プロローグ2
お読みいただきありがとうございます。
「おはー」
「おはよー」
佑と舞衣が教室の扉を開けると同時に声を出す。
二人は高校一年、二年とクラスが同じだったため、ほぼ毎日揃って教室に入る。
その仲睦まじい様子を見たクラスメイト達に茶化されることも多い。
「おはよーお二人さん!」
「相変わらず仲いいねー」
教室にいたクラスメイト達も挨拶を返す。
舞衣は、真ん中の列の一番後ろの席にある自分の席に鞄を置き、佑の席に向かった。
佑は窓際の真ん中の席だ。
眺めがよく、佑が妄想にふけるときはいつも外に目を向けている。
佑が席につくと、一人の男が寄ってきた。
「っはよ!佑」
声をかけてきたのは静 涼介、佑、舞衣と中学からの付き合いだ。
「はよー」
佑は気だるそうに返す。
「安定のテンションなー」
「うるせ」
涼介はやれやれ、というような顔をして、ふっと息を漏らす。
「涼おはよー」
舞衣が佑の席へ歩いてきた。
「舞衣ちゃんおはよ!今日も可愛いねー」
「ありがとー」
涼太は挨拶がてらに舞衣を褒める。
舞衣も中学生の頃は照れていたが、涼太が毎日のように言うため今ではすっかり慣れている。
「そうそう」
一言おいて、涼太が話を切り出す。
「明明後日の佑の誕生日どうする?」
「いつも通り」
佑はため息混じりに即答する。
「ですよねー」
涼太はつまらなさそうに机に突っ伏した。
「佑、お祝い事とか苦手だもんね」
「んー……」
佑の誕生日といえば、サプライズも何もなしのシンプルなものがお決まりだ。
「まあ、今年もいつも通りってことで」
涼太が早々に結論づけると、程なくして朝礼のチャイムが鳴り響いた。
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――ここは……なんだ……?
やあ、はじめまして。
ここはね、君の夢の中。
――夢?
そう。「夢」だ。
――アンタ誰だ
今は言えない。でも3日後、また会える。その時に教えるよ。
――ああ、そう。にしても、まったく変な夢だな。
変なヤツに、変な会話。それに、夢にしては意識がはっきりしてる。でも明晰夢ってやつでもなさそうだしな……。
私が夢によって作り出されたんじゃなくて、私が君にこの夢を見せている。
厳密には夢とは少し違うけれど。
――……?どういう意味だ。
すぐに分かるよ。すぐにね。
さん日後、楽しみにしてるよ。
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佑が目を開けると、その目は燃えるような夕色に染まった。
「やっと起きた」
舞衣が佑の顔を覗き込む。
「あー……寝すぎた」
「皆もういないよ?先生呆れてた。後で職員室に来いって」
佑は心底嫌そうな顔をして、大きくため息をついた。
「そーいや、なんか変な夢見たな」
「夢?」
「そう。なんか真っ白い空間にいて、顔がよく見えないヤツがいろいろ言ってくんの。変な夢」
舞衣は首をかしげ、うーんと唸った。
静寂に包まれた教室に時計の針の音が5、6回響くと、舞衣の口が開いた。
「まあ、そんな夢もあるよ!」
と、佑の頭をポンポンと撫でる。
「……今のうーんはなんだったんだわけ」
「いや別に?唸ってみただけ」
佑は蔑むような目で舞衣を睨むと、面倒くさそうに立ち上がった。
「あ、佑」
「なに?」
舞衣は佑の机を指差した。
「よだれ」
次話もよろしくお願いいたします。




