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人生二回目! ――氷煙の騎士と火焔の神子――  作者: みゃ~うち?/宮内桂
4/13

(4)――レイク・ハリスンの実力/実務編(上)トマスもとい●●騎士爆誕前夜――

当初は、ライトファンタジー世界的な世界で刑事ものってつもりだったのに、何でこうなったのだろうかと、ふと思い。

 数日が過ぎて……。休暇となる。レイク・ハリスンは雨の中、とある場所に来ていた。その手には手向けの花束。

 廃村。

 飛脚便の超特急、そんなサービスを使うと四半刻しはんとき――三十分もかからず、こんなに離れた地にたどり着ける。

 ワイバーン・ライダーの腕は伊達では無く。どんな場所でもどんな荷物でも届ける。飛脚便超絶特別急行のいさおしは、実績によって維持される。

 一応リーヴスのペガサス州の管轄ではある。その最西端の、この村。

 ほんの5年前、魔獣惑大暴走(メガ・スタンピード)によって、滅びた村の一つである。


 幸いには大半は生き残り。しかし、村としての大切な機能を失ったという理由で、廃棄され今に至る。

 縁もゆかりも薄けれど。

 少年騎士は、廃村の教会あとに造られた、数基の新しい墓の前に居た。

 定期的な手入れがされているらしく、墓標の表面も雨に濡れててかてかと輝く。

 もうすぐ止むかな?

