100話 VS風の精霊
「「ひゃぁぁぁぁぁ!!!!」」
西南西にある島に向かっているのだが、いまはアプサラスが俺達を抱えて海を渡っている。
それがめちゃくちゃ怖い。
しばらく、恐怖に耐えていると………………
「よし、ついたぞ。」
「あれ?もうついたの?」
「アプサラス、やりおる………………」
さて、ここには風の精霊と雷の精霊と大地の精霊がいるらしいのだが………………
詳しくはどこにいるのかわからない。
ちなみにいまは町とかではなく、草原のど真ん中。
雷の精霊と大地の精霊は草原にいなさそうだが、風の精霊はいるんじゃないか?
「イフリート、アプサラス、風の精霊呼び出したりできないのか?」
「そうだな…………一応やってみるか」
イフリートはなにやらできるらしい。
目を閉じてなにかのオーラを放ち始めた。
「なるほど、じゃあ私もやってみるかね」
そう言ってアプサラスも目を閉じてオーラを放った。
何をしているのだろうか?
オーラを放って気配を探る?もしくは向こうに気付かせる?
「「あ……………」」
「え?」
2人が冷や汗を垂らしている。
「あー、えっとだな。ガオナ___」
イフリートは言葉を切ってしまった。
「風の精霊、ハーピーは…………結構乱暴なんだよね」
アプサラスが続けた。
風の精霊は乱暴らしい。
「で、いまからガオナと戦って力を示してほしいって」
「えぇ!?」
まじかよ!
英雄精霊と戦って勝てるわけ……………
「ビビってるね!!」
そのとき、女の子の声が聞こえた。
「うわぁ!」
強風が吹き荒れる。
イフリートとアプサラスは全く動じていない。
強風がやんだ時、空には不思議な生き物がいた。
上半身は美少女、下半身は鳥。
さらに背中から美しい大きな緑色の翼をはやしている。
「さあ!あんたがほんとに””生まれ変わり””ならその力を示しなさい!」
おそらく、この女の子が風の精霊、ハーピーなのだろう。
だが、生まれ変わりってなんだ?
「ガオナ、油断するな、ハーピーはめちゃくちゃ強いよ!」
あのアプサラスが言うんだ、間違いない。
「よし、俺も手伝うぞ!!」
イフリートはやる気満々だ。
だが、燃え盛るイフリートの頭にビショビショの手をのせるアプサラス。
「馬鹿か!相性が有利だからってしゃしゃるんじゃない!これはガオナとハーピーの戦いだ。」
「ぎゃー!分かった!分かったからその手をおろしてくれ!」
自慢の炎の威力が弱まった。
やる気が下がったのとアプサラスの濡れた手のせいか。
「よし、やるぞ!」
「へへん!食らいなさい!」
ハーピーは手を振り下ろしてきた。
次の瞬間、
ドッ………
腹に痛みが走った。
そして吹き抜ける風。
ハーピーの主な戦闘スタイルは風を硬化して殴る。
多分これだ。
「まだまだ!」
次は2回、振り下ろしてきた。
「もう食らわないぞ!フェルス!」
岩魔法で岩を出現させて受け止めた。
岩はパラパラとすこし砕けたが、とくに大きい損傷はない。
そのままハーピーにぶつける。
「え!?」
バアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!
「あっぶなー…………あなた、やるわね」
ハーピーも中々やるな。
一瞬動揺したとはいえ、すぐに威力の高い攻撃で岩を砕くなんてな。
「これは強いわよ!えい!!」
ハーピーは羽を大きく羽ばたいた。
すると暴風が吹き荒れる…………
それだけだが…………何かがおかしい。
「オエ……」
嘔吐した……………胃酸が逆流してるのか…………?
まじか……………体の内部まで風の影響が…………
くそ、なら……
「フラムシュヴァート!!!」
火力高めの炎魔法をまとった剣を振り回した。
すると、その大量の炎が吹き荒れる暴風に巻き込まれる。
「ヴィント!!」
風魔法で吹き荒れる暴風を竜巻型にする。
これで炎の竜巻の完成だ。
「おお!!」
イフリートはめちゃくちゃ興奮している。
「くらえぇぇ!!」
その炎の竜巻を思いっきりハーピーにぶつける。
「キャー!!!」
物凄い風が吹いた。
「えぇ………」
まじかよ…………俺の炎の竜巻が空に向かって飛ばされちゃった。
弱点の炎があったのに風があったからって機動を変えることなんてできるのか?
