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黄昏のミリアム  作者: 雅流
幽霊の館
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ホーンテッドマンション-3

腕から痣が消えたのを確認すると大男たちは蜘蛛の子を散らすように逃げていった


「ミコ、英語がうまいんだね?」


「何を話しているのかわかったの?」


「英語はわからないよ、でもミコが英語がうまいんだってことはわかった」


「ねえミコ、あいつらになんて言ったの? すっごい怯えてたけど?」


「エクソシストみたいに首が一回転して死んじゃうぞって言ったのよ」


「エクソシストってなに? 」


「エクソシストっていうのは悪魔祓い師のこと、そういう映画があって、その映画では悪魔に取りつかれた人の首がぐるって一回転しちゃうの」

「へえぇ、面白そうな映画だね、僕も見てみたい」


「R15指定だから、あなたには無理ね」


「大丈夫だよ、ネットならR15だろうとセックス動画だろうと誰でも見られるもの」


「あんた、そんなの見てるの?」


「どうして? 誰だって見てるよ」


「子供はセックス動画なんて見ちゃだめよ」


「どうして? 子供を作るために、どんな夫婦だってセックスはしてるんでしょ」


「僕は小さいときに両親が死んじゃったから、実際にしているところは見たことないけど」


「誰でもしてることなのにどうして見ちゃいけないんだろう?」


黒髪の女は初めて少年の顔を覗き込むようにした


「本気でいってるんじゃないわよね? 」


「ばれたか」


「ばれたかじゃないわよ、大人をからかうんじゃないわよ」


「そういう子には天罰がくだるわよ」


少年はぎょっとした表情をうかべた


「うそ? こんなことくらいで天罰なんてくだらないよね?」


「ねえ、冗談でしょ? 本当に天罰がくだるわけじゃないよね」


黒髪の女はいたずらな笑みを浮かべて答えた


「さあ、どうかしらね」


少年は不安そうな顔をしながら小さく舌打ちした


「それはそうと、あれはまずいわね」


女は首を掻き切って倒れている男を指さした


「リョウタ、あれはやりすぎよ、どんなに悪い奴でも命は大切なの」


「どうしていけないの? 他の奴らは脅すつもりだけだったみたいだけど、あいつは本当に僕たちを殺す気だったよ」


「そうね。 でも人の命は大切なの、あんな奴の命でもね」


「だけど、あいつはたぶん今までにも何人も殺しているし生きていたら、これからもまだ何人もの人を殺すかもしれない」


「人の命が大切なものなら、あいつが死んだほうが人の命のためにはいいじゃないか」


「そうね、そうかもしれない、でもねリョウタ、それを決めるのはあなたじゃない」


「それを決められるのは神様だけ」


「だから、少なくとも私と一緒にいるときにはもう勝手に他人を殺さないで」


「わかったよミコ」


「わかればいいわ、珍しく聞き分けがいいのね」


「僕には天罰はくだらないよね?」


「まあ! それが怖かっただけなのね」


「でも今日のことではあなたに天罰はくだらないわ」


少年は心の底からほっとした表情を浮かべた


「でもこれから先はわからないわよ、いいわね人は殺さない」


「わかった人は殺さない」


「まあ、あれはどう見ても自殺だからね、仕方ないわあのままにしておきましょう」


今度は少年は心のこもった顔で嬉しそうに頷いた





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