第一話 プロローグ
おっさんだ。
猛烈に悪意を感じる笑みを浮かべながら俺に刃物を突き刺すおっさんの顔が目の前にある。
「暇だ」
高校2年の夏休みが3日も過ぎた。
怜士は家のベッドでゴロゴロしながら携帯を眺めていた。
「そういえば飯がないな、こんな事ならアイツの誘いに乗ればよかった」
怜士は友達の誘いに乗らなかったことに今更ながら後悔している。
「散歩がてらコンビニに飯でも買いに行くか」
歩いて10分の距離にあるコンビニへ向かった。
ジメジメとした日本特有の暑さを感じながらコンビニへと足を運ぶ。
「キャーーーっ!!」
目的地にもう後、数分のところで、今までに聞いた事もない叫び声が聞こえてきた。
「ん?なんだ?」
叫び声の方に目をやると錯乱したおっさんが、キラリと光る包丁を振り回していた。
「逃げろぉぉ!」
「イヤァァァアっ!」
先ほどまで笑顔で歩いていたカップルや家族連れが一目散に逃げている。
「クソ共がぁぁっ!ぜんいんしねぇえぇぇ!」
男は目が血走り、唾を撒き散らしながら包丁を振り回しながら獲物を狙うかの様な目で逃げ惑う人を追いかけようとしている。
「おい!お前!早く逃げろっ!!」
その男の2メートルほど先に恐怖のせいか尻餅をついて動けないでいる女子中学生くらいの女の子がいた。
通り魔はその子をターゲットにしたのか、包丁を振り上げながらゆっくりと近づいて行く。
「くそっ!間に合え!」
怜士は考える間も無く体が勝手に動いていた。
その通り魔におそらく人生17年の中で1番のタックルをお見舞いしてやったのだ。
「オラァァァッ!」
ドンッ!「ぐぁっ」
通り魔は吹き飛ばされた衝撃で包丁を手放したので
それを見た周囲の男達に取り押さえられていた。
倒れ込んだ怜士は腹部から生暖かい感触が伝わってきたのに気づき「アドレナリンのお陰か、全然痛くねぇ」と冷静に分析してみせた。
そこに助けた女の子が駆け寄ってきた。
「だ、大丈夫ですかっ!い、いま救急車を呼びますっ!」
「無事で良かったな」
「ほ、ほんとに助けてくれてありがとうございますっ!目を瞑ったらダメですよ!起きてください!しっかりしてくださいっ!!」
女の子は涙を浮かべお礼を言いながら、
怜士のお腹からドクドクと流れる血をタオルで押さえてくれている。
7月の星空を眺め、全身が凍える様な寒さに違和感を覚えながらゆっくりと瞼を閉じた。
「寝るわ。おやすみ。」
そんな一言で怜士は静かに意識を手放した。
初執筆なので至らないところだらけだと思います。




