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別荘にゴ~

※※ 別荘にゴ~ ※※


あれからコウとフロウちゃんと共に家に帰ると…親が喜んだ。


一応二人の事は主催企業がやっていた複数でやるPCソフトのテスターに選ばれて一緒にやってて知り合ったと紹介する。


嘘もついていないし主催側に問い合わせても問題ない。

もちろん…それはコウの入れ知恵だったりするんだけどね。


外見はいかにも優等生のコウとお育ちの良さそうなお嬢様なフロウちゃんの二人に親は恐縮しまくりで、旅行に行くのは無問題。

むしろ迷惑かけるなとネチネチ注意されたくらいだ。


当日?もちろん…5時に叩き起こされましたよ?

間違っても遅刻するなって新宿まで電車で40分、5時からどうやって暇つぶせって?


7時に家叩きだされた…待ち合わせまであと2時間…。

仕方なしに最寄り駅前のマックで暇潰してると、携帯がなる。

ユートだ♪


「アオイ、おはよっ。

今日…どこかまで迎えに行こうか?

荷物もあるだろうし大変でしょ」


もうね、親がああだとこの優しさが身にしみるよ。

昨日から今朝までの親の態度と7時に家追い出されてる事話したら、電話の向こうでユートが吹き出した。


「じゃ、俺も今から家出てアオイのいる駅のマックまで迎えに行くね」

ユートが言って電話を切った。

20分後、ユートと合流。

一応1時間前くらいに電車にのって新宿へ向かった。


もちろん早めについて一番乗り。

しばらく待ってるとシャルルこと映ちゃんとヨイチが来る。

後半はゲーム内でも一緒だったと言う二人。

家も結構近所だったらしい。

最後に来たのはコウとフロウちゃん。

全員揃った所でコウがチケット配って出発した。


「今だから言うけどさ、ごめんね、私ずっと…昨日会う瞬間までヨイチ犯人だと思ってた。

本気で全く他と接触してる気配なかったし…」


新宿からスーパーあずさで長野の茅野駅まで約2時間半。

二人席をひっくり返して四人対面にして、映ちゃんとヨイチは通路はさんで反対側に座っている。


んで私達は私とユート、フロウちゃんとコウがそれぞれ隣。


まあ…最初は女同士、男同士だったんだけどね。


席についた瞬間、もう眠たそうなフロウちゃん。

家族以外と旅行って初めてでワクワクして前日から眠れなかったから、とはにかんだように笑う。


可愛いなぁ…


「3時間弱時間あるから少し寝ちゃえば?

