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藍石の企みに、誰かが気づくだろう

 室星剛太郎の途中退場によって。

 休憩時間も続行となった授業を引き継いだのは。


 蛇苺藍石マリンクォーツだ。


 隔離授業:⑥  ワルツ基礎 臨時教員 蛇苺藍石

 

 ――《堤》の一族は、一族といった定義枠はない。

 絶対唯一の《堤》の理由は察するとは思うが、それは間違ってなんかない。


 1人しかいないってことだ。


 しかし、1人でしかないってことは後継者はどうなるのかって。

 そう疑問が湧くだろうが、それに至っての《ルール》がある。


 現・堤の死期の7日前に、次の世代の《堤》が何処からともなく訪れ。

 全てを引き継ぐのだが、どういった条件なのかが不明でもある。


 俗にいうところの《死に神》というべきか。


 ただ、ソレが訪れるまでは、堤は《不老不死》の存在である。――


「ここまでで、疑問とかなんかあるか?」


「マリオ先生? マリオ先生?? つまりは、誰かが突然、《堤》になるってことがあんの?」

 手を挙げて百目鬼が首を傾げた。

「ああ。いい質問だな、ああ。突然、君がつぎになるかもしれないよ」

 細い目を細めて藍石が笑った。


「さて、と。次が最後の《翁》だね」


「‼」


 藍石の目が翁へといく。

 その視線に翁も、身体をビクつかせてしまう。


「――全部っぜぇんぶぅアタシなんかが言っちゃっていぃのかなぁ?」


 髪を掻きながら藍石が苦笑する。

 だが、

「言ってもいいんじゃ、ないのかな」

 翁が藍石を促し、催促をした。


 訊きたいところで。

 終了は絶対に嫌だったし、寸止めは最も嫌だし。

 翁が自身の生家の話しを訊きたいのは今だ。


「いいじゃ~~ん。どうせ、帰ってくんのって遅いでしょう? そんな気がすんもん」


 ◆


「っび、比丘尼! っび、比丘尼さんンん!」


 勢いよく駆け、汗まみれで走った室星。

 行き着いた先は、《モギモデルアカデミア》よりも数キロ先。

 《ワールドルーツ本社》の医務室だった。


 そこに、比丘尼八景が勤務をしているのだが。


「? そんなに息を荒げてどうかしたのか? 恋人にそんなに会いたかったとは光栄で、嬉しい限りだ。とは口が裂けても言えないが。どうかしたのか、ハニー」


「バカ! ぃ、稲本君が怪我を負ったってっ、藍石マリンクォーツ先生がっ‼」


 息を絶え絶えに訊く彼に、

「あ。あー~~……《不可リコール》にはならんぞ? たかが、突き指だしなwwww 何? 何???? それでそんなに息も荒く、……マリオの奴に担がれたか。おれは嬉しい限りだがwwww」

 そう笑いを堪えて比丘尼が言う。


「っつ、突き指ぃ~~? ……あんの野郎ぅうう‼」


 へなへなと腰が砕けてしまう室星。

 そんな彼を見ながら、

(それほどまでに。マリオの奴が、相手をしたかった。生徒とは一体? じゃあ、ハニーを帰してはいけない訳だ、多分、おれは合ってるはずだ)

 鼻先を指先で押す仕草を比丘尼がする。


 椅子から立ち上がると室星へと向かった。

 彼の前でしゃがみ込み。

「ほら。お立ちなさい、ハニー」

 手を差し伸べるのだった。


「ぁ、ああ。すまないな」


 手を伸ばした手を掴むとベッドへと。

 怪力で室星を投げ放った。


「いいのよ♡ 折角の据え膳だもの、愉しみましょう♡ ハニー」


 舌なめずりをして、低く膨らみのある胸を開いていく。

 あまりな状況に室星も硬直をしてしまうのだが。

 

 勃起をしてしまう。


「据え膳ってのは、どうなの?」


 ◆


「勘のいい子供は嫌いだよ」


 素っ気なく言うのだが。

 視線は険しく百目鬼を見据えていた。

「さー~~せんw 俺ってば子供じゃないし。誰かを信じるのヤメたんでwwww」

 それに百目鬼も真剣な目で、ほくそくんで言い返した。


 藍石と百目鬼の言い合いに。


「ぇえっと? ……なぁ、マリオ先生ぇ~~教えてくんねぇの?」


 蚊帳の外の翁が首を傾げた。


(犬、……いや、これはインコか? 可愛いじゃない)


 翁を見惚けていた藍石。

「ちょっと! 翁ちゃんを、厭らしい目で視ないでくんない!?」

 そんな彼を諫めるように百目鬼が言い。

 百目鬼へと椅子を横につけ、前に身体をやった。


「男を色眼鏡で見る気はないけどな。いいさ、どうせ授業だ。剛太郎先生でも私でも、どちらかが教えなきゃらなんことだ。なら、言うとしょう」


 

~ここはるの妄想セレクト声優様~


比丘尼八景Cv:橘田いずみさん イメージです。

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