝魚がムッシーにきく。
「魔物食ってる奴を生で食べて大丈夫なのか?」
「大丈夫のはずむし。」
てか、謎にムッシー海の生き物に詳しいな………
「僕が教えたことまるパクリしてるだけでしょ、ムッシー。」
「それはタブーむし。」
なるほどね。
たしかに小魚は海の生き物に詳しい。
ムッシーは戦いとかには詳しいけどね。
とにかく、今日はご馳走ってことだ。
―――・・・―――
「「「うっまぁぁぁ!!!!」」」
見た目からは想像もつかないほど美味かった。
―――・・・―――
さて、あともう20分もすれば東の大陸につく。
薄っすら見える東の大陸を眺めていると背筋が凍るような感覚を覚えた。
それにとんでもない魔力量…………なんだ?
バアアアアアアアアアアア!!!!!
海から出てきたのは……………女性…?
「ごめんね。ガオナには逆らえないから……」
ドゴッ!!!
「ぐはっ………」
いきなり仕掛けてきた………水を飛ばしてきたぞ…それにこの魔力量…………
「てかさっきガオナって言った?」
晴魚が構えながら言った。
もしや………この女性は水の英雄精霊、アプサラスなんじゃないか?
水属性なら雷魔法を扱える俺が有利!
「ドゥルフ グランド!」
チュドーン!!!
かわされた。
「雷属性か………厄介だ………」
向こうも俺が厄介だと思ったのか、俺に集中攻撃を浴びせてきた。
無数の水の球を飛ばしてきた。
「雷杖!」
雷杖を振り回して防ぐ。
「剣舞・炎 削炎焔!」
「水盾!!」
宝魚の攻撃が水の盾で防がれる。
「「ベーゼトゥーテン・竜!!」」
「水盾!」
不完全体のベーゼトゥーテン・竜だが、アプサラスの水盾を突き破った。
「くっ………」
今度は海の水を針に変形させ、飛ばしてきた。
「剣舞・氷 捌冷斬!」
ノエルはその針を完璧に見切ってすべてはじいた。
「うそでしょ………」
「アンフェルフラム!!」
「くあっ!!」
倒れたアプサラスを俺達は包囲した。
「動くな!」
「ぐぬぬ………」
「ねぇ、ガオナに脅されてるんでしょ?」
アプサラスは頷きながら言った。
「は?なんで?誰がそんなこと教えたの?」
会話はガオナにばれてるようだ。
だが、動きは見えないらしく、ガオナに脅されているんじゃないのか?という質問に頷いている。
俺達は一瞬で状況を理解した。
「まあいい。今回は見逃す。」
「く……おぼえてな!!」
そういってアプサラスは消えてしまった。
戦闘が終わってノエルが一言。
「ひどい……」
「全くむし。」
「絶対助け出そう!雷魚兄ちゃん!」
「そうだな。」
俺達は東の大陸に降りた。
港町は人がいない。
静寂だ。
日記にあったとおり、みんな自分の家に隠れているのだ。
今すぐに奇襲をくらってもおかしくない。
アプサラスが俺達のところにきたということはもうガオナに俺達の存在はばれている。
町を戦場にはしたくない。
俺達は早々に港町を出た。
構えながら草原を歩く。
普通の草原には魔物や魔獣がいるはずだが、ここには一匹もいない。
ただ俺達の足音だけが響いていた。
ブオオオオオオオオオ!!!!!
「「「!!!」」」
きた!
「我が名はイフリート。アプサラスの仇だ。燃やし尽くしてくれよう。」
炎の精霊 イフリート…………そうか、ガオナは全精霊を相手させてギリギリまで消耗させてから出向くつもりなんだ。
くそっ、精霊たちはやられる前提か。
非道なやつめ。
「ドゥルフ ジェアンテ!」
「「ベーゼトゥーテン・竜!」」
「火射砲!」
イフリートが放った炎のビームで不完全体のベーゼトゥーテン・竜は相殺されてしまったが、ドゥルフ ジェアンテはイフリートに直撃。
「ぐああぁ!!」
包囲する。
ノエルが言った。
「安心して。ガオナは私たちが正気に戻すからね。」
「黙れ、お前たち如きがガオナ様にかなうわけない。」
と、イフリートは言いながらお辞儀をした。
「っち、今回は負けだ!次は殺してやる!!」
そう言って消えていった。
俺達は草原を歩きながら話した。
「それにしても英雄精霊のくせに弱いむし。」
というムッシーに宝魚は言った。
「いやいや、手加減してくれてるんでしょ。そもそも俺達有名だし。」
小魚も言った。
「この人達ならやってくれるかもしれない!って思って消耗を減らそうとしてくれてるんじゃない?」
「それはありがたいむしね!」
「だね!」
ついにムッシーも他人を褒めるようになったか。
改めて振り返ってみたら魔法学校のときと今、ムッシーすごい変わったよね。
でもまぁ、キャラが変わっても相変わらずムッシーは愛されキャラだ。
それに最高戦力でもあるしね。
グオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!
「「「ううう…!!」」」
物凄い突風……もしや次は……
「あんたたち!死になさい!!」
グオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!
予想通り、風の精霊 ハーピーだ。
結構手加減無しでくるな…………
「アンフェルフラム ラージ!!」
ムッシーは俺達を中心とする竜巻に炎をまとわせた。
俺はムッシーの作戦を察して叫ぶ。
「みんな!これをハーピーに押し返すぞ!」
「「「わかった!」」」
魔力を放出して炎の竜巻をハーピーに向かわせた。
「キャアアアアアアアアアアア!!!!!!なにこれ!暑っ苦しいんだけど!」
「絶対、救ってあげるからね!」
小魚が叫ぶ。
「無理に決まってんでしょバーカ!!」
とハーピーは言ったが、目から涙があふれ出ていた。
「きょ、きょうは…………退散ね!」
ハーピーは消えていった。
「小魚が言った通り、絶対救うぞ。」
俺が言う。
みんなは
うん。
と頷いた。
さあ、あとは大地の精霊と雷の精霊。
どんとこい!!




