カップに映るは未来なのか?
残暑も和らぎ一気に涼しくなる季節。人が活動するには最適な時期なのだが、今日の葉揺亭にも客の姿はなかった。すなわち平常通りで、亭主の大好きな平和そのものである。
そんな店の中で、アメリアが自分でお茶を淹れて自分で飲んでいる。最近はよくそうしている。お客さんにちゃんと紹介するために、まずは自分が葉揺亭にあるお茶の葉を全種類制覇してみたいとかなんとか。アメリアの勉強になるならば、とマスターも自由にさせていて、今日も放っておいた。
しかし、マスターはふと気づいた。今日のアメリアは少しいつもと様子が違う。
同じカウンター内に居るのにわざわざマスターに背を向けて、椅子に座ったまま前屈みになっている。ティーカップは両手で持ったまま膝の上にあるのだろう、ソーサーだけが台の上でぽつんとしている。一見すると体調が悪い姿にも思えるが、苦しんでいる風ではない。
訝しんだ店主は、小さな背中にまず声をかけた。
「アメリア、どうしたんだ?」
「なんでもないですよ? ただお茶を飲んでいるだけです、なんでもないです」
「お茶を飲むのにそんなに背中を丸める必要があるのかい? それに、僕に顔を見せないようにする必要も」
「た、たまにはそういう必要もありますよ!」
「待って、今何を手元に隠して――」
「だめですよう! なんでもないんです!」
マスターの鋭い目が捉えたそれを、アメリアは伸びて来る手に奪い取られないよう右へ左へ振って必死に逃がそうとしていた。しかし片手がティーカップから放せない状態では、あっという間にマスターに捕まった。不満と諦めが混じった声がアメリアから洩れた。
一体何を隠していたのか。手にしてから確認した正体は、じゃばら折りにされた紙であった。文字や図形が版で押されて刷られたもの。マスターはひとまず、その表題らしき飾り文字を読んだ。
『日常の中で見える未来。お茶の葉編』
はあ、と彼は眉をひそめた。その様子を見ていたアメリアが、ほら見たことかと目をつむりおでこを打った。絶対にいい顔をしない、からかって来る、それが想像できたから隠していたのに。
表題に続いてつらつらと刷られているものを読めば内容はすぐに把握できる、これは簡単な占術の指南書だ。曰く、紅茶の茶葉を濾さずに注いで飲んだ後、カップの底に残った茶葉が描いた図形で近い未来に起こることが予測できるのだと。たとえば、綺麗な円形があれば恋愛成就、四つ葉になっていれば幸運の到来、ネズミが居たら逃亡劇の始まり、なんて具合に。紙上には、それぞれの図柄と象徴する未来の対応が表でびっしり書き連ねられていた。
「……子供だましだな」
呆れ顔のマスターからアメリアが紙をひったくった。むすっとしながら強く握りしめるものだから、大切なはずの書面に大量の皺が寄る。
「いや、でも、おもしろいですよ! だって、お茶で占えるんですよ? こんなにぴったり占い、他にないですって!」
「まあ、ねえ。ところでそれ、誰に教わったんだ? そういう遊びが好きそうなのはレインか、意外とジェニーあたりか、それか――」
どうせアメリアが掴んでくる情報の発信源なんて、葉揺亭へ出入りする誰かに決まっている。マスターはそう思って、一人ずつ例にあげながらアメリアの顔色を探る。
ところがアメリアはマスターが皆まで言わないうちに、首と手のひらを振って否定した。
「違いますよう。教会の前でこれを配っていたんです。今日はナントカって偉い人の記念日だから、って」
「教会が? ……えーと、今は白月季の――」
マスターはこめかみを押さえながら、戸棚の隅にあるカレンダーを見やった。月日が追えるだけのもので、記念日などが記入してあるわけではないが――
「ああ、わかった。ルクノラム教典に数える第六の使徒、予言者、ジーフィルサニア=ペイルム=タクロリストの顕現日か」
「確かそんな風のぐにゃぐにゃした名前の人だったと思います」