 そう問いたげに、レイクが天を見やると雨脚も弱まり。雲の切れ目から日の光がのぞいている。

 雨合羽を着て、わずらわしいだろうに。そんなことを欠片も感じさせずに。少年は数年前に出来た墓を掃除し、花を手向けて回る。

 そんな様子を、ずっと見られていた。それを認識しつつも、まずお墓の手入れが最優先。そう考えている為に。黙々と作業を進める。

 レイクから声をかけなかったのは、誰だか予測がついていたからで。

 また、見ていたことを言わないで、休暇明けに今まで通り三人で、職務を果たすのならば。レイク的には、それもそれで良かったのだし。

「サー・レイク、ありがとうございます」

 陰で見ていた者、この村の出身のエミリオ・レッドが、たまらず声をかけた。苛立ちとか焦りとか。そんな色が垣間見える口調。

「僕の自己満足ですよ」

 レイクは静かに答えを返す。エミリオが接触してくる可能性も考えた。却って心の傷を刺激してしまうかもとも。

 でも。隠し事が出来なさそうに見えたこの人に対して、レイクが感じたままを伝える機会を欲していたとも思う。それも邪魔の入らない形で。

「何の縁もゆかりもない貴方が、ここの墓参りをしてくださったのは何故ですか?」

 やや詰問口調なのも分かる。警戒されているのだろう。それも予想していた。では何故と改めて問われ……それが「何故か」そうした方が良いからだと思えた。

 その欲求に従っていただけに過ぎないことに、レイク・ハリスンは驚いた。

 でも表情には一切出さない。そうする事は目の前の赤毛の人をひどく傷つけてしまいそう。それはしたくない。人は表情を見て、曲解することが有る。

 しばらくの沈黙ののち、あえて心の内を正直に話してみようと思った。貴方を傷つける意図はない。その思いが伝わりますようにと、信じて。

「そうする事が当然……と思えたからでしょうか」

「……意味が分かりません。そんな理由で」

「僕はチェンジリングです」

 取り換えっチェンジリングという、前世持ちの蔑称を、わざわざレイクが用いる。

 ちゃんと伝わるかどうかは分からないが、「何故騎士になったのか」を話すのに、綺麗事を言わないという、無意識の意思表示だったのかもしれない。

 騎士になった理由を話す。それが理由の根幹だと分かっていたから。

「自動車……じゃ分かりませんよね。大きい馬車の様なモノに、引かれて死にました。まだ三歳だった従妹を守るのが精一杯で」

「…………」

「僕のこの世の相棒の騎士は、前世(まえ)の人生でたまたま同じ職場での先輩でした。親友でした。その先輩は僕の祖母を守り、悪漢に刺されて死にました。

僕が死ぬおよそ一年くらい前の出来事です」

「……サー・オーガスト・スミス・ライン」

「やはりご存知でしたか。そうです、彼です」

「……サー・オーガストの前の死因までは知りません。いや、ギフテッドは前の死因を、よほどの相手でないと明かしません。調べようが無い。なぜボクに?」

「彼にも僕にも、それは別に大事なものでは無いからです。大事なものは、この世界の平穏。せめて自分の手の届く世界の平穏。

だから僕は騎士を目指したんですし、彼も同じく目指した。

 前世で僕が死ぬ直前従妹が、大泣きしていた声が、僕の耳から離れない。奇しくも僕の祖母を救った親友を、失った悲しみが忘れられない。

 そうですね、自己満足。手に届かなったものが、結果がどうなるかを、改めて知る為に。そうならない為の、誓いをするために。お墓参りさせて頂いたのだ、と思います」

「…………」

 エミリオ・レッドは、立ち尽くしたまま動かない。

「貴方の目的が何かは分かりませんが。人を傷つけ、おとしめる類で無ければ、お手伝いしたいと思ってますよ。無理強いではなく、僕の自己満足。

せめて目の前のものを全て救いたい。傲慢なのは自覚してますが、これが僕の欲望なので」

「…………」

「風邪を引きませんように。明後日また任務でお会いしましょう。それと明後日からの勤務は夜間シフトなので、十分に睡眠をとらないとキツイです」

 ここはエミリオ・レッドの神聖な地だ。見とがめられた以上部外者はそうそうに立ち去ろうと、レイクは思う。

 少し歩くと広場が見えてきた。大きな木の真下に雨宿りする大きな飛龍ワイバーンが二体。御者の人も二人。

「レイクの旦那? もうお済で?」

「はい。僕は終わりました。エミリオくんはもう少しかかると思います」

 レイクは目も耳も良いが、トマスほどでは無い。ただ雨の中であっても、目立つワイバーンの来訪を見逃すはずも無く。それが、エミリオが居たことを看破したことのカラクリだ。

「えー、けっこう冷えてきたのに」

「つーか、お前はまだ来たところだろうに。俺はもう半刻はんときは居たんだってーの」

 同じ会社の先輩後輩御者さんたちのやり取りを、見つつ。

 レイク・ハリスンは日常をぼんやりとみるのが好きだったから。日常の平穏は得難く、もろく。でも綺麗できらきらしたものだからと。

アリガトウネ。

「えっ?」

 驚いてレイクは振り向く。誰もいない。

「どうしたんですかい、レイクの旦那?」

「……何でもないです。すぐ行きます」

 この村には、レイクとエミリオに、各々高い料金払って来てもらったワイバーンの御者が、二人居るのみで。合計四人以外居ないはずだけど。

 もう一人小さな男の子の声が聞こえた気がした。 

                               ◆◆◆

 墓参りから数日たち。深夜巡回勤務も四日目となる。最終日。

 従騎士と小姓の二人組。小姓のみの三人組。従騎士一人に小姓二人の三人組などなど。様々な資格持ちが組をつくり、必ずその組で街中を視てまわる。

 ちょっとしたトラブルやら、いさかいは日常茶飯事であるけれど。

 大きい事件は滅多と有るわけ無く。ただひたすら日常業務をこなすこととなる。

(例の墓参りの翌日から勤務態度はいつも通り。やや大げさな言動は目立ちがちだけど……日常の退屈な業務も黙々とこなすし)

 図らずも、指導役としての立ち位置を、得ることになったしまったレイク・ハリスン。

 指導相手のエミリオ・レッドへの評価は、かなり高い。

(たぶんこの人の目的はかたき討ち。でも本来魔獣惑乱大暴走は自然現象。首謀者なんていないはず。けれど、あえて仇が居ると確信しているならば。

オーガストくんとは違う観点で。もしくは同じ観点でナニカを掴んでいるのかな?)

