113話 救出
「ベーゼトゥーテン」
小魚がベーゼトゥーテンを放つが、かわされる。
「アンフェルフラム!」
いつもの赤橙に輝く炎ではなく、真っ黒な黒炎だ。
小魚はそれをかわしてベーゼトゥーテンを撃ち続ける。
だがムッシーもそれをかわしてアンフェルフラムを撃ち続ける。
俺達も参戦しなければ。
「水流斬撃!」
ガン!!
「あっぶな」
偽ムッシーはギリギリで防御魔法で防いだ。
「総攻撃だ!ドゥルフ グランド!」
「エーデルシュタイン リーズヒ」
「ベーゼトゥーテン!!」
「ベーゼトゥーテン・虎!」
「シュネーシュトルム リーズヒ!」
「水流斬撃 多斬流舞!!」
「ふん!!」
久々の総攻撃。
ちなみにヴィルは剣を振り下ろしている。
偽ムッシーは防御魔法で防ごうとしたが、さすがに耐え切れずに砕け散った。
「ベーゼトゥーテン!」
「ぐぁぁぁあ!!」
小魚がとどめを刺す。
するとムッシーから紫の霧が出てきた。
そして姿を現したのは黒髪の男。
「いって………」
大師匠は水流斬撃をその男の首に近づけて言った。
「お前はだれだ?目的を全て教えろ」
怖すぎる…………俺がこれされたら小便漏らして失神してるわ。
「お………俺は3軍王の右腕………シャンモンだ。」
さすがの敵もこの圧に大ビビりして話し始めた。
「お前ら、プルプと戦っているときにムッシーがいないことに気づいたか?」
え?ムッシーなんてずっと小魚の肩に…………………っていなかった気がするんだけど!?
「いなかったよな。俺の仲間に連れ去るのがめちゃくちゃうまい奴がいてな。そいつが連れ去ったんだ。そして、それと同時に魔王軍3軍王がムッシーは元からいない。と洗脳をかける。」
まじかよ………洗脳って………
「そしてお前達がプルプとの戦いで負けて気を失っている間に俺が変身して紛れ込む。ここで洗脳を解いた。というわけだ」
かなり作りこまれた戦略だ。
「なんでよりにもよってムッシーなんだよ!」
小魚が怒鳴るとシャンモンは笑って言った。
「うははははは!!!それはムッシーが一番小さくてさらいやすいからじゃないのか?ははははははは!!!!!」
どういうツボしてんだこいつ…………
「なるほどね、分かった。ありがと」
大師匠はそういって唱える。
「水流斬撃 捕縛水術」
水色の縄のようなものがシャンモンに巻き付いて身動きが取れない状態にする。
「くそっ、油断した!ほどけぇ!」
「無理ダヨーン」
変顔で煽っとく。
あー、愉快だ愉快だ!!あはははははははは!!!!!!
そうして小魚がムッシーの気配がすると言った上の階を目指す。
「それにしても小魚さん、よく気が付きましたね」
「うん、かなり長い間一緒にいるからね」
「さすが弟子の弟子だ!!ははははは!!」
大師匠はそんなことを話して笑いながら魔物をばっさばっさと倒していく。
やっぱ怖いね。
うん。
そして順調に上へと昇っていく。
そして……………
ガチャーン……………
「おっ、きたか」
そこは玉座の間のようなところだった。
そこにはバデンが座っている。
そして……………
「だせむしぃ!!だせむしぃ!!」
天井からインコを飼うカゴサイズの檻がぶら下がっており、ムッシーが暴れ狂っている。
「ムッシー!」
小魚が叫ぶとムッシーはこっちに気づき、助けを求める。
「あ!小魚!みんな!助けに来てくれたんむしか!!助けてくれむし!!」
「よし、ちょっとまってて」
そして大師匠は魔力をため始めた。
「水流斬撃 瞬速!!」
目にも止まらぬ速さでムッシーの檻を切り裂いたように見えたが、ムッシーの檻は違うところに移動していた。
「くそ、ワープで遊ばれるってとこか」
大師匠が言う。
斬撃が当たる前にバデンがワープで檻を移動させたってことなのか?
くそ、なんてやつだ!