イオニアンの神ルクノールが六番目の弟子、ジーフィルサニア。神話では、未来を見通す目を持った稀代の予言者であり、幾度となく人類存亡の危機を回避せしめた救世主だと伝えられている。全部で九人居る使徒たちの中でも一際強く尊敬される人物で、信奉者たちは一歩でも偉大なる存在に近づくべく、日々占術の研究に勤しんでいる。
ノスカリアの教会にもジーフィルサニアを特別篤く崇める信徒が居たのだろう、だから関連する記念日に占術を広める活動をした。それなら納得がいく筋書きだ。マスターは小さく頷いた。
だが、気に入らない話だとマスターは思った。別にジーフィルサニアの逸話の真偽を槍玉にあげたいわけでもないし、安っぽい占術の是非を問いたいわけでもない。そうではなくて、根本的な問題がある。マスターは小さく唸りながら腕を組む。
――アメリアに言っても仕方がないけれど。
そんな風に思いながらも、弁論好きの性がうずいて、己の考えを口に出さずに居られなかった。
「未来視と占術を一緒にするのはどうかと思うよ」
「……はあ?」
「目に見える現実から未来を予測するか、それとも未来図を現実世界に映し出すか、これは違う事象だ。ジーフィルサニアの未来視を模すと言うならば、茶葉で吉凶を判定するのではなく、紅茶の液面へ未来の像を投影しなければならない。方向性が間違っている。もちろん、魔法的技能と才能とが必要になるが」
また始まった、とアメリアは遠い目をした。どうも魔法の話になると、マスターの舌はとんでもなく滑らかに動き始める。それ自体は構わないが、聞き手の理解力を考慮しない語り口調は勘弁して欲しい。
もし魔法都市の学徒や占術の研究家などが客で居たならば、談義はすばらしく白熱しただろう。が、残念ながら葉揺亭に居たのは、至って平凡な少女が一人。難しい講義を耳にしたところで少しの興味すら湧かず、どこにも留まらないで反対側の耳から抜けていくだけだった。
アメリアは一応ポーズだけ聞いている風にしながら、占術の紙へ意識を向けていた。「誰でもできる」「とても簡単」、紙面に踊るその言葉は、ああ、なんて魅力的なんだ。それこそ魔法の言葉だ、とても簡単に特別な技を覚えて自分を成長させられるなんて。
アメリアは時折思う、自分はなんて平凡でおもしろくない人間なのだろうか、と。規格外のマスターは無視したとしても、周りの顔馴染みは誰も彼も何かしら秀でていて、尊敬に値すると思える。それに比べて自分は何の取り柄があるだろうか。マスターからも全然あてにされていないようなもの、愛玩動物と大して変わらないじゃないか。歳の近いレインやアーフェンは、どちらもしっかり自立して暮らしているというのに、自分はこのままでいいのだろうか。何か、自分らしい技能を身に着けたい。
――だから葉揺亭の占い茶師、ってなれたらかっこいいじゃないですか。
アメリアが自分の中でぐるぐると考えていると、ようやくマスターの聞き手不在の講演が終わりを迎えた。
「――それで? 君のカップは一体なんと言っているんだい?」
あれっ、とアメリアは目を見開いた。てっきり紅茶占いを否定したと思ったのに、マスターは食いついている。
「どうしちゃったんですか?」
つい訝しみがアメリアの口をついた。マスターも似たようにきょとんとして、一呼吸置いた。
「いや、だって僕は別に占術を否定していないから。……話を聞いてなかったな?」
「えへへ……」
「どんな占いの方式も、未来を視る本物の術式として成長する可能性はある。子供の遊びでも究めれば、それか天賦の才があれば、その眼には将来の姿が映るかもしれないよ」
マスターは不敵な笑みを見せた。そして、目を細めて冗談めかす。
「さあ、アメリア。君には予言者の才能があるのかな?」
これは挑戦だ。アメリアはそう受け取った。願ったり叶ったりの機会でもある、葉揺亭の占い茶師としてマスターを感服させるのだ。
