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2 電話
着替えて出かけようとしたら、玄関に置いてある電話の親機が鳴った。
出てみるといきなり怒鳴られた。
『来家、お前何してるんだ!』
電話の主は、あたしの担任の天城薫だった。
先生は少し落ち着いてあたしに言った。
『具合が悪いのか? ならきちんと連絡しろ』
あたしが黙っていると、先生はまた言った。
『そういえば、お姉さんはどうされた? お姉さんの具合もよくないのか』
「……………………しばらく、休みます」
あたしはそれだけ言って電話を切った。
まだ電話口から怒鳴り声がしたけど気にしなかった。
そしてまた家を出た。