私にもたれていいよ」

と私が声をかけたら、フルフルと首を横に振った。


それを見たコウが立ち上がって

「アオイ、チェンジ」

と私と席を替わった。


「良いから寝とけ。着いたら起こしてやるから。」

と、自分の上着を脱いでパサっとフロウちゃんにかける。

「ありがと~コウさん。」

コツンとコウの肩にもたれた瞬間コトンと眠りに落ちるフロウちゃん。


で、今にいたるわけだ。


んで一通りこちら側に起こってた事を説明したあと、私は正直なところを打ち明けていた。


「メルアド交換もスルーだったしね、得体が知れない人だと思ってた。」


実物見たらとてもじゃないけど、そんな殺人犯せるように見えないけどね。

線がすごく細くて優しげで中性的なイメージ。


私の言葉にヨイチはちょっと困った様に微笑んで下を向いた。


「あのね、ヨイチってすごぃ人見知りで対人恐怖症入ってたんだよっ。

だから他人と関わらないでいいようにって魔王放置で単に雑魚敵やるにはソロやりやすいアーチャー選んだんだって。」


無口なヨイチの代わりに相変わらずテンション高い映ちゃんが答える。


なるほど…そうだったんだ…


「私もさ、結局出遅れちゃったっていうか仲間作れなくて退屈でさ~、ヨイチ見つけて追い回したんよ。

もう最初は無言で逃げる逃げる。

でもそのうち諦めてもらえたみたいで一緒に遊ぶ様になったんだっ♪」


なんか…その光景、目に浮かぶようだよ…。

でもこれはこれで良いコンビな気が…。


「んでしっつも~ん♪」

これで自分の側は終わったとばかり、映ちゃんはシュタっと手を挙げた。

「そっちはさ、リアフレぽ?」


「あ~…」

聞かれてまずユートが少し考え込んで口を開いた。


「俺は知り合ったのは全員ゲーム始まってから。

アオイは成り済ましメールがきっかけで携番交換してコウは同じ頃リアルで会って、それ以来リアフレ。姫は完全にこの前が初対面」


続いて私も口を開く。


「ユートとはユートが言った通りで…コウはさっき話した様に犯人に追われて助けてもらったのが初対面で…フロウちゃんは同じくこの前が初対面」


「んで?そっちは?親公認て何者?」


映ちゃんはコウに目を向けた。

それ…私も知りたい。


コウは注目を浴びて、少し視線を窓の外に反らせるが、


「この前初対面とかありえないよねっ。

元々家族ぐるみのつきあいのリアフレとか?」


と、さらに聞いてくる映ちゃんの態度に諦めたらしい。

小さく息をついて話し始めた。


「知り合ったのは俺も全員ゲーム始めてからで…リアルで会ったのは姫が最初。」


ええ???

私と同様ユートも驚いてる。


「最初の殺人あった日、アオイにキレられてユートとアオイ、姫と俺がそれぞれ分かれて行動したんだ。

んで、その時殺人あったの知ってたの俺とアオイだけだったから姫にも教えたんだけど、怯えられてな。

翌日夏期講習で学校行かないとだが怖くて行けないから送り迎えしてくれって、止める間もなくダ~~っと……名前から住所から学校まで……」


うあああああ


「女の子の側にそれやられるとだ…もうしかたないだろ。

そこで下手に断って変な奴に付いてかれても怖いし…」


コウはそこでいったん言葉を切って大きくため息をついた。


「めちゃくちゃ恥ずかしいぞ…女子校に送り迎えって…。

家行ったら親に挨拶、学校行ったら教師に挨拶。待ってる間は晒しもんだ。」


それは…気の毒に……


「でもさ、お嬢ぽいじゃん?彼女。

よく周りが男が一緒なんて許したねっ」

と感心する映ちゃん。


「あ~でも許すのわかるっ!

コウ親受けめっちゃ良いから。

うちの親も大絶賛してたよっ」

そこで私が言うと、コウは小さく首を横に振った。


「なんていうか…ちと違う。

姫の親ってな…もうこの親だからこういう娘が育つんだなって納得するっていうか…。

姫は下の名前が優波なんだけどな、両親ベタベタに仲良くって、娘の事もベタベタに可愛がってて…。

でもって何勘違いしてんだか、うちの優波の選んだ男ならマイファミリー…みたいな…。

選んでないってのに、他人の話ぜんっぜん聞いてなくて…な。」


ユートが吹き出した。


「もしかして…それに引きずられて今に至ってたり?」

「優波に似ても頼光君に似ても可愛い子供が産まれるわね、きっと…ってとこまで話されてんだが…」

眉間に手を当てて大きく息を吐くコウを除く全員が爆笑した。


「なるほどねぇ…だからお嬢なのに今回来れたわけね」

「そういう事だ」


とりあえず…これで今いるメンバーの人間関係ははっきりした、と。

あとは…


「ね、話戻るけど、結局ね、今回の連続殺人の流れって大方つかめたの?