アメリアはすまし顔で、自信満々に言い張った。
「じゃあ、マスターに認めてもらって、紅茶占い始めちゃいますよ?」
「言うねえ、凄腕占い師のアメリアさん?」
主は大げさに肩を揺らして見せた。
気を引き締めて、アメリアはティーカップと向きあった。注がれていたお茶はすっかり冷めてしまっており、茶葉を濾していないから黒く濃くなっている。
アメリアは茶を一息に飲み干す。もちろん茶葉は吸い込まないようにしながら。深い香りが嗅覚を刺激するが、それ以上に、渋が舌に障った。使ったのはマスターが『シェール』と呼ぶ細かく砕かれた茶葉を使ったのが失敗だったか、気をつけても時々茶葉が舌をなでてざわざわする。
味わう紅茶としては完全に失敗作であったが、今回の目的はそこではない。本命はカップに残った茶葉である。
空になったカップを見れば、細かい葉が集団のように寄り集まってできた模様が、底に壁にと浮かんでいた。なるほど、これが何に見えるかを照らし合わせればいいのだ。
ああ、本当にとても簡単だ。後は表に書いてあることを読みあげれば占い成立なのだから。アメリアは内心で勝利の笑顔を浮かべた。
ところが――。
「ええと……これは十字? でも、四つ葉にも見えるし……ううん、ただの四角かも。四角なら『不幸』で四つ葉なら『幸運』? ええ、どっちが正しいの……」
照らし合わせるだけ、それが思っているほど簡単ではなかった。茶葉が描く形はひどく曖昧で、思いつくものすべてに一致して見える。
さらに悪いことに、アメリアは細かく刻んだ茶葉を選択してしまった。大きな葉っぱは葉っぱでしかない、より細かい物の方が、色々な図形として現れてくるだろうと思って。それは正しかったのだが、思った以上の効果となり過ぎて、数え切れないほどの象形を出現させてしまった。
アメリアは白いカップと黙ってにらめっこする。刻一刻と時は過ぎていく中、難しい顔をしたまま微動だにしないでいる。凍りついた、いや、頭から沸騰したポットのように湯気が昇るのが見えるようだ。
マスターは笑いを噛み殺していた。こうなると予想はしていた、占術なんて使わなくてもアメリアのやる事なす事、手に取るように予知できる。
「どうしたアメリア、お手上げかい?」
「だって! こんな見本のように綺麗に出てこないですもの! いえ、でも、もうちょっとすれば――」
「貸してごらん」
背後から手を伸ばして、アメリアの手の中のカップを取り上げた。ああっと少女の落胆の声が漏れる。
「だめです、返してマスター! もう少しでできますから、きっと!」
胸の前で両手を握りアメリアは言い張る。が、マスターは肩をすくめて聞き流した。
この手合いの事はアメリアには無理だ、とマスターは判断していた。アメリアは素直過ぎるのだ。素直過ぎて、書面通りの型そのまま、ぴったり綺麗に当てはまるものしか認めようとしまい。お手本と同じ答えがどこかにある、そんな考えに囚われていては未来なんて見えやしない。
とは言え、一度火がついたら収まらないのもアメリアである。だからマスターは指を立てて妥協点を提示した。茶葉から形を読み取るのはマスターの目でやり、それがどんな未来を意味しているのか、すなわち結果の解釈はアメリアが行う、と。最初はまだ諦めきれないようだったが「最後に未来を映すのは君の眼にかかっているんだから」などと言いくるめて、なんとかアメリアの首を縦に振らせた。
そして打って変わって今度はマスターが、真剣に目を細めてカップと向き合った。
「……花が咲いているな。全部で三つだ。それに近くに四つ葉がある。取っ手の辺りには冠スズメが跳ねているね」
「ちょ、ちょっと待ってください。えっと、花は『嬉しいこと』でそれが三回。そのあと四つ葉だから『幸福』で、冠スズメ……スズメなんて無い!?」
「ほら、次へ行くよ。今度は風が吹いていて、底に居るのは、おやおや、こりゃ飛竜だ!」
