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あとがき

 というわけで「機械娘の心的外傷(トラウマ)」、旧タイトル「SAMPLE」本編の完結です。

 作者の日吉舞と申します。

 このたびは、ここまで本作を読み進めて頂き、誠にどうもありがとうございました!あとがきは最初に本編を書き終えた当時のものもあるので、これを書き直すのは……と思ったのですが、内容が噛み合っていないところも多いため、こちらは自分の手元にだけ残すようにしました。久しぶりに読み返してみて、その頃の初々しさを感じる今日この頃です(笑)。

 そしてこれ以下ではネタバレを含みますので、本編をまだ読み終えていらっしゃらない方はご注意ください。

 さて、最初に本作を執筆したのはかなり前のことで、二〇〇七~二〇〇九年にかけての頃だったかと思います。そして大幅な改稿を思い立ったのが二〇一三年秋のことなので、完結から実に四年が経ってしまっていたということで……

 その間は本作続編や仮面ライダーのスピンオフを延々と書き続けていたので、決してサボってたわけではないんですが(汗)、何にしても今更感は拭えずで。

 大幅な書き直しをするに至ったのは、なろう以外の投稿サイトでの感想や、たまに本作の内容に触れたサイトや某巨大掲示板の書き込みを目にしたこと、かな。

 そこでは意外にも正面切っての批判や叩きは少なくて、作者としても痛いところをグサグサと貫かれるような指摘が多かったんですね。例えば「タイトルを見て読もうという気を起こさせない」「冒頭が弱い」「男性読者が喜ぶようなお色気シーン、恋愛絡みの内容がない」というような。

 これらをありがたいご意見として捉え、できる限りの範囲で改めてみよう!とやってみたのが今回の公開分です。完全な新作扱いにしなかったのは、今までに頂いた感想なんかを全部ゼロにすることは避けたかったから、という理由です……チキンだな、私。

 具体的な改編内容は、大きく分けて二つ。

 まず最初に、冒頭の引きを強烈なものにするということ。

 これは、旧作では主人公である未来の担ぎ込まれた病院で杉田と大月が淡々と話している場面からスタートしていたのを、未来の一人称視点で事故に遭った時の様子を語るライトノベル調に変更することで表現してみました。

 結果、改造途中の悲惨な状況を描くことになってしまったので、苦手な方は要注意なものになってしまったかと……確かに強烈かも知れないけど、グロ注意!なのはちとやり過ぎたかも?とちょっと反省です。

 二つ目は、杉田や生沢という作品の良心を代表するメインキャラの性格上の矛盾について(この修正が一番大変だった……)。

 本作では「元凶はあくまで大月専務のみであり、他のAWPメンバーは未来が巻き込まれた事故が偶然ではなかったことを知らなかった」ことになっています。しかし改稿前は、「他のメンバーも全てを知った上で事に当たっていた」展開でした。

 改稿前の感想……というよりも読者の方からの指摘は、大月以外のメンバーの良心があまりにも弱いのではないか、という内容のものでした。

 これは考えてみれば当然なわけでして。自分たちがやってきたことに思い悩んで、終盤に命がけで未来を助けに来るくらいの人物であれば、心を病んでもおかしくないくらい凄絶な苦しみを抱えるのが普通なんじゃないか、ということですね。

 それも未来を欺いたのは自分の意思でなく、会社の命令に逆らえなかったから、という理由だったら尚更です。

 克明に登場人物の心理を描こうとしているのに、こんなご都合主義的な展開はものすごく不自然であるわけで。これも指摘によって気づかされたので、ある意味大前提でもあるこの点を覆すことにしました。

 これによって全体を見直して、修正に伴う矛盾点も徹底的に潰す必要が出てきたわけですが、文章の手入れもできたので却って良かったのかなと思っております。

 にしても、本編を書いてた二〇〇七年当時ってスマホもタブレットもなかったんだよなあ……とちょっとびっくり。電子機器の描写も都度直したりしてるんだけど、これもあと数年もしないうちに変わっちゃうかも知れないですね。

