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ヒロインはモブになりました

作者: 明日香
掲載日:2013/11/10

勢いで投稿しちゃいました。

暗いかも…(--;)

君じゃなきゃ駄目?


私が必要?


そんなのウソ。



結局は誰でも良いのよ。



***



「「愛ちゃーん。どっちがどっちだと思うー?」」



「えっとぉ。右が涼くんで左が瞬くん!」



ほんと耳障り。



「「すごいよ愛ちゃん!」」



「今まで1回も間違えて無いよ!」


「皆ほとんどわかんないのに!」


「そんな事無いよぉ…。だって瞬くんも涼くんもそっくりだけど1人の人間でしょ?」



よーく見ると違いがあるから分かるだけ。



そう言って笑う彼女。



そしてそんな彼女を熱の籠った目で見つめる双子。




馬鹿らしい。余りにも馬鹿っぽくて笑いが止まらない。



彼女がどっちが瞬か涼か分かるのも当然だ。

だって私が見分けかたを教えたんだもん。ヒロインの私が。





この世界は所謂乙女ゲームの世界でして。

そんな世界に私という少女がどういうわけか、この世界のヒロインの桃島 瞳子として産まれてきた。

前世の河東 麻希という人格のまま。


だから物心が着いた頃には自然とココがゲームの世界と同じだという事は理解していた。


このゲームを知っていたのは好きだったからじゃない。

妹が熱烈に好きだっただけでやった事は無かったし、どっちかというとゲームとかには興味なかった。知っていたのも登場人物の名前ぐらい。


だからこの学校に入学したばかりの時は不安だった。ヒロインとして上手くやっていけるのか。

だけどそんな不安はヒロイン補正みたいなもののおかげでいつのまにか消えていた。



私が何もしなくても出会いがくる。

頑張らなくても学校のアイドルから気にしてもらえる。


私だってカッコイイ人は大好きだ。

夢のような世界だと思った。

だから頑張って周りが求めるヒロインになった。





だけど気付いてしまった。きっかけは友人役の吉備野 愛の何でもない一言。





「瞳子ちゃんは皆から必要とされてるね」





私だから必要とされているのだろうか、と。

私がヒロインの桃島 瞳子じゃなくなったらどうなる?

本当の私、河東 麻希だとしても変わらず必要としてくれるのだろうか。



それからは早かった。

私の変わりに愛をヒロインに仕立て上げた。


口では無理だよぉとか言っていたけど、前々から愛は私の状況を妬んでいたから満更でも無かったみたいだ。



そして、徐々に瞳子から麻希に切り替えていった。

少しずつ、浸食するかの様に。


まず、攻略対象とは今まではどんなことを言えば喜ぶのか考えながら会話していたが、それを辞めて素の私で接していくようにした。


双子当てクイズは分かってはいたけど少しずつはずすようにして今まで私の隣で空気として扱われていた愛に振ったりした。


最初は双子も愛も戸惑ってはいたけどしばらくしたら私が空気になっていた。


たまに私に対して出されるときもあるけど外す度にやっぱりこいつじゃ無かったんだって顔をされる。


双子とのパイプが出来たら自然と他の攻略対象とも繋がりが出来るわけで、他の奴らも愛の方へ傾いていった。


愛には双子の見分けかたとヒロインしかしらない簡単な情報しか教えなかったけど、今まで私の振る舞いを隣で見てきたからか前の私にそっくりだった。



今じゃ愛の周りは攻略対象で溢れかえり、ヒロインとなって嬉しそうにしている。

そして私は一歩離れたところでそれを見る。


こうして元ヒロインが完成した。




自分を満たしてくれる言葉をくれる子ならだれでも良いのだ。桃島 瞳子という設定に一致してるなら。


君じゃなきゃ駄目とかあり得ない。

結局私じゃなくても良いんだ。


そして新たな事に気付いた。



桃島 瞳子じゃなくなった私は必要とされない。




今じゃヒロインはモブになってます。




作った自分じゃなくて本当の自分を必要として欲しい。表面だけを見ないで欲しい。

ある意味病んでる?主人公です。乙女ゲームの攻略対象と同じ心境の持ち主です。


桃太郎から名前をとりました。


桃島 瞳子→桃太郎

転生者。本当の自分を必要として欲しかった。

吉備野 愛→吉備団子

ヒロインになりたかった脇役。腹黒。

犬上 涼・瞬→犬

枝鳥 雅臣→雉子

猿渡 健吾→猿


続くのかもしれない。笑

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