「ハァ、ハァ……………」
いやまて、ハーピーがかなり息切れしているぞ。
さすがの風の精霊も今の暴風にはかなり体力を使うらしい。
今がチャンス!
「フラム!!」
確実に直撃したと思ったが…………
フォォォ!!
ハーピーはすぐに息を整えて炎を空に飛ばした。
「ふん!もういい!決着をつけてやるわ!!!」
まさか一撃必殺をやるわけじゃないよな……………
「一撃必殺………」
うん\(^o^)/オワタ
ハーピーは自信満々の顔だ。
(フフフ、いくらあの子でもこの技はどうにもできないわ、なぜって?この技は一代目勇者、クリスでも受け止められなかったからね!!)
「悪いわね!!決めさせてもらうわ!!」
ハーピーは手を上にして風(?)をため続けている。
もう風というか………………バケモノでしょ、これ。
「はあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
ハーピーが腕を振り下ろす
「こっちも黙ってみてるわけじゃないんだよ!!フラム+ヴァーサー+ヴィント+ドナー+フェルス……………アトリバーインパクト!!!!」
俺の持つ全ての魔法を混ぜてぶつける!!
カアアアアアアアア!!!!!!!
音にならない音がなり、目を開けるのもつらいくらい強く発光した。
「まさか……」
ハーピーの声が聞こえた瞬間、俺とハーピーの魔法は音もなく消えていた。
「うそでしょ…………まさか!まさかね!あははははは!!!!」
ハーピーは汗だらだらでめちゃくちゃ焦っている。
「現実逃避はよくないぞ!」
と俺が叫ぶとハーピーはスンッとなって俺のところにきた。
「あなた、本当に生まれ変わりなの?」
「さっきから生まれ変わりってなに?俺はただ複数の魔法を扱いこなせるだけの人間、ガオナだけど。」
「その複数の魔法を扱えるところがおかしいんでしょ!」
なんかこのメスガキプンプン怒ってるな。
「いやぁ、ほんとに生まれ変わりってなんのことかわかんないんだけど」
「…………まあ、ガオナについていけばわかるかもしれないしね。じゃ、契約。」
俺の手の甲のイフリートとアプサラスの契約の印の上にハーピーは契約の印を入れた。
「「あぁ、俺(私)の契約の印の上に………」」
という2人を無視してハーピーは言った。
「イフリートもアプサラスもあなたにため口だし、私もため口で行かせてもらうよ。よろしくね。ガオナ」
「ああ、よろしく」
さあ、これで風の精霊 ハーピーと契約を結んだ。
「やったな、ガオナ」
「それにしてもガオナってそんなに強かったんだね」
イフリートとアプサラスに俺の戦闘を見せるのは初めてだっけ?
「あんた達、私が一番強いんだから私の言うことを聞くのよ!!」
「なんだと!?俺はイフリートだぞ!お前の苦手なイフリートだぞ!」
「私はそのイフリートが苦手なアプサラスだぞ!」
「うるさいわね!相性ってやつがあんのよ!とにかく私が一番よ!」
こいつら、うるさいな。
イフリートとアプサラスの2人だけでもうるさかったのに……………ますますうるさくなってしまった。
まあ、いいや。
「次は大地の精霊にでも会いに行くかな。どこにいるか知ってる?」
と俺がきくと、ハーピーはこたえた。
「うーん。そういえばここから南にめっちゃゴツゴツしてる岩場があるんだけど、そこにいるんじゃない?」
「うむ。俺も奴はあそこにいるとおもう」
「私も」
「よし、きまりだ!」
ここから南にある岩場に向かう。
「いくぞ!」
「「「うん!!」」」
風の精霊 ハーピーと契約を結び、次は大地の精霊の契約を結びにいく。
だが、ハーピーがいってる”生まれ変わり”というものがどうにも気になる………