この前言ってた日記とかは?」


私が話を戻すと、コウは何故か少し表情を曇らせた。


「一応…な、日記は入手したぞ。

まあ長く借りられないから、コピーして返してきた。

それ読むとだいたいの流れがわかる。

奴な、最後で仲間割れというか、たぶん警戒されたんだろうな、殺されたっぽいけど、エドガーんとこまでは共犯だったから。

まあ…モノがモノだし、詳しくは別荘に落ち着いてからな」

という。

ま、確かに電車の中で話す事じゃないな。


でも…共犯だったのか~。

とても犯罪犯すような人間に見えなかったんだけどなぁ…

エドガーも今思えばそう思って共犯だったアゾットに忠告してアゾットから正体バレた事を教えられたイヴに殺されたんだね…


ため息まじりにその事を言うと、

「ん~、俺は逆にアゾット黒幕って最初の殺人の後あたりから奴が死ぬまでは思ってたんだけどな」

と、コウが言った。


「ええ??なんで???」


あの頃って…アゾットなんて名前もジョブもほぼ知らなかったよ。

ショウが殺された頃からだっけ?表舞台にでてきたの…。


さすがコウってか、エスパーですか?って思ってたらコウはあっさり


「キャラ名怪しいだろ、どう考えても」

「へ?」

「アゾットってな…16世紀くらいに活躍したパラケルススって錬金術師が持ってた短剣でな…。

柄頭についた水晶の中に悪魔が封じ込まれてて、必要に応じてそれを呼び出して使役してたって言われてるんだと。

ウィザードとかがつけるならともかく…あえてそういう意味のこもったキャラ名を聖職者のプリーストにつけるってあたりでな…腹黒さ満載な気がしないか?」


それは…するけど…


「…たぶん…表面上のピュアさの中に潜む悪って事を表現したつもりだったんだろうな…

普通に知ってるレベルの知識じゃないと思うから、表だって野心や邪悪さだしたらまずいっていう理性と知性、その一方で誰にもわからないところでは悪に興じる自分を主張したいって言う強い自己顕示欲の持ち主……。犯罪の黒幕っぽいだろ?どう考えても」


うあああ……

その推理もすごいけど…


「確かにつけた方もすごいけど…アゾットって意味知ってるコウもすごいよね…」


感心する私の言葉にうなづく一同。

しかしコウは

「いや…」

とそこでチラっと隣でスヤスヤ熟睡中のフロウちゃんに目を向けた。


「アゾットについては姫から聞いた。

学校に送る道々な、唐突にアゾットって名前をプリーストにつけるって変わった人だねって言うんで理由きいたら、そういう物だって言われてな。

ま、姫は単純にファンタジー小説とかの延長線上でそういう知識持ってただけで、奴自身については単なる変わった人としか思わなかったみたいだが…

それを知って改めてアゾット見てみると表面的にはいかにも善人って感じだったからな。

まだ悪っぽければ単にひねくれ者って事で納得したんだが…」


なんか…対極に見えて二人ってなにげに良いコンビだったりする?


茅野駅につくとそこからはタクシー。

今回のゲームのミッション達成金を使い切っちゃおうという主旨の元、みんなの残ってるお金をあわせて大盤振る舞いだ。


「一台には乗り切れないから男女で3、3かな」

私の言葉にコウからNGコール。

「一応責任持って預かってきてるから姫と離れるのはまずい」

あ~そうですか…。


「…じゃあ…俺と映が分かれて乗るね」

これまで終始にこやかに話を聞いてるだけでほぼ口を開く事のなかったヨイチが、そこで申し出た。


「え~?私は良いけど…ヨイチ、平気?」

映ちゃんが珍しく心配そうな顔でヨイチを振り向く。


「…うん。映のおかげで…だいぶ自信がついてきたから。良い機会だし、これを機会にもう一歩頑張ってみるよ」

あ~、対人恐怖症って言ってたっけ…。


「じゃ、俺と姫とヨイチ、んであと3人な」

コウが即宣言する。

映ちゃんの事苦手なんだね、まだ。

私は内心笑いを堪えて、それを了承した。

フロウちゃんの別荘は山の上の方。

なんだか高級そうな別荘の立ち並ぶ一角にあった。


「すっげ~、あたしの自宅よりよっぽど広いよ」

タクシーから降りた映ちゃんの第一声。

いかにも高原の別荘って感じの綺麗な白い建物で、コウに当たり前に荷物を預けて鍵を開けるフロウちゃん。


「ん~でもちょっと問題があって…」

ガチャリとドアを開けて、どうぞ、と中にみんなをうながす。

「問題って?お、中も素敵っ♪」

真っ先に中にかけこんで聞く映ちゃん。

私とユート、ヨイチ、と順に中に入ると、最後にコウが中に入ってドアの鍵をかけた。

「姫、荷物どうする?」

「それなんですよ~」

コウの言葉にフロウちゃんが可愛い眉を寄せて考え込んだ。

「実は…5つしかベッドルームがないんですよね…

普段は家族とゲストいてもせいぜい二人なので。

すっかり忘れてましたっ。」


私男女で雑魚寝だと思ってたよ。

個人の別荘で…寝室だけで5部屋あるのか……。

むしろその事に感心した私の横ではユートがやっぱり同じ事を考えていたのか、苦笑する。


「映ちゃんとアオイちゃんはそれぞれ個室使って頂くのは基本として……

ま、いっか。コウさんは同室でもいいですよね?」

ふられてコウはうなづいた。

「ああ、俺は個室じゃなくても別にいいぞ。」


「んじゃ、そういうことでっ♪

映ちゃんとアオイちゃん、ユートさんとヨイチさん、それぞれ個室使って下さいなっ♪」


へ???


