『彼女に一目惚れした。』と入力
彼女に一目惚れした。彼女はいつも本を読んでいる。
今までは邪魔しないように眺めるだけだったが、勇気をだして話しかけることにした。
俺は彼女の隣に座って話しかけた。
アルカイト:『こんにちは』
エリー:『えっ……?』
アルカイト:『君がいつも読んでる本が気になってね』
エリー:『わたくしが読んでいる本に興味があるんですか?』
エリーの表情が明るくなった。どうやら少し嬉しかったらしい。
エリー:『この本です!』
そう言って俺に見せてきた本の表紙には、天使の絵が描かれている。
アルカイト:『君は天使が好きなのか?』
エリー:『はい!大好きです!!』
満面の笑みで答える彼女を見てドキッとした。こんな笑顔を見たことがないからだ。
そして、その日から彼女と話すようになった。
毎日のように話しているうちにお互い惹かれ合い、付き合い始めた。
それから1ヶ月ほど経った頃、彼女は突然倒れた。
急いで医者を呼んだところ、原因は不明だった。
ただ一つ言えることは、彼女がこのままだと長く生きられないということだけ……。
俺は毎日見舞いに行った。
しかし、日に日に弱っていく彼女を見ていることしか出来なかった。
そんなある日のこと、彼女は唐突に言った。
エリー:『アルカイト様……私、もう長くはないみたいですね……』
悲しげな顔をしながら呟く彼女を見ていると、涙が出そうになった。
アルカイト:『そんなことはない!!きっと助かるはずだ!!』
エリー:『ありがとうございます。でも、この病気になってから分かったことがあるのです』
彼女は俺の手を握って続けた。
エリー:『私はアルカイト様に恋をしていたんだってことが分かりました』
アルカイト:『俺も同じ気持ちだよ』
エリー:『ふふっ。良かったです。これで安心できます』
彼女は涙を流しながら微笑んでいた。
アルカイト:『俺と結婚してくれないか?絶対に幸せにするから……』
エリー:『嬉しいですけど、それは出来ません……』
アルカイト:『どうして!?』
エリー:『だって、貴方はこれから結婚する相手がいるじゃないですか……』
確かにそうだ。だが、まだ婚約者はいない。
エリー:『それに、私が居なくなった後、一人になってしまうではありませんか……』
アルカイト:『それなら大丈夫だ。君の両親も了承してくれている』
エリー:『それでもダメなんです……』
彼女は泣きそうな声で言ってきた。
アルカイト:『お願いだ……一緒に生きて欲しいんだ……』
エリー:『ごめんなさい……』
その後、彼女は静かに息を引き取った。
俺は悲しみに打ちひしがれていた。
すると、いつの間にか周りにいた人が声をかけてくれた。
俺は心配させないように無理矢理笑って答えた。
エリーの葬儀の後、俺は屋敷にある図書室に向かった。
エリーが愛していた本を返すためだ。
本棚を見ると、一番端っこに天使の絵本があった。
エリーはこの本が大好きだと言っていたなと思い出し、懐かしくなった。
その時、後ろから足音が聞こえた。振り向くとそこにはエリーがいた。
思わず泣いてしまった。何故なら、死んだはずの彼女が目の前にいるからだ。
エリー:『アルカイト様……』
アルカイト:『エリー!!』
抱き締めようとした瞬間、エリーの姿は消えてしまった。ただ、彼女の温もりだけが残っていた。
俺は彼女のいた場所を暫く見つめていた。




