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過保護なパパは心配性!  作者: 荒巻
学校の章
17/19

11:5匹の子熊

今日も学校だーーーーーーー!ファイッおー!!!


何事もなく本日の授業は過ぎて行ったが、どうも酒呑&ソーン夫妻の様子がおかしい。


朝も声をかけると

「おはよう!ソーンさん」

「・・・ああ、おはよう」

といった感じだ。


普段なら、

「おはよう!」( ✧Д✧)キラーン

となるはずなのだ。


旦那にいたっては、

「酒呑くんおはよう!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

返事がない、生ける屍のようだ状態である。



心配になったのでソーンさんをお昼休みに問い詰めた。

簡単にいうとこういう事だった。

昨日、酒呑と鍛錬に森へ行った際に餓死寸前の子熊を5匹見つけた。

親熊が死んでしまったのか、まだ餌が取れない子熊が衰弱して死にかけていたらしい。

成長した野生の熊は危険なため、人間を襲ったら殺されてしまう。

だが、餓死しそうな子熊を見捨てることができず何とか助けようと治癒士の所へ連れて行ったが、

おそらくもう助からないだろうという事らしい。

今日、これから引き取りに行くことになっているそうだ。


話し終わった後、ソーンさんは私の腕をがっとつかむ

「放課後引き取りについて来てくれないか?わたしと酒吞ふたりでは受け止められそうにない」

凛々しいが、少し疲れた影のへある表情で私を見つめている。


もちろんです。そんな表情向けられたらNOなんて言えません。

私はイエスマン、ソーンさんの憂いある表情だけでごはん3杯はいけそう。


授業後、ソーンさん、酒吞くんとに付き添って治療師のもとへ向かう。

5匹の子熊を引き取り、3人で抱きかかえて家に帰った。

二人の家の居間で子熊たちを看病していたが衰弱してもう助かりそうにない。

ソーンさんははやさしく声をかけながら子熊たちをなでている。

酒吞くんもソーンさんと一緒に子熊を看病している。

子熊たちも答えるように最後の力を振り絞ってなでる二人の手をなめている。


そんな様子を見ていると私も悲しくなってきた。

一緒についてきたゼフィは私に寄り添ってくれている。

そのぬくもりを感じながら思う。もしゼフィが死ぬようなことがあったら耐えられるのだろうか?

生き物は死ぬものだ、私も毎日生き物の犠牲で食事をして生きている。

この世界で人も寿命や事故、戦で亡くなっている。

神でさえも死ぬ。

自然の摂理には逆らえない。

はるか昔には生き返りのアイテムもあったらしいが、今の時代にそんなものはない。

・・・

・・・

・・・

一緒に育ってきたゼフィが死ぬなんて私には耐えられそうにない。

その日の夜、子熊たちは息を引き取った。

ソーンさんは私に「ありがとう」と酒吞くんは「つき合わせてわるかったな」と言っていた。


結局、私は見守ることしかできなかった。

自分の無力を感じてゼフィととぼとぼ家に帰った。


家に帰り出迎えてくれたパパとママの笑顔をみると、急に涙があふれてきた。

「(つд⊂)エーン」

「グスっグスっ」

しばらくして気分が落ち着くと放課後にあったことをパパとママに話した。

話し終わった後、その日は疲れてしまったのかすぐに眠ってしまった。




翌日、いつものようにゼフィと学校へ向かった。二人は来ているかな。

ゼフィは今日すごく疲れているように見えるけどどうしたんだろう。ちょっと心配。

教室に着くとソーンさん酒吞くんがすでに教室にいた。

その足元には・・・

・・・

・・・

元気に子熊が5匹じゃれあっていた


「え!どうして!?」

私が驚いて尋ねると、ソーンさんが話してくれた。

「朝起きたら子熊たちが元気になっていて、テーブルの上にこの手紙が置いての。」

そして、私に手紙を差し出した。

手紙には、クマ、トラ、ホシ、カナ、イクの5匹をよろしく!とだけ書いてあった。

筆跡がなんか見覚えがある気がするけど気のせいかな?

「誰かがこの子たちを助けて、私たちに託してくれたみたい。」

「俺たちが責任をもって育てるよ」

ソーンさんはとびっきりの笑顔で、酒吞くんは5匹の子熊とじゃれあいながら答えた。




時間を前日に巻き戻す。

【ニーナが眠ったあとのブラフォード家の居間】

「ニーナのお友達のペットの熊か・・・どうやって生き返らせようか」


「あなた、今うちには生き返らせるアイテムはないわ、死んだままのものは眷属化できないし」


「よし! ゼフィ&庭にいる蛇くん。ちょっと君たちの妹連れてきて!」

フェンリルとヨルムンガンドの下の妹ヘルは死者を蘇らせることができると言われている。


「ワウ?(え?)」「ギョワ?(え?)」

「ワウワウ!(無理!)」「ギョワワー!(リームー!)」

首を左右にブンブン振っている。


「あなた、明日はご飯はフェンリルと蛇の丸焼きにしましょうか?」

シアンが微笑みながら2匹に死刑宣告をする。


「ワフ(行きます)」「ギョワ(もちイクっす)」

二匹は顔面蒼白で速攻首を上下に振りだした。相変わらず強い者にはまかれる兄弟。


「ふふ、二人とも喜んで行ってくれるみたいよ。」


「よかった~、じゃあ君たちの妹のヘルだっけ?を連れてきて子熊たちを生き返らせておいてね。よろしく!」


二匹は夜の闇の中へ飛び出していった。

無事朝までに子熊たちを生き返らせることができたが、そのお話はまたの次の機会に。

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