「ま~て~~!!!」

あ、やっぱり。

胸の前で手を合わせてにこやかに言うフロウちゃんに、コウが叫んだ。


「姫……アオイと映とユートとヨイチに個室使わせたら誰と誰が同室になると思ってるんだ……」

「私と…コウさん♪」

ナチュラルに答えるフロウちゃんにコウががっくりとその場にしゃがみこんだ。


「だって…ゲストに相部屋って申し訳ない気しますし…。

私は相部屋として、コウさんなら相部屋でも許してくれるかな~って」

「いや……問題はそこじゃなくて…な。

相部屋はいいんだけどな…」


ある意味すごいや、フロウちゃん。


「男女で同室ってのがまずいんだと思うよ。」

ユートが苦笑しながらも助け舟を出した。

「そういう事です?」

きょとんとした目でコウを見下ろすフロウちゃんにコウがホッとしたように

「そういう事だ」

と答える。


これで解決…と普通ならなるんだけど、フロウちゃんはにっこりと

「そう言う意味なら大丈夫です♪

この前コウさんは誰彼構わず襲う趣味ないっておっしゃってましたし、私もないのでっ♪」


あ…コウが死んだ……。


「わ、私っ!!フロウちゃんと同室になりたいなっ!

一晩女の子同士でおしゃべりしようっ!」

しかたなしに助け舟を出す私にフロウちゃんが嬉しそうにその場でぴょんぴょん跳ねた。

「あ~、それも素敵ですねっ♪じゃ、アオイちゃんと一緒~♪」

脱力するコウに、苦笑いを浮かべる残り一同。


まあそんな感じでドタバタとしてたけど、とりあえずそれぞれ一旦個室に落ち着いた。




「私ね、幼稚園からずっとエスカレータだったので、学校以外のお友達っていなかったんです♪

だからアオイちゃんと会えてとっても嬉しいです♪これからも仲良くして下さいねっ」


荷物を運んでくれたコウが自分の荷物整理に部屋を出て行くと、荷解きをしながらフロウちゃんが話しかけてきた。


チラっと目をやると、なんだか着替えとか身の回りの物も派手じゃないけど品質がよさげっていうか…お嬢様なんだなって感じ。


「こちらこそっ。私の方こそフロウちゃんみたいにお嬢様な友達初めてだし、すっごぃ光栄だよっ」

私が言うとフロウちゃんは

「お嬢様?」

と、一瞬きょとんと小首をかしげて、次の瞬間キャラキャラと可愛らしい声をあげて笑った。

「そんな事ないですよぉ~、極々普通の家です♪」


いや…フロウちゃんが普通ならうち大貧民になっちゃうって………


「どこ行くか迷うほどいっぱい別荘あったりとかって充分普通じゃないから…」

「ん~んっ。いっぱいじゃないですよぉ。

ここと京都と北海道だけ。」

いや…だけって…3つもあれば充分……


「学校も…超有名お嬢様学校だし…

やっぱりあれ?お家にはメイドさんとか執事さんとかいたりとかして、普段学校はハイヤーで送り迎えとか?」

もう好奇心ムクムクの私の質問に、フロウちゃんは、テレビの見過ぎですと、苦笑する。


「もうっ、ホントに普通の家ですよ~。

家事は普通に母がやってますし。

嘘だと思うならコウさんに聞いて下さい。

そもそも…学校は車通学禁止なんです。

だから結構裕福なお家のお嬢さんでも普通に公共の乗り物で通学してますよぉ」

「そう…なんだ~~。あんな有名お嬢様学校ならみんなジイヤに車で送ってもらってるのかと思ってた」

「少なくとも…うちの学校はそんな事ないですよぉ。

私も通学は電車です」


こんな…超ド級の美少女が超有名お嬢様学校の制服着て電車乗ってたらすごぃ目立ちそうだ……


「……フロウちゃん…誘拐されかけたりしないの?」

思わず聞くと、フロウちゃんはあっさりと

「ん~たまにありますねぇ」

とのたまわる。

「ええ~~??!!あるのっ???!!!!」


「誘拐っていうか…街中歩いてていきなり腕掴まれて連れていかれそうになったりとか、変な人に絡まれたりとか…痴漢さんに付け回されたりとか、露出狂の方に車に誘われたりとか……」

指折り数えるフロウちゃん。


…あ……あっぶな~~!!!


