満ちて欠ける世界の真ん中で
もがいて。
足掻いて。
もがいで。
足掻いて。
試されるのは。
《君の世界》だ。
◆
「『っな、何が起こったんだ!?』」
立ち止まった水面は、姿のないアジサイが行った方向を視た。
宙を仰げば、
【00:01:01】
時間の経過を知らせているのだが。
「『? ……なんだ? アレはっ』」
デジタルの時計が、
【00:60:00】
減らした数字を増やしていく。
みるみるうちに、それは。
っぱ、ァアアァアアンンンッッッッッ‼
木っ端微塵に吹き飛び。
ゲームの中の空気が真っ黒に犯されていく。
鮮やかな色が、モノトーンに染まり。
真っ黒の世界に変わっていくのだった。
――Error――……Error――……
「『っ一寸、待てよ! こんなときに――嘘だろう??』」
この状態は、見たことはなかったが。
水面は訊いたことがあった。
「『っめ、メンテナンスが、……始まり、やがったっ!』」
ゲーム内における【損傷】を負った際に。
自動的に行われる状況で。
パスワードも【分】か【秒】で変わるため。
「『出られなくなりやがった!』」
更新が終えるまで。
ゲームの終了が不可能になってしまった。
「『っどぉしてだよっ! あァ゛ー~~もぉう‼』」
頭を抱えた水面は《変態》を解いた。
「『ダンマルっ』」
慌てて元来た路を駆け戻った。
彼にも翁に対する負い目があるからだ。
尾田ダンマルが見つからなかったからと、
「『っだ、ンマル! ダンマルっ! ぉ、翁ぁアァ‼』」
強引に引っ張ったという責任が。
今の彼を走らせる。
◇
「『この《ひのきの棒》でっ。打ち叩くっっっっ!?」
翁は出したひのきの棒の柄を握った。
少し、上擦った声に顔面蒼白な翁。
(やっぱり無理か。そりゃあ、初心者だものね)
それは。
ゲームの機能が全停止する。
ちょっと前の局面だった。
一斉に飛びかかった《亡霊》を。
「『っだ、りゃあぁああ!」
ひのきの棒で叩きのめした。
ヒットしてふっ飛んだ亡霊は。
木っ端微塵となり、ただのプログラムの配列が宙に上がっていく。
惚けていた翁に、
「『ほら! まだまだいるわよ! 全部倒したら、ご褒美をあげるわよ♡』」
耳元で甘く囁く常盤御前。
だが。
「『要らねぇよ! んなもぉんンん‼』」
息を荒くしながら翁も。
強い口調で言い返した。
「『勉強の為にやってるだけだかんなっ!』」
倒し続けた翁のゲージも、貯まっていくのが見て分かる。
初回はLv.0で貯まれば、もちろんLv.1になる。
常盤御前も、そう思って疑っていなかった。
――HPのゲージが貯まりました。
――これより《武器》の《初期設定解除》となります。
――《GG》選手の攻撃MAX。
「『っへ? 初期設定が、なんだって?!』」
――3……
「『待て! 待てって‼』」
――……2……
「『頼むからぁああ! 一分でもいいから、おれの話しを訊けぇええ‼』」
◆
「あれ? あれれぇ~~?? おかしいなァ~~」
生中継が途中で終わってしまった。
それには、視ていた視聴者たちが首を傾げた。
「ん? どうかしたのぉう。リュージ君」
食堂でホットドックを頬張っていたミドリが。
首を傾げて、携帯を魅入っていたリュージに声をかけた。
「生中継が終わっちまったんだよー兄さんー」
「……ふぅん? そいつぁ、現在進行なのぉう? リュージ君」
「生中継だったしーそうなんじゃないのかなぁー?」
「そっかぁ」と紙を丸めて、ミドリは指先を舐めた。
嫌な予感がするリュージも訊く。
「え。何ー興味があったりすんのー? 兄さんwwww」
携帯を取り出すと。
勢いよく、誰かに送っていた。
「まっさかぁ。ボクぅ、興味なんかぁ。全くないよぉう?」
~ここはる妄想セレクト声優様~
早乙女リュージCv:小野坂昌也さん イメージです。
早乙女ミドリCv:藤原啓治さん イメージです。




