口は災いの元だが、態度はそれを凌駕する
目指す先にあるのが収穫物ならば。
その種を誰が撒いたのかを。
一度、踏み止まって。
知るべきではないだろうか。
◆
授業:③ ワルツ基礎 担当教員 室星剛太郎
――《異人》は私たちとは根本的に違い。RPGやSFなんかの悪役なんかを想像してもらえばいい。
戦闘民族であり、我々、地球人を倒すのをもの応じすることもない。
そこで商品確保に必要なのは、その彼らとも鉢合わせしても。
無駄な《決闘》を回避するために必要になるのが。
《変態》な訳だ。――
「そこでそれが何故かというと。誰が勘がいい子はいないかな?」
室星が教室に腰をかけて教壇を見下ろす。
そんな彼らに訊いた。
「……いない、っか」
「奴らは人間の形や、熱に反応をするからです」
力強い声が室星に語った。
それには室星も、
「ぁ、ああ。その通りなんだけど……牛男君。手前の家族の人か誰か。ここで働いているのかな?」
苦笑いしながら牛男に訊く。
「彼氏が務めてます。友人たちもw」
にこやかに白い歯を見せて笑う牛男。
「そっか。君もいい従業員に、従業員になれるといいな」
「はい。室星先生w」
2人のやり取りに百目鬼も頬杖をつけて。
「何? この茶番wwww」
「百目鬼君。いいから、メモをとんなさい。必要になるからっ」
「ぇええ~~……あとで、写させてよぉう。翁ちゃ~~んンん」
グイグイと百目鬼が翁の腕に顔を押し当てた。
まるで犬のような百目鬼に、
「仕方、ないなァ~~ったく、もぉー~~」
あえなく落ちてしまう。
「あ、っざー~~すぅ!」
――《変態》とは名前のように身体を変えることを差す。人間以外の何者にでも、自身を変える場所も、本社の場所に《武器専科》あり、簡単な《軽装武器専科》なら、日本支部で手に入る。
それらは商品確保時に貰える《P通貨》と《Δ硬貨》が必要だ。
新人の3ヵ月間は1P=100円、Δはない。
その他に給料が発生する。
他の従業員たちは、その給料やらPとΔで自身の《変態》の強化を競い合っている。
ただ、それによって恐喝や、詐欺まがいな行為も横行している。
騙されない様にきちんと、自身の身は自身たちで守るように。――
「で。きちんと訊いてたみたいだね、大人しく」
「そりゃあ~~……訊きますよ? あんまりだなァー先生は」
翁はそう鉛筆の先端で頭を掻いた。
「……しっかし。手前の相棒は、なんなのかな? 伝説はこっから生まれるってのかねぇええ!」
顔色を赤に変えていく室星に、
「っちょ! やっと大人しくなったんだ! っじゅ、授業を進めてくれぇええ‼」
百目鬼の前に立ちはだかって吠えた。
「ふっざけんじゃねぇ!」
職員室:③ 教育的指導 担当教員 室星剛太郎
「……っはァ~~! あのな? もう言いたいことは分かるよな? 大人だもんな?? なぁ????」
翁も、項垂れて力なく頷いた。
しょげてしまって、身体を丸くさせる様子に、
「もう。個別指導にしょうか? だって、手前は案外まともだし。はっきりと悪いの――」
提案する室星に翁が、
「ダメだ! んなの冗談じゃないっ! あんの馬鹿を1人になんかさせられねぇよ‼」
無意識に立ち上がって言い放ってしまった。
茫然とする室星の表情に、っは! と我に返った翁。
「なら。手前ら2人は隔離授業とする……他の教員と、私。どっちにする?」
「……っちぇ、チェンジで頼んますっ!」
目を細めて輝かせる翁に。
ビキ! と青筋が立ってしまう室星。
「っふ、っざんじゃねぇよ! 手前ェ‼」
隔離授業:① ワルツ基礎 担当教員 室星剛太郎
「待って? え?? 他の新入社員たちは!?」
寝ていたままだった百目鬼が目を覚ますと。
そこは暗くも狭い――進路指導室。
「隔離されちゃったんだよぉうぅううっっっっ‼」
「っは、はぁああ?? なんでだよ!」
「3週間、きっかりぃいい~~」
「マヂかぁあ~~っ!」
顔を覆った手から涙は零れていく翁の様子に。
また、自分が何かやったのかと。
宙を仰いでしまう。
「うん。そうだな、基礎の授業を受け終えたら合流する予定だが。そうだなァ~~うん。このまま、3週間やるか! よし! 決まりだっ‼」
「「!?」」
~ここはる妄想セレクト声優様~
牛男たくまcv:渕崎ゆり子さん イメージです。