「ん? サー・レイク? 何かボクの顔についてますか?」

「凄いなあと思いましてね。もうすぐ日常業務は一巡しますが、もうこの詰所の空気に馴染んでおられる。仕事内容も小姓位としては破格の実力。事務面でも実技面でも。

それに改めて感心してまして。ついお顔を注視してしまったのは、申し訳ありません」

(魔導士で正騎士級の実力。ただ支援系と言うよりは、ザッパーをおもに使っての敵個体たちへの阻害。そんな人は初めてだったな、実際に見るのは。

 老師――ミズ・ラインも基本は支援系。爆炎の魔術師って二つ名で、誤解されがちだけど)

「いえいえいえ、そんなめっそうもない。ボクなんてまだまだで」

 顔を真っ赤にして照れるのエミリオ・レッド。意外にレイクなどの、素直な賛辞などには弱いらしく。いつもの芝居がかった態度も抜けている。

(それに……出会った時から気になってたけれど。男性を意識した歩き方に、肩パッドに底上げブーツ。それに芝居がかった態度で誤魔化してるけど、この人は僕より年下で、多分おん――)

「そっ、そう言えば、ミスター・トマスは?」

 照れ隠しか、赤の人の露骨な話題そらしに、思考を中断する筆頭少年騎士。

 いま時間は勤務に入る前。夕刻。昼間勤務組との交代業務まで四半刻しはんとき=30分は優にある。

「ああ、彼はもうすぐ帰ってきますよ。飲み物を買い忘れてとかで。……というか彼がこの時間、遅れるわけが――」

 と、けたたましく階段を昇ってくる音。騎士会館の最上階にある、この東門騎士団詰所。それを最短で駆け上がるのは、決まってだいたい……

「トマス・ワトソン! ただいま戻りました!!」

 この男である。生真面目で実務実力も充分と言われているが、問題の悪癖が一つ。それが彼の日常での行動原理。どスケベ。

「お疲れです、ミスター・トマス。……なるほど。サー・レイク確かに遅れる訳が無いですね。ボクとしたことが」

「なんですかなんですか! お二人で勝手に納得して!!」

 と、ここで軽快な音立ててのノック。

 この時間にこのノックは、たいてい軽食の出張販売到来の合図だ。昼間任務と夜任務の引継ぎ業務の前に、売り子に来るのが、騎士会館で販売する狙い目だ。

 もちろんお昼時にも、売りに来るのを忘れない。

 部屋のあるじたちは、ノックの返礼を返さない。そんなもの無駄だから。

 ノック無しでの入室を許可しているからだが、律儀な事は商売の基本の一つと売り子の彼女たちは必ずドアノックを欠かさない。

 彼女たち? そう彼女たち。

「ちわ~っ!」

「ご飯のじかんですよ」

「まいど」

「ミカワ屋っす」

 この詰め所含めおもなお役所を各数か所まわる、少女たちだ。

 この州都内、東門詰所担当地域で、競合する四店。そのおのおの人気な、出張弁当屋の売り子たちである。

 高額とは言えない安月給の中から、厳選した古着屋で入手した衣服や、アクセサリーで着飾って。

 思い思いのお洒落を心がけるのは、乙女の矜持以上に、売り上げに直結するから気合も充分だ。

 レイクとさほど歳が変わらない少女達が四人訪れて、ムサい職場が一気で華やぐ。

 女性もけっこう居るのにムサイ印象がぬぐえないのは、仕事がら仕方なし。

(何で店の名前が、ミカワ屋なんだろう? 経営者にも従業員にも前世持ちの人居ないみたいだけど?)

