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過保護なパパは心配性!  作者: 荒巻
学校の章
7/19

2:試験の裏側(軍神テュールの受難)

「テュール校長、ご報告があります。」


「どうした。生きのいい受験生でもいたか?

 今年は殿下や、未来の近衛候補が受けに来ているから楽しみだな。」


「はい、一般受験生の中に獣魔使いがいるのですが、

 獣魔の種族が分からないものがおります。」


「獣魔使いとは珍しい。どのような魔獣だ?」


「真っ白な体躯の狼で、体高が1mほど、狼にしては大きすぎます。」


「ふむ。では筆記試験の間に私が見に行こう。」


獣魔使いも珍しく、興味が出たので直接見に行ってみることにする。

獣魔使いは効率が悪い。

強い獣を使役するのは難しく、弱い獣を使役しても戦力にならないのだ。

そのため、この国には獣魔使いの地位は低くほぼいないと言って良い。


腹心の一人であるレージング教官を連れて獣魔使いがいる教室へ向かう。

その獣魔を見た瞬間に、私の時間は止まった。

「フェンリル!?」

過去の恐怖が蘇る。15年前、私が率いた1万の軍勢を威圧のみで無力化した魔獣が目の前にいる。

何かの間違いだ、奴はそれ以降姿を消した。ニッポンから去ったとされている。

その魔獣が教室の後ろで静かに、そして優雅に寝転んでいる。


て、帝都が滅びる!軍に出動要請をせねば!

いや、下手に刺激をするほうがまずいか?


視線を向けていると奴が私と目を合わせ、ニヤッと笑ったように見えた。

その後、興味なさそうにまた優雅に体を横たえた。


どのみち、奴が暴れたら帝都は終わる。

ならば、半ばやけくそではあるが様子を見ることにして校長室へ戻った。



獣魔を見た後の私の変わりようを見かねた、レージングが

「私が獣魔の様子を見てまいりましょうか?」

と名乗りを上げた。


彼女は軍部時代からの部下だ。

共に戦場をかけた一騎当千の女性であるが、私が校長になる際に軍から引き抜いた人材である。


「よし!貴君に任せる。非常に危険な魔獣である可能性がある。

極力刺激せず様子を見てこい。無事、任務を終えて戻ってこい!」


「はっ!」

凛々しく敬礼してレージングは校長室を出て行った。

まだ、私も彼女も軍時代の癖が抜けないようだ。



試験の休憩時間が終わる前にレージングが戻ってきた。

いつもの凛々しい表情がやけにゆるんでいる。


「偵察の結果を聞こうか」


「はっ!モフモフでありました」


「!?」

意味が分からず状況説明を受けた。

教室の受験生と一緒にフェンリルをモフり倒してきたらしい。

レージングからモフモフのすばらしさを語り倒された。

だめだこいつ・・・

レージングの表情は間抜けなほどニヤニヤしていた。


奴の意図は不明だが

まあ、今のところは安全ということか。


問題は午後の戦闘試験だ。

当然奴が戦闘に参加する。


戦闘試験の試験官に事情を説明したところ、

だれも、ニーナ・ブラッドフォード&フェンリルの試験官をやりたがらない。


もちろん私も嫌だ・・・

仕方がないので、こちらから指名するが、

一人ではやりたくないと泣きつかれたので、5人全員で対応するように指示をした。


一人は審判となる。

審判決めは死闘になることは予想されたが、そこはまあ、知らんがな。


「皆、死ぬな!」

私はただそれだけを告げた。




午後の実技試験も無事終わった。

心配は杞憂だったようだ。

試験官4名は奴に瞬殺されたが、だれもケガなく気絶させられただけであった。


奴は帰り際に校長室から眺める私へじっと視線を向けた後、帰って行った。

「落とすなよ」

と間違いなく念を押されたようだ。


「どうしよう」

帝国軍にて軍神テュールと言われた私、人生最大のピンチの気がした・・・

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