「頑張って捕まえるぞ!」
俺が叫ぶと同時にそれぞれが散り散りになってムッシーを捕まえようとする。
だが、鬱陶しいハエみたいに捕まえられない。
「ふははははははは!!!!!ほらほら頑張れ!ほれほれ!!」
ぐぬぬ…………遊ばれてる………くそっ………
「む……し………さっ………さと……たすけ………ろむし!!」
ワープを繰り返してるせいでムッシーの声も途切れ途切れだ。
「うりゃ!」
「えい!」
「てや!」
「おら!」
「ふん!」
それぞれが頑張って捕まえようとするが全く捕まえられない。
これはもうバデン本体を攻撃したほうがいい。
「ドゥルフ シュフルーファスト!」
バデンのほうに突っ込むが、俺にもワープ魔法をかけられ、壁に激突。
「ぐへっ!」
俺の考えをすぐさま見抜いてみんなもバデン本体に攻撃を始める。
そして突進したら俺みたいになるから遠距離攻撃。
「エーデルシュタイン ゼーリエ!」
「ベーゼトゥーテン!」
「ベーゼトゥーテン・獅子!」
「シュネーシュトルム リーズヒ!」
「水流斬撃!」
そしてヴィルは剣を投げつける。
だが、魔法も全て自分たちの目の前にワープさせられ、当たった。
「「「うわぁ!」」」
ヴィルはギリギリで剣をかわしていた。
そして大師匠も防御魔法で防ぐ。
「どうする?」
俺がきく。
みんなが考え込む。
そのとき、バデンは言った。
「やっぱつまらん。お前たち、しっかり作戦を練って出直してこい。かわりにこいつに勝ったらムッシーを返してやる。」
そういって魔法陣を展開させた。
そこから巨大なタコの足が飛び出してきた。
「「「まさか……」」」
そこから体も飛び出してくる。
そう、プルプだった。
「ひゃっほーい!!久しぶりか?いやちがうなぁ!お前たちと戦うのをあれ以来楽しみにしてたんだぜ!!」
「プルプ、遠慮なしにやれ」
「うるせぇ!魔王軍が俺に指図するな!雷魚たちに会わせてくれるっていうもんだから手を組んだが、平等な関係ってことだからな!!」
「わかったよ」
「さぁ、始めよう!!」
プルプはあのときと同じように腕から無数のタコの足を伸ばしてくる。
そしてあのときと同じように主な戦闘は宝魚、ノエル、ヴィル、大師匠。
後方から俺と小魚と晴魚が援護する。
「ドゥルフ グランド!」
「「ベーゼトゥーテン・竜!!」」
俺の攻撃はかわされ、ベーゼトゥーテン・竜はやはり完全体にはなれずだ。
ちなみにバデンがいるが、バデンは攻撃がこっちにこないように、周りに大量のワープ魔法を発動させているから魔力もこっちにこないのかもしれない。
だが、ラッキーなことにベーゼトゥーテン・竜が当たった。
「ぐ………」
「チャーンス!水流斬撃!!」
グッ……
ギリギリで腕で防がれた。
「くそ!」
そして引き続き攻撃を再開。
「おいおい、そろそろ手加減にも飽きてきたぜ?もう本気でいっていいか?あのときみたい埋まっちまわないようにな!」
するとプルプの腕とタコの足の太さが倍くらいに膨れ上がり、速度も速くなった。
「「「うわぁ!!」」」
大師匠以外全員が吹っ飛ばされる。
「なんだよ、もっと頑張れよ」
そう言ってプルプは猛攻撃をはじめる………!!!
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「ふぅ」
ムッシーを魔法陣に投げ入れたシオンは自分の豪邸に帰った。
元々は東の大陸で生活していたが、ガオナに占領されたため、自分と部下がいる豪邸に帰ってきたのだ。
正直ここの生活は好きだ。
たまに任務が入るだけで、好きなだけゲームできるし好きなだけお菓子も食べれる。
あまり言いたくはないが、ガオナには感謝している。
まぁ、そのガオナの上司のラウデタイトってやつは気に食わないけど。
すごい生意気だし…………反論しようとしたら魔力で圧をかけれてなにも言えないし…………
「まっ、ここでは快適だからいっか!」
そしてゲームを始めたシオンであった。




