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黄昏のミリアム  作者: 雅流
イージスショア
13/33

秋田青風出版

「瑠美が公安に拘留されたって?」


「拘留じゃないよ、任意同行だ」


「しかしなんだって」


「待てよ?」


編集室にとびこんできた岩田は副編の幸田の返事をきいて左手で額をつかむようにして考え込んだ


これは岩田が何か思いついた時の癖だった


「これって、あのイージスアショアの記事、久々の大当たりなんじゃないか?」


秋田青風出版の青風通信は不定期出版のコジップ雑誌だ


岩田圭吾と篠原瑠美はその青風通信の取材から印刷発注まで全てを任されている


「なんで瑠美が公安にひっぱられると大当たりなんだ?」


幸田はつまらなそうに訊いた


岩田は人差指をたてて横にふり、わかってないなという素振りをする


「つまり俺たちのあの記事が公安が慌てるほど、いい線の記事だったってことだろ」


幸田は読んでいる雑誌から顔もあげずに答えた


「ただのヨタ記事だろ、首相の側近とロッキードが癒着していてSSRの導入が決まったとか」



「ただのヨタ記事じゃないぜ、ニュースソースはあかせないけどな」


「ニュースソースも何もあるかよ、そんな国家機密級のことがお前なんかの耳にはいるわけもないだろうが」



篠原瑠美は夜遅くになって、やっと出版社にもどってきた


「私たちの記事のことじゃないよ、訊かれたのは「真理の会」のことばっかり」


「なんだかしらないけど「真理の会」の連中を探してるみたいだね」


「ほらみろ、やっぱり俺の勘のとおりだ。 イージスアショアの癒着の件だよ」


「ニュースソースは「真理の会」だからな」


幸田の声が響いた


「ニュースソースはあかせないんじゃなかったのか?」


「逮捕されたんじゃないなら、ヨタ話はいいから次の記事の企画でも考えてくれ」






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