からからとマスターは無邪気に笑った。
一方、アメリアは必死だった。目を何往復もさせて、マスターが言ったものを探す。冠スズメは載ってないが、この際百歩譲って小鳥でいいだろう。しかし、次の風ってなんだ。冊子には無いし、だいたい風なんて形があるものではない、マスターの勘違いじゃないのか。
紙面に目を右往左往させて大慌てのアメリアを横目に、マスターはのんびりとした口調で尋ねた。
「それで? 君の解釈はどうなったの?」
「ええと、その……風の形なんてわからないし、飛竜だって載ってないです。でもトカゲならあります、『困難から辛くも逃れる』だそうです」
「竜とトカゲは全然違うよ。飛竜ならなおさら」
「そんなこと言われたって、知らないですよう! 竜なんて見たことないですし! 絵本ではトカゲです!」
アメリアは完全にお手上げだった。自分で見るか、マスターがまくしたてるのを聞くか、どちらにしたって問題の本質は同じだ。
アメリアは糸が切れたようにぷうっと息を吐き、悔し紛れにマスターへ言い放った。
「もうっ、マスターは自由過ぎるんです!」
「そんなこと言われても。自由に想像力を働かせないと、こんな物ただの茶殻でしかないだろう」
身も蓋も無いことを言ってしまった。アメリアは占いの指南書を握りつつ眉間に皺を寄せた。が、悲しいかな、マスターの言うことには同意せざるを得ない。ただの茶色いかすにしか見えなかったのだから。
マスターは小さく笑い声をこぼすと、アメリアへ向き直った。
「じゃあ、そのカップに映った答えを言おう。『花や小鳥のように可愛らしく幸福だった少女は、大人になって竜のように雄大に世界に羽ばたきます』だってさ。よかったね、アメリア。君の未来は順風満帆だよ」
「はい! ……いえ、待ってください。そんなの、マスターが勝手に考えたことじゃないですか。占いでもなんでもないですよ」
「いいや、アメリア。占術ってものは人それぞれの解釈を発露させていいんだよ。それが正解なのか不正解なのかも、実際に未来へ到達してからじゃないとわからないのだし」
と言われても、アメリアは納得できなかった。自分勝手に考えたことを言っていいのなら、もうなんでもありになってしまう。だったら手にある指南書は一体なんだと言うのか、こんなもの必要ない。
それともマスターは、本当は占術を否定したいのだろうか。そうやって、やる気をなくさせる魂胆じゃあないか。アメリアは訝しんでマスターを睨んだ。
ところがマスターは「僕も見てみようかな」などとうそぶき、アメリアが使ったポットの残りへ湯を継ぎ足し、新しいカップへ注ぎ始めた。どちらかと言うとうきうきとしていて、嫌味でやっている風ではない。
「……もうどうでもいいです」
アメリアはとうとう持っていた占い紙きれを放りだした。それは作業台の上を滑って、ひらりとマスターの隣へ舞い落ちた。
そしてアメリアは上機嫌の亭主に背を向け、別のティーポットを棚から取り出した。ピンク色で花柄の装飾が施された、アメリアお気に入りのポットである。今度は難しいことなんて無しに、気分転換のお茶を一杯淹れよう。
さて、どの紅茶にしようか。アメリアは並ぶ紅茶缶を見定めていた。前は違いがまったく分からなかったけれど、最近は少しわかるようになって来た。せっかくだから気持ちをより華やかにするために、甘い香りの花か果物の材料もたっぷり混ぜてみようか。それだったら一番合う紅茶は――よし、決めた。
そしてアメリアが紅茶缶へ手を伸ばしたと同時に、ずっと背中を向けて占いに勤しんでいたマスターから声がかかった。
「ああそうだ、アメリア。実はね、僕には本当に未来が見えるんだよ。占いなんかじゃなくて、確かな未来を見て取る方だ」
「はいぃィ!?」
すっとんきょうな少女の声が葉揺亭を揺るがした。それでも亭主は一切振り向こうとせず、淡々と言葉を続けた。