 レイクはいつもそう思うけれど、誰もその疑問に答えられないという。

 大抵はサンドイッチにホットドックにチップ&フィッシュのたぐいと、前世現代の西洋世界の、テイクアウト的なメニューである。

 またほかの役所に出入りする売り子の中には、東方世界は源華帝国風料理――レイク前世で言う中華料理風の軽食をあつかう店もあると言うが。

、何故かミカワ屋はライスボール――いわゆるオニギリを出す。それも又他の三軒に負けない売り上げを誇る人気。

 レイクは、たいていオニギリを食べる。コメは南の国の輸入品でやや高い。それが安価で食べれるのはうれしい。

 もと日本人的に、米はふいに食べたくなるもの。

「お握り二つ頂けますか?」

「はい。どれかいいっすか? おすすめはウメとツナマヨですが」

 売り子の中で最年少。聞くところによると十二歳だったか? 丸顔に、可愛らしい男の子風の、吊り下げ半ズボン。それにTシャツの出で立ち。

 Tシャツは多分市で手に入れただろう、現代日本製と思しき代物。背中に白地に墨文字で「大打撃」と、日本語で描かれているのは何故だろう?

 短い髪だけど、丁度の眉の上辺りにサクランボの様な丸い髪飾りが、女の子を主張している。

「じゃあそれでお願いします。鰹節はまだ売り切れ中で?」

「申し訳ないっす。ウチの主人いわく、かつおぶしはなかなか市場に出回らないらしく、まだ品切れが当分続きそうだと」

 中銅貨を2枚渡す、屋台最安値のペペロンチーノ二皿とほぼ同額で、オニギリ二個が買えるのは嬉しい価格。

 笑顔で商品を渡してくれる幼い少女である。

 笑うと八重歯がのぞくのと、滑舌が悪く「です」の発音が時折「っす」となってしまう。それが、返って可愛らしいとの評判の売り子さん。

 この詰め所に来る売り子の皆がみな街一番の美人さんって感じの、ある意味レベルが高い人たちではあるのだが。

(でもその中でも歩き方とか彼女が一番良いと言うか、あの重い鞄を左右肩からかけて一切バランス崩さないんだよな)

 何故だろう? 自分でも分からないがレイクは彼女の働く姿が、何かひっかかりを覚えていた。

「すまない。ボクにも握り飯を三つ頂けるかな? お勧めの二つに昆布のツクダニなんてあるとうれしいが」

 その思考をさえぎる声が後ろからした。振り返ると目に入るのは「赤」。売り子少女が驚いて動きが止まる。

 いったん脳裏から、するべき売り子の仕事とかが、吹き飛んだかのように。

(もう累計8日ほど顔合わせてるのに、慣れないのかな。あの派手な出で立ちには……まあ慣れないかもな。加えて彼女の憧れの、マリー・セレスト大先生さまだし)

 そうレイクは苦笑しつつ、オニギリを求めたエミリオ・レッドの姿を改めて見る。

 天然にウェーブがかかる燃える様な髪の赤。舞台俳優顔負けの上下も又、赤。

 肩を飾る黄金のモールに肩飾り。上着を飾るボタンはさすがに宝石では無く緑系統のガラスか何かだろうが。

 宝石と見誤らせる程の存在感が、その人物にはある。

 整った顔立ちに芝居がかった様はまるで太陽。先日の廃村で見せた表情の陰りは、もう無い。

「おっと、ボクとした事が失礼した。注文が言葉足らずだったかな? ウメオニギリとツナ・マヨネーズと有れば――」

「ああー、あるっす三つ全部あるっす。よんまい銅貨で3枚です」

 あわてつつ、でもしっかりオニギリ三つは手渡しで。一枚で小銅貨四枚分の価値のものを、中銅貨もしくは四枚銅貨とも言うが。

(この売り子さんの、訛りもそうだけど、四枚銅貨って言い方は、ウェスタニアかイーストエンドからの影響かな? そこからの移民とか孤児とか?)

