プロローグ3
お読みいただきありがとうございます。
ここはどこだ。
いや、見覚えがある。こんな真っ白な空間は他にない。あの夢の――
「やあ、また会えたね」
「……誰だっけ?」
見覚えのない顔だ。
肩までの金髪、中性的な顔、俺より少し小さいくらいの身長。
こんなヤツ知り合いにはいない。
「ひどいなぁ。まあ、あの時は顔見せなかったしね」
「改めて。こんにちは、天宮佑君。僕は神です」
神?何言ってんだこいつ。
「神?何言ってんだこいつ」
「あははっ。声に出てるよ」
「で、俺になんか用なの?」
「そうだね。その前にまず、状況説明からしようか」
「天宮佑君、君は7月3日——つまり君の誕生日の夜、永遠の眠りにつきました」
「死んだ?俺が?」
訳が分からない。
「アレを見て」
自称神が指差した先には、モニターのようなものがあった。
そこに映っていたのは、病院らしき白い部屋、ベッドに寝かせられ、なにやらいろいろと体につけられている俺。
そして俺の傍で泣く、俺が良く知る人物達のの姿――。
ああ、俺は死んだのか。
「死因は……まあ、心臓発作かな。ご愁傷さま」
「さて、ここからが本題なんだけど」
「ちょっと待て。心の整理がしたい……」
何分経ったか、時計がないから分からないが、なんとか落ち着いてきた。
正直、まだ混乱しているが。
「そろそろ本題に入ろう。……君には、異世界に行ってもらいたいんだ」
「異世界――って、あの異世界のことか?魔法とかの」
「そう。その異世界」
「…………あーあ、わけわかんね。寝てる間に死んだと思ったら、次は異世界転生か」
「ほんっと……わけわかんねぇ」
「気持ちはわかるけどね。あまり悠長にしてられるほど時間がないんだ。簡単に説明していこう」
「まず、君に行ってもらう世界は君が知っているような世界とほぼ同じ。剣と魔法のファンタジー世界。ドラゴンや精霊もいるし、ドワーフやエルフだっている」
「君を選んだ理由は、君なら魔王を倒し世界を救ってくれると直感したからだ」
「でも、ただ転生させるってだけじゃない。基本的には自由に生きてくれればいいんだけど、条件が1つ――」
「魔王を倒してほしい」
「魔王?」
「そう。詳細は時間がかかるから省くけど、魔王が暴走しかけていてね。このままじゃ世界が滅びかねない。だから、それを止めてほしいんだ。……期限はざっと一年くらい」
「もちろん、何かしらのサポートはするよ。ただの地球人じゃ、魔王はおろか雑魚魔物に殺されるのがオチだから」
「神の権限で1つだけ、能力をプレゼントする」
「つまりはチート能力ってやつか」
「そんなところ。なんでもいいよ。剣の才でも魔法でも、なんならハーレムでも」
「んー……魔法っていうのは、どれくらいの範囲が対象になるんだ?属性とか、例えば転移魔法とか」
「魔法というのは言わば想像を現象として実現する力。君の想像力次第でなんだってできるさ」
「なら……魔法一択だ」
「わかった。向こうの言語や文字は理解できるようにしておくから安心して。他に気になることは?」
「体はどうなる?」
「元の体は既に死んでるからね。同じくらいの歳の新しい体に入ってもらうかな。容姿や身体能力は前の体とは違うだろうけど、善処はする」
「そっか。じゃあいいや。さっさとその異世界とやらに飛ばしてくれ」
「心の準備はできた?じゃあ……目を閉じて」
よろしく頼むよ、勇者クン。
次話より異世界編となります。
引き続き、よろしくお願いいたします。




