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黄昏のミリアム  作者: 雅流
イージスショア
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イージスアショア2

三池沙耶は穏やかに説明し続けた


「現在、すでに導入されているイージス艦のSPY6はレイセオン社製ですから、ロッキード社製のSSRとはシステム互換性がありません」


「なので導入されれば二つのシステムを並行で稼働することになり、運用費用も倍になります」


「SSR導入にかかわるコストは全体では1兆円をこえるでしょう」


「防衛省はそんな無駄な金をかけるならSPY6を複数台追加してくれと言っているのに首相官邸により強引にSSR配備ありきで進められています」


「ところで一番基本的なことですが、多くの国民がイージスアショアは北朝鮮のミサイル攻撃から日本を守るためのシステムだと思っています」



「それはそうでしょう、北朝鮮くらいしかミサイル攻撃なんてしてきそうな国はありませんからね、違うんですか?」


「そうですね、それでは言い方を変えましょうか北朝鮮がミサイル攻撃をしてくるとして、イージスアショアで守るべき最重要な場所はどこだと思いますか?」


「それはまあ東京じゃないですかね」


「普通はそうですよね」


「ところで、ミサイル迎撃システムの精度を高めるための一番の方法は正面から迎撃することです」


「簡単に言うと発射地点と目標地点を結ぶ直線上のどこかに配備して運用するのが良いということです」


「北朝鮮から東京にミサイルが飛来すると想定した場合は、そうですね、配備するなら能登あたりでしょうか」


「なるほど、それなのに何故、秋田なんでしょう? 能登だと住民問題とかで厳しいのですかね?」


「住民問題で厳しいのはどこでも同じですよ」


「能登ではなくて秋田が配備候補。というかそもそも秋田ありきで進んでいるのには理由があります」


「どうして秋田なんだろう??? 随分と見当はずれの地域に配備しようとしているということですよね」


「それはイーシズアショアの目的は日本をミサイル攻撃から守るためではなくて、ハワイの太平洋艦隊を守るためだからです」


「仮想敵国である中国、北朝鮮からハワイに向けてICBMが発射された場合は秋田上空を通ることになりますから」


「つまりイージスアショアはハワイを守るために、東京を守るためにはその能力が著しく低下してしまう秋田に配備されるということですか?」


「それって大問題じゃないですか? というか国民は防衛のための費用だと思っているのに詐欺としか言いようがない」


「それで三池さんたちは反対運動をされているのですね?」


「そうですね、それも少しはあります」


「でも私たちは政治団体ではないのでハワイを守るために日本がお金を出すべきかどうかというようなことを議論しようとは思っていません」


「相手の立場で考えてみましょう、北朝鮮がハワイや米国を攻撃しようと思ったときに、迎撃システムが秋田にあるのは都合が悪いですよね」


「本気でやるなら、普通はまず最初に秋田のイージスアショアを潰してからICBMを発射することを考えるでしょう」


「それに核兵器は最後の手段だとしても、戦争になれば通常兵器での戦いでも、最後の手段のためにまず潰しておきたい設備になるでしょうね」


「つまりイージスアショアを配備することで秋田は攻撃目標になってしまうということですか?」


「楽名と内田の考えではそうです。二人は秋田にSSRが配備されれば必ず秋田が将来に戦火に見舞われると考えています」


「巫女の預言ですか?」


「あら、さすがわ記者さんですね、ご存じなのですね」


「そういうことですね、なので私も楽名や内田と同じで、このままいけば秋田が必ず禍にみまわれると知っています」


「それでは真理の会の皆さんはイージスの秋田配備が撤回されるまで反対運動を続けられるつもりなのですね」


「そうですね、でも秋田配備は撤回されますよ、私たちはどんな手段を使ってもやめさせるつもりですし」


「なんだか三池さんには似合わない不穏当な発言ですね?」


「いえ、私たちは法に触れるようなことは一切しませんし、暴力的なことも決してしません」


「でもこの計画は神のご意志に反していますから、きっと撤回されると思っています」



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