112話 悪城出現
「う………」
なんだっけ?
何が起こったんだっけ?
まだまぶたが重い……………なんだ……?巨大な鳥?
よく見えないが…………目が光る巨大な鳥が見える。
幻覚か………?
―――・・・―――
「…………いぎょ…………雷魚!!」
「!!!」
宝魚………?
「やっと目を覚ましたか、雷魚」
「えっと……なにが起こったんだっけ?」
すると横からひょこっと小魚がでてきて言った。
「プルプにやられたんだよ。でもなぜか埋まってたはずなのになぜか地面に倒れてたし、傷も治ってるんだよね。僕たち全員」
そうだ、そうだった。
思い出した。
どうやらみんな無事のようだ。
「俺、さっき巨大な鳥を見たんだよね」
と話す。
幻覚かもしれないが、一応話しておきたい。
「うーん、それはもしかしたら不死鳥レーゲルかもしれませんね」
ヴィルが言う。
「えぇ!?そんなことあり得るむしか?」
「うーん、もしかしたらレーゲルが私たちを助けてくれたのかも。回復魔法を使える鳥類魔物はレーゲルしかいませんよ?」
その可能性もなくはないか。
「じゃあ、私たち伝説の不死鳥に助けられたの?」
というノエルに晴魚は言う。
「多分…………そうじゃないかな?」
大師匠も言う。
「まじか…………かなりレアだぞ」
俺は起き上がって言った。
「まぁ、目的の冒険厳密機は取り返せたわけだ。……………………次はどこにいく?」
「「「うーん」」」
そのとき、地面が大きく揺れ、体が固まるほど大きな音が聞こえてきた。
ドオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!
「うわっ!?」
「なんだ!?」
ようやくおさまった。
なんなんだ…………?
大師匠は全力の魔力探知を発動させた。
「…………なんじゃこれ………」
晴魚がきく。
「なんなんですか?」
「レーゲルの村がない…………かわりに邪悪なオーラを放った巨大な建造物がある」
「「「えぇ!?」」」
「それって……つまり…」
と俺が絶句する。
大師匠はゆっくり頷き、言った。
「うん………レーゲルの村ごと…押しつぶされた」
「「「っ!!!」」」
息を吞む俺達。
嫌な思い出があるレーゲルの村だが、もちろんその住民たちは性格が悪いわけではないし、むしろ優しい人もいる。
かなり栄えていたあの賑やかなレーゲルの村……なんなんだ?いったいその邪悪な建造物って、ゆるせない…………
「………………ムッシー?なんで笑ってるの?」
小魚が問いかける。
「あー、いやっ、これは………その悪いやつをぶっ飛ばすのを想像したら自然に笑みがこぼれただけむし!!!!」
やけに必死だなぁ。
「ふーん…………」
小魚は目を細める。
俺なら分かる。
これは警戒している顔だ。
ずっと一緒、一番の相棒のムッシーがなにかおかしい。
そう感じているのかもしれない。
明らかにさっきの言動はおかしかったが、言動がおかしいのはいつものことだし………………
「まぁいいや。とにかく、その邪悪な建造物とやらを見に行こう」
小魚が言うとノエルが言う。
「でも計画も無しに行っていいのかな?罠かもしれないよ?私たちがたまたまこの大陸にきているときに出現したわけだし」
それに対してヴィルは言った。
「でも行くしかないよ。その城からぶわぁ!って魔物があふれ出てくるかもしれないし」
勘の鋭い宝魚は思った。
(城?アオイさんは城なんて一言も言ってないぞ?なんで知ってるんだ?出会った時からちょっと怪しいって思ってたけど…………だってあんな分かりやすい好意アピールないでしょ?まぁ、ここでそれを言ったらヴィルにも警戒されるかも………………………って、ヴィルが敵ってこと前提だな!あはははは!)