 その辺りはまさしく事実は小説より奇なりで、昔は携帯電話がここまで普及してパソコンの代わりにまでなるなんて、誰も考えていなかったわけで。反面、人々の暮らしの根本はさほど変わっておらず、ここも面白いところですよね。昔のSFや未来予想図でよくあった、「チューブ状の道路の中をエアカーが走る」とか「住戸は半円形で金属が基本」とか「レオタードのような服を着てるのに若い女性は何故かミニスカ」なんてのは何一つ実現されてないわけですし。

 あ、やっぱり古典SFでもよくあった液晶の「壁埋め込み式テレビ」なんかはとっくにあるけど、不便だってことで実際にやる人は皆無だそうで。

 ……って、ちょっと話が逸れちゃいました。

 えーと、他にも字がぎっしりで読みづらいとかあったんですが、これはまあ台詞と地の文の間を空けるとかの対策を、そのうち取るってことで。

 大きく変えたのは以上の点で、基本的な話の流れやキャラの位置付けなどは以前のままです。何せもう執筆開始から六年以上経過してるので、すっかり個性も固まってくれたという安心感もあります。

 一部読者の方からは「空気ヒーロー」なんて言われたこともある杉田は、当初どうしても他の強烈な人物の陰に隠れてしまい、目立たせるのに苦労してたり……彼については「頭がいい秀才タイプのお坊っちゃんで女にはてんで鈍感、良くも悪くも純粋」な基本ラインができちゃってるし、これはこれでいいかなと。なので、書き直してもラッキースケベ的な未来のサービスシーンとかは入れませんでした。

 未来は二十代前半という、なろうでは「嫁き遅れ」のヒロイン(という指摘もありました)。その割に子供っぽく描きすぎたかな?と思いきや、健気に奮闘する姿が良いという感想も頂いております。このお話は彼女の成長も主軸となっていたのですが、これからも読者の皆様に暖かく見守って頂ければ嬉しい限りです。

 成長物語と言えば、本作はSFカテゴリには属してるけれど、SFの皮を被ってミリタリーで味つけした人間ドラマだよなあ、と思ったこともあり。確かにバトルシーンも派手じゃないし、宇宙人とか能力者とかも出てこないし、こまけぇことはいいんだよ!的な超理論もないし……

 だけどそーいうリアリティとか無視したバトルなんかも嫌いじゃないので、次回以降の作品ではもっとエンタメ性を重視してもいいのかな?と思っております。ライバルに当たるロシアあたりの金髪碧眼超絶美少女サイボーグとかアンドロイドを出したり、それこそVS超能力者とか、はたまた宇宙から飛来した未知の生命体とか。考える余地はいくらでもあるので楽しいですね~

 本編の続編としては、既に公開している「機甲生体捜査官事件ファイル」シリーズがあるのですが、今後はこれに沿ってお話を展開していくつもりでいます。アメリカが舞台になっている分だけ、ハリウッド的なぶっ飛んだお話も作りやすいかなぁと思ってますし。

 「機甲生体~」シリーズの第一弾は本作以上にリアリティにこだわってしまったため、完全に警察物になっているとの指摘もあり、これも反省点だったりします。自分では書いていて楽しくはあったんですが、折角舞台をアメリカに移したのに、その利点を十分に活かしきれなかったこともまた然りなので。

 こちらの新作は、現在執筆中の別作品が完成して一段落したらまたかかるつもりでいます。書きたいシーン、各キャラに演じさせたい役目、言わせたい台詞は色々あるのに、それがまだまとまっていない状態で。そういうのを全部整理してから始めたいなと。

 そしてこのお話を書き始めてから、早いものでもう七年目。小学生が中学生になっちゃうぐらいの時間は経過してますね(笑)。それで感じるのは、各キャラもその間に成長したなということです。

 で、そいつらと一緒に作者自身も成長できればいいのですが、これはなかなかうまくいかず。私はとっくにいいオトナなのに、まだまだ勉強しなきゃならないことがたくさんあるなと痛感しております。でもそれはより面白い作品を作るためにも必要なことだし、努力することは別に苦痛じゃないし、何よりも面白いので、ずっと続けていくつもり。

 というわけで、私はそれこそ死ぬまで筆を折ることはない……だろう、多分。なので、これからも応援して頂けると、それだけで悶絶しそうになるほど嬉しいです。

 ペースはゆっくりですが、読者様はどうかどうかお付き合いを続けてくださいませ。

 それではまた、新作にてお会いしましょう!


                   二〇一四年 四月某日  日吉舞

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