「だから知っているんだ。君はこれから『アセム』にバニラを混ぜて紅茶を淹れるだろう。僕が見ていないからって、貴重なバニラの実をたっぷり使う。だけど完成したら香りが強すぎて飲めたものじゃなくなる。しょうがないからミルクで割って――あっ、缶を戻したな! 未来は既に決まっていたのに、これじゃ運命が狂っておかしなことになるぞ?」
アメリアは一度持ち上げた「アセム」の缶を定位置に置いた格好のまま、青ざめて凍りついていた。今でもマスターはこちらを一切見ていない。なのに、どうして戻したのがわかったのだ。……いや、問題はそこではない。マスターが言った通りの物を作ろうとしていたのだ。甘いバニラを使ったミルクティ。まさかマスターは本当に――。
「……本当に、未来が見えるんですか」
「ごめんごめん、冗談だよ」
ようやく振り向いたマスターは、悪戯っぽい笑みを浮かべて手を合わせた。
アメリアの怒号と安堵の入り混じった叫び声が葉揺亭の狭い空間に響き渡った。空気を吐き出したまま脱力し、アメリアはその場でしゃがみこんだ。
「ぞわっとしましたよ、やめてください! だって、本当にバニラを使うつもりでしたもの。なんでわかったんですか、見てないのに」
「それは未来が見えるから、と言うのは大げさだけど、簡単に予測できることさ。君はミルクティが好き、ミルクティなら『アセム』の茶葉が合うことは、最近よく勉強している君ならわかっている。そしてもう少し工夫がしたくなって、ミルクに合いそうな香りをつけるためにバニラを選ぶ。他のものじゃなくてバニラにする理由は、君が自分では一度も使ったことがない物であり、僕が一際大事に使っている物だと知っているから。だけど――」
「もう、もういいです。……違う意味でぞっとしますから」
アメリアはなんとなくマスターから顔を背けた。この人は未来が見えるのではなくて、心が読めるのではないだろうか。そう思わせるほどに、自分のことをよく見て居る。やりすぎなくらいに。愛情を注いでくれるのは嬉しいが、ちょっと行き過ぎていて、率直に言うなら気持ちが悪い。
お見通しにされているのはおもしろくない、と思いながらも、アメリアは結局マスターが読んだ通りの未来を選んだ。気を取り直して、温めたティーポットにアセムの茶葉とバニラの種を混ぜて入れる。ただしバニラの量は、最初に思っていたよりずっと少なく。マスターに適量を確認しなかったのは、ちょっとした反抗心だ。
ポットの中の未来がどうなるかは、砂時計の砂が落ち切るまではわからない。マスターの言う通り飲めたものじゃないかもしれないし、あるいは、未来は変わってちょうどよい香りの幸せな展開になるかもしれない。わざわざ占おうなんて思わず、ただじっと待つだけ。
待つ中で、アメリアは思いついたように呟いた。
「だけど、一つだけ私にも未来が見えましたよ」
「へえ、どんな風に?」
「私が占い師になるのは絶対にあり得ないってことです」
「ははっ。そうか、残念だ。占い茶師だなんて、型破りな発想でおもしろいと思ったんだけど。本当にいいの?」
「私には無理ですもの。何か他の道を考えます」
本当の未来にあるべき自分の姿はどんなものなのか。自分は将来どんな風になるのか。カップには最後まで映らなかったそれを、アメリアは自分の頭の中で自由に想像し思いをはせた。占いに頼らなくたって、思い描くような幸せな未来が待っていると信じて。
葉揺亭 本日のメニュー
「シェール」
大海に浮かぶシェール島で生産される紅茶。
葉揺亭では細かく刻まれたタイプを扱っている。抽出が早く終わるため、さっと淹れてさっと飲みたい時に向く。
典型的な紅茶色である濃い褐色の水色で、深くコクのある味わいは万人受けしやすい。
「バニラ・ミルクティ」
甘ったるいお菓子のような香りが漂うお茶。
ただしバニラは香料に過ぎず、そのまま飲んでも濃いお茶の味しかしない。
蒸らし終わった後にミルクと砂糖を加えて頂こう。