そんなこと宝魚が思っているとも知らずに雷魚は言った。
「よし、いくか。」
「「「うん」」」
―――――――――――――――――――――――――――――
「だせむし!!僕を捕まえてどうするっていうんむしか!?」
ムッシーは小さな檻のなかで暴れ狂う。
「ちょっと静かにしてよ、私が捕まえたわけじゃないんだから、文句は3軍王のイプティムにいってよね。」
シオンは紅茶をすすり、クッキーを食べながら言う。
「というかよくもシグザルを殺してくれたむしね!!」
「いやぁ、だってぇ、雷魚の彼女とかうらやましいもんっ」
「理由舐めすぎむしぃ!!ぐぬぬ………アンフェルフラム!」
ムッシーが放った爆炎はシオンにノールック防御魔法で防がれた。
「くそぅ!」
「暴れんなーよ」
「アウトォ!ってかここはどこなんむしか?」
「ここは私の家。そうだ、これに魔法撃ってくんない?」
とシオンが押し付けてきたのはケーキ………の焼く前だ。
「ふん!別にいいむしよ!アンフェルフラム!!」
ブオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!
「おぉ!焼き上がって…………ない?」
「ぶあはははははははは!!!!!!残念だったむしね!僕の魔法は熱がないんむしよ!!」
「ちぇっ、なんだよ。まぁ、いいや。今頃お仲間は偽ムッシーと楽しくしゃべってるだろうね。」
「偽物の僕ってなんむしよ!!」
「おしえなーい、あ、そろそろかな?ちょっときて」
シオンはムッシーが入った小さな檻を持ってワープした。
「うわっ」
ワープ先は………
「く、空中?天空島むし?」
そう、宙に浮いていて目の前には大きな島があった。
島というか、大地の上に城下町がある感じだ。
そして白い髪の奴と……バデン?と…………………魔王!?
すると魔王は手に魔力をため始めた。
そして一気に解放し、城下町にある大きな城のような建物と城下町を切り離した。
一番大きな城はおそらく魔王が住んでいるところで、切り離したところは魔王が住んでいるその次に大きい建物だ。
その建物は切り離され落ちていくが、バデンが発生させた超巨大な魔法陣に飲み込まれた。
その魔法陣に白い髪のやつとバデンは飛び込み、消えた。
そのあと魔王も頷き、消えてしまった。
「はい、いってらっしゃい」
そういってシオンはムッシーの檻を魔法陣に投げ入れた。
―――――――――――――――――――――――――――――
「ガチで城じゃん…………」
宝魚が呟く。
かなり大きな立派な城だ。
邪悪なオーラを放っているのが分かる。
「いこう」
俺を先頭に俺達は中に入った。
早速魔物が襲い掛かる。
俺は即座にドゥルフ シュフルーファストで魔物を倒した。
大師匠が呟く。
「この城、魔物が多いみたいだ。」
ちなみに中は見覚えのある装飾だ。
物騒な物々、青い炎の灯り。
間違いない、魔王都城だ。
だがなぜだ?
魔王都城から一部が降ってきたのだとしても魔王都城の下はエルケーニ王国だし……………うーん………………
「!!!」
そのとき、小魚が何かを感じ取り、上を見上げた。
「どうしたんですか?」
ヴィルがきく。
「これは…………ムッシーの気配がする…………上のほうだ。」
「「「え?」」」
全員が頭の中が ? になった。
だってムッシーは小魚の肩にいるのだから。
「なにいってんむしか?僕はここにいるむし」
「本当にそうか?ムッシー………いや、偽ムッシー。」
「「「!?!?」」」
全員が驚く。
「僕はなんで気が付かなかったんだろうね?明らかにムッシーじゃない魔力と気配だ。」
バシン!!
小魚が自分の肩を叩く。
ムッシーに当てようとしたのだろうが、ムッシーは小魚の肩から飛び降りてかわしていた。
「ムッシーは正義感がつよく、まったく濁りがない綺麗な魔力だ。でもお前はどうだ?嫌悪と憎しみ。気持ちがわるいな。」
小魚はムッシー………いや、偽ムッシーとにらみ合う。
「よく気付いたむしね」
「まぁね、ムッシーとは長い付き合いだし」
小魚は杖を取り出し、クルクル回して言った。
「殺ろうか」




