15/37
4 待っていたのは
家に帰った晶を待っていたのは…
その日もあたしはお姉ちゃんを探していた。
三日帰らないでようやく帰ると、玄関の前に人が立っていた。
「来家」
「……何してるんですか、薫先生」
天城薫先生が立っていた。
いつもと変わらない、さっぱりした格好で。
「お前、三日もいなかっただろう。何やってたんだ」
「……先生には、分からない」
この口ぶりだと先生は三日連続でうちに来ていたらしい。
あたしは先生を振り切って中に入ろうとした。
でもあたしは手を掴まれて叶わなかった。
先生は、怖い顔であたしを見ていた。
「来家、何があった。お姉さんはどうした。近所の人から聞いたぞ。このところお姉さんを見かけないって」
「…忙しいから、部屋に籠ってるだけ」
「電話に出られないほど忙しいのか?」
「そう」
それでも先生は手を離さない。
晶ちゃん家は一軒家です
両親の死後家は人手に渡っていましたが
琥珀お姉ちゃんの尽力で取り戻しました
ここは本編で触れません