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黄昏のミリアム  作者: 雅流
市長
10/33

市長2

弾丸のように早口で喋ることで有名になった司会者はそろそろ話をまとめにかかった


「内田市長ありがとうございました」


「市長の地方創生は地方の自立を即すことからという主張は面白いと思われた視聴者も多いのではないでしょうか」


「白石市は人口3万3千人でしたが、ここ2年で4万1千人まで増加しました」


「これは東北でも白石市だけではないかと思います」


「それは主に孤児や障碍者の方の増加、ボランティアの方、社会福祉関連の方々の増加によるものです」


「白石市の市民一人一人の善意がそれらを支えています」


「私はそれだけではなくて経済的にも自立した地方自治を基盤に善意を広げていきたいと考えています」




昨日のあれ見たか?


あの特区についての討論会?


ああ、巫女さんの圧勝だったな


芸能人顔負けのクールビューテイーだろ、放送作家とか元政治家秘書とかじゃ画面に出てきた瞬間に悪役側って感じだもんな


内田市長、テレビとか雑誌とかマスコミに出まくりだもんな、世論的には「なんでやらせてやらないんだ」的な大合唱だよ


だけど特区はなあ、無理じゃないのさすがに




日曜の朝の番組見た?


ああ見た見た。


あれひどかったなあ、民自党の議員、とにかく論点はぐらかすのに必死で、市長の質問にも何一つまともに答えないし。


市長のほうは主張がはっきりしているもんなあ


なんていうか見ているだけで「ああこの人は国会議員みたいなつまらない私欲でやってるんじゃなくて、真底理想を求めてるんだ」って伝わってくるんだよね




社会現象でしょ、もう特区認めないわけにいかないんじゃない?


これで認めないと現政権の支持率にも影響大きそうになってきちゃったよね


ニュース21で民自党一番の論客の岸本とやるらしい、岸本議員それに向けて役人連中集めて一週間も猛特訓してたって噂だぜ 笑




ニュース21の討論は今までにない互角のやり取りになった

岸本も国家の枠組みの話から一歩もひかずに特区の弊害について論じたのだった


討論は平行線であったが、いつもの空回りした空虚な議論ではなくてお互いがその主張をぶつけた白熱した中身の濃いものとなった


番組の終了間際


内田が岸本に何か言おうとして、思い直して口をつぐんだ雰囲気が流れた


「内田さん、最後に何か言おうとしてやめませんでしたか?」


「いえ、特区の討論には関係ないことですので」


「いえ構いませんよ言ってください、ここまで腹をわって話しあって」


「最後にそれじゃあ寝覚めが悪い」


「本当になんでもないのです、失礼いたしました」


「司会者、しめないで。ちょっと聞かずには終われないな」


「内田さん、テレビの向こう側の国民もこれじゃあ気になって落ち着きませんよ」


内田市長はまっすぐに岸田を見つめた


「岸田さん、あなたは本当は特区やらせてみてもいいのではないかと考えていますよね?」


「本当の気持ちを抑えずに話されたほうがいいと思います。。。」


「心外だな私は本心で話していますよ、それにその言い方、だったらなんだというのです」


「本心で話されないと良くないことを招くものです」


「これは驚いたな、預言ってやつですか?」


「ここまで話してきて最後にそんな脅迫のようなことを言うなんて」


「本当にがっかりだ、そんな人だとは思いませんでしたよ」


「いいえ脅迫ではありません、何というか、ただ岸田さんがとても心配なだけです」



これを境に世論はすっかり流れが変わった。


もともとゴシップ誌などでは内田市長は預言者であり天罰を操るなどというオカルトめいた記事が扇動的に書かれていたりしたのだ


対談での発言はその火種に燃料を放り込んだようなものだった


SNSやマスコミには連日、内田市長を非難する声があふれていた




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