 性格からか、職業病か。騎士レイクはつい観察し分析し、当面の答えを出した後で、心の棚にしまっておく。

 自分も含めてみな加害者になり得る。被害者であっても。それは誰の言葉だったか?

 残念ながら、世の中は性悪説で動いている。それがレイク・ハリスンの実感であった。

 で、あるならば事前準備として様々な事に注視し「全て記憶」しておく。

 自分は機転が利かないから、とも自嘲。他人にこそ求めはしないが、実行力と驚異の記憶力のたまもの。

 一応その異常性も自覚しつつ、そんな様子は普段見せないところが怖い。そう評したのは元相棒のA・ラインであった。

「では自分は――」

 次いでトマスも彼女から買い求めようとしたところ。さえぎる黄色い声。

「ちょっと待ってよーー。カミュたんが愛くるして、可愛いからって。そこに集中するのっていただけないなーー」

 その声は。背も低く胸無くお尻も小さいので、へそ出しルックで色気出しの勝負に出た、カフェ・マクダニエルの看板娘リリー。

「そーだ、そーだ、おーぼーだー」

 舌足らずの口調が、コケティッシュ。大きい胸の胸元を強調するのはローズ。ホットドック・ステーション所属。

「そだよね。トマスくんにはきっちりきっかり言い聞かせないと!」

 さらに追随するのは、健康的な太ももを強調する為に、生足に丈短いジーンズ。シャークズ・ファングのジャスミンだ。

 色気過剰な三種三様の攻勢にたじたじとなる、ように見えるトマス・ワトソン。

 でも実際のところは。

「……おへそ、胸、太もも含むお尻のライン。あと何気にカミーユちゃんの、わきの下にも視線が言ってるのがボクは罪深いと思いますが。

どう思われますか? サー・レイク・ハリスン」

 そのジト目しつつの臨時助手の物言いに、苦笑めいた笑顔の答えしか返せないレイク。

 そもそも。この場に居るトマス以外の全てのみんなの、見解一致でもあるのだから。

 問いの答えがかえってこないのを、エミリオが気にしていないのも、それゆえに。

「だってさ」

「それはもう」

「いつもの事で、トマスくんだもの」

「じ、自分は無実だーー。四人が四人とも美人でエロくて可愛いのが悪いんだ!!」

 とここまでもいつもの流れ。毎回やってるお約束。

 売り子たちは、それぞれ商品を売りさばきながら、従騎士トマスをこんな風に軽くあしらう。

 リリーがハンバーガーやサンドイッチを。ローズはホットドックをその場で作り。ジャスミンは、フィッシュ&チップスを保温袋から出しては、さばく。

 一人カミーユと呼ばれる野暮ったいオーバーオール娘が、トマスを無視すべきか否かで、おろおろするが。

 残りの三人娘、三種三様。トマスのエロい視線を気にもせず。野暮ったい後輩を有形無形にフォローして。

 結局この場での売り上げは、だいたい1/4づつになるのもいつもの事。

 トマスをのぞく詰所のみんな――昼間勤務者・夜勤者が、夕食や夜食を買い終えてから、時間ぎりぎりまでワトソン氏が悩み倒すまでがいつもの流れなのだが。

(……そう言えば、従騎士長殿がまだ戻られていない。中門騎士との取次があるはずだけど。ここまで時間がかかる?)

 レイクの懸念。普段とちがう差異を見つける事。それがレイクの捜査の基本。何千何万の繰り返しの中、無駄に終わることも多いけれど。

 ばーん、と両開きの扉が荒々しく開かれる。

「東門の方々、失礼するっ! 中門騎士団である。カミーユ・フィリップスの身柄をお引渡し願いたいっ!」

 厄介事がやってきた。

 そしてトマス・ワトソンは、……夜食を買い損ね食べ損ねる。

次回は8/9金曜夜頃に投稿予定です。

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