「だから…もしかしてコウさんからお聞きになったかもですけど、殺人の話を聞いて怖くなって、私夏休みの夏期講習の間中、コウさんに家と学校の間の送り迎えして頂いてたんですけど…」

「うん、きいた」

「そうですか。それで最初にお迎えに来て頂く事になった時って母に危ない所を助けて頂いた方に送り迎えして頂く事になったって説明したら、あっさり納得してくれました」


ウソじゃありませんしね、ホントはゲーム上でですけど、とニッコリ笑みを浮かべるフロウちゃん。

なるほど~~。納得。


「実際…コウさんが一緒に居て下さると、そういう方がホントに来なくなるので、すご~く平和でしたっ」

まあ…そうだろうなぁ……


フロウちゃんも……面白いなぁ……。

なんかコウといいフロウちゃんといい、私とユート以外本気で普通じゃないよっ。

今回のゲームがなかったらまず知り合う事なかったよね。


そのままフロウちゃんの話をきいていたい気もしたけど、他も待ってるだろうし、荷物の整理が終わるととりあえずリビングへ。




広いよ……

たぶん…普通の部屋の二部屋分くらいは余裕である。


何畳とかはわかんないけど…。

下はフローリングで真ん中の応接セットのあたりにはカーペット。

天井にはおっきなファンまでクルクル回ってるよ…。


大きなガラス戸を開けると庭に出られる様になっていて、外とは反対側にはカウンター。

その奥がシステムキッチンになっている。


フロウちゃんは持参したフリフリの…テレビドラマとかでどこぞの新妻がつけてそうな真っ白なエプロンをつけて

「飲み物を入れてきますから寛いでいて下さいね」

と、キッチンに消えて行った。


「あ、俺手伝うっ」

すでに来てカーペットの上で寛いでいたユートが立ち上がりかけるが、

「やめとけ」

と、コウが止める。

「男が台所入るのすごく嫌がる家だから」

と、当たり前にいうあたりが…もう休みの間中、どっぷりフロウ家に浸かってたんだねって感じで笑える。


「お茶…何がいいです?」

キッチンからカウンター越しに姿を覗かせたフロウちゃんに戸惑う一同。


コウだけが当たり前に

「何がある?」

と質問を返した。


「ん~アールグレイにラプサンスーチョン。ミルクティにするならアッサムもあります。

後はアイスならニルギリが。」


『…ごめん……わかんない。日本語?』

ユートの隣に座って思わずコソコソつぶやく私にうなづくユート。


「ん~他が希望ないなら俺はアールグレイがいい。

ストレートで飲みたいけど、スモーキーすぎてラプサン好きじゃない。」


それに普通に答えるコウ……庶民には宇宙人の会話だ。

おぼっちゃま確定。


「はいっアールグレイですね♪

ハロッズとF&Mとフォションどちらがいいです?」


もう…ね、誰もついていけない世界に入ってきましたですよ?

何を聞かれてるのかさえ庶民にはわかりませんよ?

「ハロッズがいい」

反応するのコウだけだし。


やがてワゴンにポットと思い切り高級そうなティーセット、それに持参したらしき高級そうな焼き菓子を乗せたフロウちゃんがキッチンから戻ってくる。


優雅な仕草でティーポットから紅茶を注いでいくフロウちゃん。


「おお~~ヨイチ、見てみなよっ!

ティーバッグじゃないんだよっ!

ティーポットから茶でてるよっ!

本物だよっ!ドラマの世界だよっ!」


それに大興奮の映ちゃん。

隣のヨイチの肩をバンバン叩いてる。


お嬢様フロウちゃんのお宅にお邪魔しているおぼっちゃまコウとその他庶民一同の図決定。




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