表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/163

突然の迎えの代打の男 蛇苺翡翠

 何万回も言い続れば。


 嘘も方便と。


 ホンモノの脅威となっちまうのさ。 


 ◆


 食事何処【みんみん】


 ここは――《カマクラ区》の片隅にある。

 百足ミンミが個人経営する古めかしい店。


「何なのだよ! お前さんは!」

 水を男のテーブルへと置き、叶が訊く。

「何って、……父さんがさぁ? そいつを迎えに行けっていうから、こうして出向いた訳ね。因みに、まだ勤務中だったけど、父さんの頼み、っだっからさぁ? 行かない訳にはいかん訳よw」

 薄い紫色の髪を撫ぜ、視線を翁へと向けた。

「ぉ、おおお、……お父さんって?? ぉ、おれは誰のことだか、さっぱりなんですけどぉうぅう!」

 カウンターから伺うように翁が言う。

 怯える翁の様子に、

「昨日の酔っ払い、覚えてねぇか?」

 男が眼を見開かせ――《果樹サクランボ》で見据えた。


「あ! あの酔っ払いの自称《群青翡翠》って男の息子なのか!?」


 男の正体は群青翡翠の精液を、身勝手にも手に入れた親戚。

 翡翠を愛してやまない蛇苺紅玉ルビーにより、実の姉でもある銀子の膣を使用し産ませた。


 正真正銘の蛇苺の純潔種の父親を持った。

 嫡男の蛇苺翡翠ミドリである。

 よって、群青翡翠の長男でもあり、母親違いの竜馬リョーマは。

 実質、次男とになるのだった。


 だが。

 それを大っぴらに説明をすることは出来ない。

 食事何処で、しかも常連客もいる状況下でもあるからだ。

(本当に、父さんっていう癖は直さないとなぁ、……父さんに嫌われたくないもんなァ)

 出された水を飲み込み、

「ううん。違うよ、彼とは同期だしねw 俺の父親に似ててさ、だから、ついつい呼んじゃうだよね。俺の悪い癖w」

 翁が警戒を解くように、笑顔を向けた。

 それが効いたのか翁も出てくる様子に息子の翡翠も嗤う。


「俺は蛇苺翡翠ミドリ。初めまして、尾田ダンマル君」


「……どうして。おれの名前なんか、知ってんの?」

「父さ――ミドリさんが教えてくれたんだw ささ、帰ろうぜ? まずは学校に戻ろうじゃないか」


「!? ぃ、ヤダ! 行かないっ!」


 大粒の涙が流れた翁に、店内がどよめき。

 一斉に息子の翡翠を睨んだ。

(本当に、翁ってwwww マジで勘弁だわぁ)

 肩を竦める息子の翡翠。


「18歳たって、十分に大人だろう? あンたは、っさ?」


 全てを見据える眼に。

 思わず翁も涙目で睨んだ。


「っそ、それとこれは。問題が違うだろぉうがっ‼」


 口を大きく開けて吠えた翁に。

 見惚ける常連客たち。

「そうしたいってんなら。あンたの中でそすりゃあいい。でも、俺には父さんの頼みは絶対なんだよ、悪いんだけどさ? 俺に拉致されて?」

 水を置くと息子の翡翠が立ち上がった。

「っへ?」

 すると、翁が膝から崩れ落ちてしまう。

「ぉ、っとっとw」

 その翁の身体に腕を伸ばし、持ち抱えると。

「っしょ、っとなw」

 意識を失った翁を、背中に背負った息子の翡翠。


「ちょっと! お前さんさぁ!?」


「……何? あンた、この俺に立てつく気? まさかねw?」


 息子の翡翠が叶を睨み微笑んだ。

「っく!」

 圧倒的な気迫と殺気。

 何とも言えない違和感と恐怖に、叶の足も竦んでしまう。


「あんまし。私ンとこの従業員を苛めなさんな、蛇苺Jr.ちゃん」

「ムカつくなァ、あンた……店主だっけ、っかな?」

「紅玉さんはお元気? 去年から来なくなったんだよね、いつも――……お兄さんの話しばかししてたから、うっとうしかったんだけど。来ないとなると寂しいもんだ」

 腕を組みウィンクをする百足を睨む息子の翡翠。


「お兄さんとは、上手くいったってことでアンサー?」


「親父に言っとく。あンたがよろしく言ってったって、っさ!」

「そう? それじゃあ、そう言っておいてくれな。あと、そいつにこれを」

 名刺を出すと翁の尻ポケットに名刺を入れた。

「これも何かの縁だ。ダンマル君によろしくな? 息子の翡翠君」

 手をひらひら、とさせる百足に。

 無言で息子の翡翠が店から出るのだった。


 カラン――……


「あァー~~行っちまったじゃんかぁ! 折角の従業員スタッフ候補っがぁああ!」


 頭を抱えた叶の肩を百足が叩いた。


「多分、彼は来るよ? だって彼は――知りたくなるから」


 すぅ――……


 っふぅうう~~……

~ここはる妄想セレクト声優様~


蛇苺翡翠Cv:玄田哲章さん イメージです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