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5 深い愛
「お姉ちゃんは、あたしのことを一番優先してくれるの。
だからきっと、お姉ちゃんは自分のことあんまりやってない」
大好きな姉は、自分を大事にしていないように思われる。
妹の琥珀を優先するばかりなのだ。
「この前だって、そう。
仕事忙しいのにあたしの誕生日を祝ってくれるはずだった。
今さ、新作書いてて忙しいんだ」
「…愛されてるな、来家はお姉さんに」
晶が姉に愛されている。
それは晶を見れば分かる。
姉を語る目は、いつものきつい目と違う。
とても優しく、柔らかい眼差しだ。
琥珀の、妹への深い愛を感じる。
「お姉ちゃんを、絶対助ける。
あたしはなんにもお姉ちゃんに返せてないんだもの。
今度はあたしがお姉ちゃんを愛するの」